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毎回、大阪を拠点に活動しているNPO法人やNGO、ボランティア団体、そして大阪のいろいろな地域で活躍している方やその地域の活動内容を通して、大阪の「ひと」や「まち」の魅力を発見していきます。
たくさんの人に知ってほしい大阪を魅力いっぱい、情報満載でご紹介していきますので、みなさんご期待ください。

2006年12月16(土)放送
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伝統文化から環境問題まで
大阪・日本とウクライナの愉快な関係を紹介
〜『日本ウクライナ文化交流協会』〜

『日本ウクライナ文化交流協会』の活動をご紹介します。東ヨーロッパにあるウクライナという国について、どんなことをご存じですか?2006FIFAワールドカップサッカードイツ大会では、決勝トーナメント進出を果たした国です。ウクライナの英雄、シェフチェンコ選手は日本でも人気があります。スポーツでは他に、棒高跳びのブブカさん、格闘技のヒョードルさんがいます。ウクライナは東隣にロシアがある他、ベラルーシ、ハンガリー、ポーランド、スロバキア、ルーマニアなどと接しています。首都はキエフで、世界史の授業で習ったキエフ公国を思い出す人も多いのではないでしょうか。
今回ご紹介する『日本ウクライナ文化交流協会』は、国の公的な機関というわけではなく“草の根”活動のようです。詳しい話を、会長の小野元裕(おの もとひろ)さんに伺います。

★上のボタンを押して、放送を聴いてくださいね!


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●インタビュー前半

藤原:ウクライナという国について、まず基本的なことから教えてください。
小野:ウクライナはロシアの発祥の地です。ですから、ウクライナがお父さん、ロシアが子どもという関係です。

藤原:面積は広いのですか?
小野:日本の1.6倍です。

藤原:人口は?
小野:日本の半分、5千万人くらいですね。

藤原:ウクライナの人は、どのような人が多いですか?
小野:人と人との距離が本当に近くて、とっても人懐っこいですね。日本人のことが大好きで、我々が行くと受け入れてくれますね。

藤原:小野さんとウクライナとの関わりですが、きっかけは何だったのですか?
小野:私は元々、天理大学のロシア学科におりまして、そこでドストエフスキーを勉強していました。卒業後も大阪の出版社で書籍編集の仕事をしながら、『文化創造倶楽部』のロシア文学を読む会や『関西日露交流史研究会』の活動に参加していました。このようにロシアを勉強すれば勉強するほど、ウクライナにたどり着きました。ウクライナがロシアの発祥の地だと分かってからは、ウクライナを重点的にやろうと決めました。

藤原:ウクライナに行かれたことは?
小野:去年は1年間、住んでいました。今年は帰ってきて、日本でウクライナのことを紹介しています。

藤原:具体的にどんなことをされていたのですか?
小野:お茶会、ピアノやギターのコンサート、そして現代アートの展覧会もしました。また、桂あやめさんと林家染雀(はやしや そめじゃく)さんに来てもらって、落語もしました。二人は『姉様キングス』という漫才コンビとしても活躍しており、キエフでも音曲漫才を披露してもらいました。

藤原:盛りだくさんですね。日本でやっても、すごく楽しそうなイベントですが、ウクライナでの反響はいかがでしたか?
小野:とっても反響が良くて、みなさん喜んでくれました。民間レベルでイベントを行いましたので、公の機関ではできない、大阪・日本の芸能文化を紹介できました。それが喜ばれましたね。

藤原:大阪の言葉や関西弁なども教えたりしましたか?
小野:天理大学と提携を結んでいるキエフ大学のアンドレー先生とのご縁で、日本語講座をしてくれないかという話をいただきました。でも、みんな日本語はよくできるんです。ですから私は、特別に大阪弁講座をしました。みんなで「そうでんな!」とか言ったりして。向こうのべっぴんさんや美男子が、「もうかりまっか?」「ぼちぼちでんな」と言っているのは気持ちいいですね。そこで私は大阪人としての自覚を改めて感じましたね。



●スタジオ

藤原:お話を聞いていると、小野さんは本当にウクライナのことが大好きだということが伝わってきました。

松本:それと、大阪も好きなのでしょうね。

藤原:ウクライナの人と大阪の人では、共通する部分がたくさんあるな、ということが分かりました。

松本:お笑いのイベントも開催したということですから、笑いのツボもよく似ているのかもしれませんね。

藤原:ちょっと聞いた話なのですが、“乾杯”がとても好きな国らしいです。パーティーだと、数分おきに誰かが簡単なあいさつをして乾杯があるそうです。1回目の乾杯は出会いや健康に対して、2回目は友情に対して、3回目は愛に対して…といった具合に(笑)。

