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毎回、大阪を拠点に活動しているNPO法人やNGO、ボランティア団体、そして大阪のいろいろな地域で活躍している方やその地域の活動内容を通して、大阪の「ひと」や「まち」の魅力を発見していきます。
たくさんの人に知ってほしい大阪を魅力いっぱい、情報満載でご紹介していきますので、みなさんご期待ください。

2006年12月9(土)放送
放送を聴く

子どもも大人も夢中になれる!
人形劇の多彩な世界
〜『浪花ふれあい人形劇まつり』〜
大阪国際人形劇フェスティバル
2008
向かってプレプレ企画

今回は11月25〜26日に浪速区民センターで行われた『浪花ふれあい人形劇まつり』の様子をご紹介します。これは、この番組でもしばしばご紹介している『大阪 ひと・まち魅力発見事業推進会議』の、大阪を盛り上げるためのラウンドテーブル事業企画コンペで、優秀企画賞を取った企画です。この番組にも何回か登場していただいている人形劇団『ぐるーぷ ぬ!』と『大阪国際人形劇フェスティバル2008を成功させる会』が主催、浪速区コミュニティ協会が共催として加わったイベントです。それでは、2日間のうち、26日の模様をお聞きください。

★上のボタンを押して、放送を聴いてくださいね!


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●『ぐるーぷ ぬ!』代表の坂口真子(さかぐち まさこ)さんにインタビュー

藤原:今回の『浪花ふれあい人形劇まつり』は2日間にわたって、プロ劇団とアマチュア劇団が人形劇を上演しているということですが、全部でいくつの劇団が参加されているのですか?
坂口:今回は14の劇団が参加しています。そのうちプロが『P.ことり座』、『人形劇団 ののはな』、『わけちゃん』、『人形劇団 クラルテ』の4劇団です。『ののはな』は九州から、『わけちゃん』は四国からの参加など、大阪市以外からも来られています。アマチュアは10団体で、大阪市、池田市、枚方市、寝屋川市で活動しているメンバーが主に参加しています。

藤原:先程、坂口さんが所属されている『ぐるーぷ ぬ!』の人形劇『音がする信号機』を見せていただきまして、本当に楽しかったです。これは『ぐるーぷ ぬ!』の新作劇なんですか?
坂口:はい、そうです。一昨年の人権絵本コンクール優秀作品に選ばれたものを人形劇にしたものです。

藤原:ストーリーは、目の不自由なおばあさんが横断歩道を渡る時に、信号機の音が頼りなのですが、さまざまな騒音が邪魔をしてなかなか渡ることができない。どうするのかな、とハラハラして見ていると、最後には、カモの親子の助けがあって渡ることができるという、ちょっと重い内容ですけど、すごく分かりやすくて、楽しく見ることができました。この人形劇に関して、苦労したところはどんなところですか?
坂口:人権ということにすごく気を使いました。作者の意図や心を伝えたかったので、内容に手を加えることはしないようにしました。それに、自分達の“明るく元気”というカラーも出したいと思って作りました。

藤原:音のタイミングや車の動きなど、難しそうですね。
坂口:車をどう動かしたら、信号を渡っているように見せられるかという点が、一番苦労したところですね。絵本に描かれているものを人形で表現するっていうのがすごく難しくて。この作品に関しては『クラルテ』の松本則子(まつもと のりこ)さんにご指導していただきました。

藤原:今日はたくさんの方が見にこられています。演じている時、見ているお客さんの反応は分かるんですか?
坂口:会場の雰囲気は何となく分かります。みなさんがグッと乗ってきたなという雰囲気も、滑ったなっていうのも分かります(笑)。でも、笑える劇だったら笑い声で分かるんですけども、今日のような内容の劇だと、ちょっと分かりにくくて、自分たちもハラハラしながらやっているところがあります。ただ、この作品の気持ちを伝えたい、という思いだけはあります。

藤原:舞台も結構大掛かりですが、人形も含め全部手作りですか?
坂口:そうです。全部オリジナルです。想像して作ったものです。
『ぐるーぷ ぬ!』代表の
坂口真子さんに
インタビュー

『ぐるーぷ ぬ!』の上演会場

『音がする信号機』の様子

上演後、『ぐるーぷ ぬ!』のみなさん



藤原:時間がかかるのでしょうね。
坂口:人形と装置を作るのに、ものすごく時間がかかりました。今回は脚本にも、ものすごく気を使いました。

藤原:これから、どんなことをしていきたいとお考えですか?
坂口:最近、子どもたちに関係する、殺伐とした事件がたくさん起こっています。ですから、人形劇を見ている空間だけは楽しく明るいものにして、夢をいっぱい持って育ってもらいたいという思いで演じていきたいです。どこまでできているか分かりませんが…



●スタジオ

藤原:まず、『ぐるーぷ ぬ!』の人形劇『音がする信号機』を見て、代表の坂口さんにお話を伺いました。

松本:『音がする信号機』という人形劇は、ただ横断歩道を渡るというシーンだけで成り立っています。よく考えたら、横断歩道には縦横の線があるから、それを人形劇でどうやって見せるかというのは、やっぱり難しいのでしょうね。

藤原:とくに横と奥行きが難しいので、ちょっと坂になるように見せているのです。

松本:立体感で奥行きを出しているのですね。

藤原:動きもあって、ストーリーもとても分かりやすくて、内容がちゃんと伝わってきました。お客さんは子どもたちが多かったです。敷き物の上に子どもたちが靴を脱いで三角座りして、目をらんらんと輝かせながら、身を前に乗り出して真剣に聞いていましたよ。そんなお客さんたちにもお話を伺いました。



●参加者にインタビュー1

藤原:こんにちは。今日は何人で来られたのですか?
女性:5人です。

藤原:『音がする信号機』をご覧になっていかがでしたか?
女性:原作の絵本を持っているのですが、子どもに、本でなかなか伝わらなかったことが、人形劇では伝わったと思います。

藤原:人形劇、面白かった?
男の子:うん!

藤原:何で知って、来られたのですか?
女性:区民センターにあったチラシを見て来ました。

藤原:今後も人形劇を見に行きたいと思いますか?
女性:そうですね。子どもたちに見せてあげたいです。

藤原:ありがとうございました。



●参加者にインタビュー2

藤原:こんにちは。今日はご家族で来られたのですか?
女性:はい。家族3人で。

藤原:ご覧になって、いかがでしたか?
女性:人形劇ってあまり見る機会がないのですが、言葉がとてもよく聞こえてきて、楽しく聞かせてもらいました。

藤原:小さなお子様もいらっしゃいます。こんにちは。何年生?
女の子:2年生。

藤原:人形劇を見て、どうでしたか?
女の子:楽しかった。

藤原:どのあたりが楽しかった?
女の子:カモの子どもが出てきたところ。

藤原:小さなカモがたくさん出てきたね。この後は何か見に行かれますか?
女性:知り合いが人形劇をするので、それを見にいきます。『ゆう』さんの『ももたろう』という人形劇です。

藤原:この後も楽しんでいってください。



●スタジオ

藤原:この他にもたくさんの人形劇団が上演されていました。各上演時間がずれているので、うまく都合を合わせれば全部見られるようになっていて、お客さんはもちろん、劇団員の方自身も違うチームの劇が見られるのがいいなと思いました。また、ロビーでは、南京玉すだれや皿回しもされていて、「ちょっと回してみる?」と、お皿が回ったまま子どもたちに手渡されたりしていました。

松本:自分で回すのは大変ですから、子どもたちもうれしいですね。人形劇以外の時間も楽しめるような演出もあるのですね。

藤原:そこに、すごーく気になるものがあったんです。

松本:気になるもの?
入り口には『大阪国際人形劇
フェスティバル2008』のポスターが

ロビーでのパフォーマンスも楽しい!