松本:理由は何でもよくて、とにかく乾杯が好きなのですね。

藤原:陽気な国ということが伝わってきますね。後半も、まだまだウクライナのことについて伺っております。



●インタビュー後半

藤原:今年は日本に帰ってきて、ウクライナのことを紹介されているということですが、どのようなことをされているのですか?
小野:ウクライナからバンドを呼んできて、10月1日に『ウクライナ・デーin天理』をしました。今は毎週2〜3回いろいろなところに出向いて出張講演会をしています。来年の1月13日には『ウクライナ・デーin東京〜ウクライナの旧正月を祝おう〜』というイベントもします。

藤原:着物のことに、すごく関心を持たれている方もいるそうですね。
小野:日本文化の中でも、着物文化はとても人気ですね。でも、日本に留学して着物を買おうと思っても、高くて買えないので僕に相談がありました。だから、僕はいろいろな人から着物をもらっていましたが、それでも追いつかなくなって、『着物バンク』を立ち上げました。

藤原:『着物バンク』とは?
小野:全国から着物を無償で提供してもらっています。たんすの肥やしになっているような、いらなくなった着物を、ウクライナの人々にプレゼントして、もらった人はそれに対して、10円でも100円でもいいので募金をしてもらっています。その募金は、すべてウクライナにあるチェルノブイリの支援に充てることにしています。というのは今、経済はどんどん成長しているところで、彼らは“負の遺産”であるチェルノブイリにあまり関心がないのです。日本もそうでした。高度経済成長の時には、たくさんの公害をもたらして、ある程度豊かになってから、それに目を向けるようになった。ウクライナは今、チェルノブイリに目を向けることができない。ですので、日本がいっぱい援助しています。でも本当は、彼ら自身が意識を持たなければいけない。そこで私は『着物バンク』を通じて、彼らにチェルノブイリへ関心を持ってもらおうと思っています。

会長
小野元裕さん

カルパチア山脈に馬で入る小野さん

日本語を学ぶ大学生と共に

「初めて日本人を見た」と喜ぶ小学生

ウクライナについて語る小野さん

日本文化の授業がある学校

ウクライナで旧正月を祝う

ウクライナの人も大阪の人も
明るいですよね!




藤原:文化芸能を広めることから、環境問題まで幅広い活動をされていますが、今後はどのような活動にしていきたいとお考えですか?
小野:今年9月には1週間、『日本ウクライナ文化交流会』のメンバー8人と一緒にウクライナを旅しました。とっても良かったですね。そういう活動を続けていきたいと思います。また今、日本では引きこもりなどの問題がたくさんありますが、来年はそういう子どもたちを連れて、ウクライナの自然の中で生きる自然体験をさせたい。そして、引きこもりから解放してあげたい。そういう思いも持っています。

藤原:どうもありがとうございました。
小野:ジャックユー。



●スタジオ

松本:最後の“ジャックユー”って、何ですか?

藤原:“ありがとう”という意味らしいですよ。小野さんは、『ウクライナ丸かじり』という本を出されていまして、いただいてきました。60ページくらいの本です。写真などを交えながら、小野さんが実際に行かれた時の様子がすべて分かるように、ウクライナの生の声というようなものが紹介されています。

松本:ウクライナの生活や文化、そしてウクライナ人の精神というようなことまで、いろいろなことに言及されていますね。

藤原:ところで、ウクライナの料理って、何があるか分かりますか?

松本:ピンと来ないですね。

藤原:ロールキャベツは、ウクライナ発祥の料理です。

松本:ロシア料理という感じですけどね。

藤原:それとロシア料理として知られているボルシチ。

松本:えっ、ボルシチもウクライナ料理?

藤原:ウクライナの料理です。そういう話を聞いたら、身近な感じがしますよね。『日本ウクライナ文化交流協会』は現在、80人のメンバーがいらっしゃいます。入会金無料、年会費は1万円ですが、会員には会報が送られて交流会に招待してもらえたり、旅行にも一緒に行けたりしますので、興味のある方はぜひ参加してください。活動について、詳しくはHPをご覧ください。検索サイトで、『日本ウクライナ文化交流協会』と検索するとヒットします。


<お問い合わせ>
『日本ウクライナ文化交流協会』
TEL 072-993-2037
www.geocities.jp/nichiubunka


● 取材を終えて、感じたこと

私にはウクライナに住んでいる知り合いもいないし、ウクライナのことはあまり詳しくないのですが、お話を伺う限り、とても陽気で楽しい事が大好きな土地柄なのだろうと想像します。
また、日本とウクライナの橋渡し役を務める小野さんも社交的で、場の雰囲気をパッと明るくしてくれる方でした。
本当にウクライナの人々は、大阪人とよく似た面があるようですね。今後も、もっと交流が深まると良いですね。


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