『P.ことり座』の上演

女性:音楽がここから流れてきますので、そうしましたらこのカーテンをご自分でお開けください。音楽が終わりましたら、また閉じてください。1分45秒の素敵な世界です。お楽しみください。

藤原:はい。暗いところに入りましたね。

(♪音楽)

藤原:あー、かわいい。

スタッフ1:海だ。

スタッフ2:すごいですね。



●スタジオ

藤原:『P.ことり座』さんの人形劇を取材スタッフ全員で見たんです。

松本:カーテンを閉めるような音がしていましたね。

藤原:畳1畳くらいの小さなスペースで、前にカーテンの掛かった窓があり、音楽が流れたら、自分でカーテンを開けます。その窓の中を覗いたら、人形が出てくるんです。観客はヘッドフォンをつけていて、音はそこから流れてきます。目の前では小指の関節一つ分くらいの小さな人形が、ちょこちょこ音楽に合わせて動いていきます。音楽は切ないような、優しい気持ちになるような音楽でした。というのも、その歌詞は、佐渡島から新潟市内の養護学校に移って、寮生活を送っている方が思いを綴ったものだそうで、ものすごくストレートに伝わってきました。私たち取材スタッフは、3人とも「おっ、こんなん初めて見た」とか言いながら見入ってしまいましたね。

松本:「1分45秒の世界」と言っていましたね。

藤原:1分45秒は見ているとあっという間に過ぎます。『P.ことり座』は普段、京都で活動されているそうです。

『P.ことり座』の上演会場
左側の白いテントの中で上演されます

小さな窓の中で行われる人形劇

『P.ことり座』による別の人形劇
こちらも小さな箱の中が“舞台”です

ヘッドフォンから音楽が流れ始めると
中の人形が動き出します





『人形劇団 クラルテ』代表の松本則子さんにインタビュー

藤原:今回の『浪花ふれあい人形劇まつり』にはサブタイトルがありまして“大阪国際人形劇フェスティバル2008に向かってプレプレ企画”ということですね?まずは、この“2008”についてお話を伺いたいと思います。
松本:2005年に『大阪国際人形劇フェスティバル』というのがあって、その時の活動が評価されたので、大阪市のほうから「じゃあ3年サイクルでやってみましょうか」という話が来たのです。次は2008年に外国からも人形劇団を呼んで『大阪国際人形劇フェスティバル』を開催することになっていて、今から準備に入ろうと思っています。

藤原:今からだったら準備期間は十分ですね。
松本:いや、そうでもないですね。行政の予算が決まらないと私たちがいくらやるといっても希望だけであって、実質的な裏付けが何もないのです。大阪市ゆとりとみどり振興局の人たちと一緒になって準備している、ということになります。

藤原:2005年に行われた『大阪国際人形劇フェスティバル』は、大成功だったのですね。
松本:熱かったです。初めてでしたし、アマチュアの人たちも、大阪にいて世界の人形劇が見られるということで、燃えに燃えていましたから。

藤原:世界というと、どこの国ですか?
松本:前回はイタリア、スペイン、ロシアなど7ヶ国から来ました。

藤原:もちろん日本のグループの人形劇も見られますよね。
松本:そうです。日本と言っても、その時は関西のグループが中心でした。
『人形劇団 クラルテ』
代表の松本則子さん



藤原:松本さんのグループ『クラルテ』も出演されたのですか?
松本:うちはグループというより、会社組織のプロの劇団なので、上演させていただきました。

藤原:実際に出演されて、他の劇団も見て、印象に残っているものはどういうものですか?
松本:それぞれの国で考え方や文化が全然違って、それが作り方や中身にも出てきていました。例えば、影絵というのは平面のイメージがあったのですが、全然違っていました。考え方が根本から違うのですね。国民性の違いもあるし、文化の違いのようなものがすごく大きいですね。

藤原:プロの方でも勉強になる部分はありますか?
松本:例えば、イタリアは、世界的に“デザインの国”でしょう。だから、日本人には絶対にない色彩感覚があって、新鮮さがありますね。

藤原:さて、今日は『クラルテ』もご出演されるということですが。
松本:今日は、最近映画や本で有名になっている『あらしのよるに』を人形劇で上演いたします。

藤原:きっとたくさんの方が来られるんでしょうね。
松本:来ていただいたらとってもうれしいです。

藤原:今回のイベントに関しては、人形劇の指導もしてほしいと言われたんですよね?
松本:大阪市内のアマチュアグループは、大阪市立こども文化センターに集まっているグループが多く、そこで定期的にレベルアップのための講座をされていて、その時に関わっています。

藤原:教えるほうは簡単ですか?
松本:いやー、とんでもない話です。やっているほうが楽でしょうね。

藤原:指導にあたっては、どういうところが難しいですか?
松本:アマチュアの人たちは限られた時間の中でやっているので、人形劇をしている時間は少ないです。だけど人形劇への思いは、私たちよりも大きいところもあって、それをやるにはすごく時間がかかります。時間がないところで上手になりたいって思うから、そこにすごいギャップがありますね。

藤原:このグループのこういうところがいい!というところはありますか?
松本:それはグループによって全然違いますね。個性あるグループが多いです。

藤原:指導者として個性を引き出すのも難しいですね。
松本:自由な人たちだから、言わなくても自分で勝手に個性を発揮していますよ。私は横でハハハと笑っているだけ(笑)。

藤原:今日の上演も、全部ご覧になられるのですね。
松本:はい。終わった後、今日上演した作品の話し合いをするので、見ていないと何も話せないので見ています。

藤原:自分がご指導されたところは?
松本:私が見せてもらった段階から、自分たちでどんどん工夫してきているので、見ている時に、私が指導したという意識はあんまりないですね。「あー変わってるわー」ということは思いますけどね。

藤原:この人形劇フェスティバルを通じて、大阪らしさ、ということは感じますか?
松本:やっぱりパワーがありますね。大阪は“にわか”発生の地で、しゃべくりの得意なところですから、しゃべくりの面白さを持ったグループが多いですね。

藤原:ありがとうございました。



●スタジオ

松本:人形劇っていうのは、グループごとの個性が出るんですね。

藤原:みんな、それぞれ違いますからね。

松本:それとお国柄の違いという話もありましたけど、面白いですね。

藤原:やっぱり外国の色彩感覚って違うんでしょうね。

松本:『P.ことり座』は、畳1畳のところに入れてぱーっと開けたら窓があってという、まるでのぞきからくりの世界ですよね。

藤原:目の前で小さい人形が動いていく様子っていうのが生きてるみたいでね。大きさで言ったら両手の手のひらを広げたぐらいの小さなところで動いてる。すごく不思議ですよね。

松本:人形劇というと、「さぁ、みなさーん!」って大勢の前でやるのに、これは観客が2人か3人ぐらいでしょ。

藤原:そうです。多くても3人ぐらいまで。自分だけのためにやってくれてるって感じになります。
楽しい2日間でした!



松本:今までの概念と違うというところが面白いですけど。たった2〜3人だったら、お客さんの入れ替えも大変でしょう。

藤原:“行列のできる人形劇”って言われてるんですよ。

松本:そういう発想も面白いね。興味がわきますね。

藤原:みなさんも機会がありましたら、ぜひご覧になってください。今回は11月25〜26日に行われました『浪花ふれあい人形劇まつり』をご紹介しました。


● 取材を終えて、感じたこと

いろいろな形の人形劇があるものですねぇ。
優しいぬくもり溢れるお母さん方の集団や、小さな小さなのぞきからくり。また、大掛かりな舞台のプロの劇団など、個性豊かなさまざまなグループの人形劇を一度に見るなんて、思えば今までになかった経験かも知れません。
どのグループも趣向を凝らしていて、子どもはもちろん、大人も満足できるイベントでした。
私も子どもの頃に戻ったような気持ちになりましたよ!


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