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毎回、大阪を拠点に活動しているNPO法人やNGO、ボランティア団体、そして大阪のいろいろな地域で活躍している方やその地域の活動内容を通して、大阪の「ひと」や「まち」の魅力を発見していきます。
たくさんの人に知ってほしい大阪を魅力いっぱい、情報満載でご紹介していきますので、みなさんご期待ください。

2006年12月2(土)放送
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イマジネーションの小旅行で
大阪の素顔の魅力を発見!
〜『わが町九条と大阪自慢〜紙芝居語り方教室』〜

11月25日に西区民センターで行われました、『大阪・九条下町ツアー』主催『わが町九条と大阪自慢〜紙芝居語り方教室』の模様をご紹介します。これは、この番組でもしばしばご紹介している『大阪 ひと・まち魅力発見事業推進会議』の、大阪を盛り上げるためのラウンドテーブル事業企画コンペで、優秀企画賞を取った企画です。これまで紙芝居はツアーの中に組み込まれていましたが、今回は、その紙芝居を上演してくれる人を育てようという紙芝居語り方教室です。代表の谷口靖弘(たにぐち やすひろ)さんは、旅行業界のご出身で、現在、大学教授として観光に関する授業や研究をされています。

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●スタジオ

松本:『大阪・九条下町ツアー』と言いますと、昨年の10月にこの番組でもご紹介しましたね。此花区のJR西九条駅から、安治川トンネルをくぐって、西区の九条の町へと案内するという下町のツアーを、参加費わずか1000円でしている団体として有名です。今回は『大阪 ひと・まち魅力発見事業推進会議』の事業企画コンペで優秀企画賞を取って、『紙芝居語り方教室』の開催ですか。

藤原:そうなんですよ。代表の谷口靖弘さんは、旅行業界のご出身で、現在は大学教授として観光に関する授業や研究をされています。今回はこの紙芝居教室を通して、もっと大阪のことを楽しみながら知ってもらいたい、魅力を感じてもらいたい、そして紙芝居を上演する人を育てようということなんですよ。

松本:別に海外旅行ばかりが旅行やない。紙芝居で、大阪をイメージして小旅行してもらうと言うわけですね。

藤原:さすが、いいこと言いますね。それでは、先月25日に、西区民センターで行われました、『紙芝居語り方教室』の様子をお聞きください。



●谷口さんの紙芝居1

谷口:さあ、みなさんこんにちは。ただいまより『わが町九条と大阪自慢』の始まり、始まりー!

(拍手)パチパチパチ

谷口:今日はいろんなところから、いろんな子が来てくれましたね。大正のお坊ちゃん、港区のお坊ちゃん、九条のお坊ちゃん、来てくれてありがとうねー。はい、始まりまーす!さあ、みなさん、これは一体どこの地図か分かりまっかー?お嬢ちゃん、どこですか?

女性:大阪。

谷口:大阪ですね。でも今の大阪と形が全然違いますね。何年ぐらい前の大阪ですかね?

女性:何千年やったかな?

谷口:4〜5千年前の大阪ですね。ここまでが海で、今の大阪城の辺りが陸ですね、上町台地と言うんですね。



●谷口さんの紙芝居2

谷口:今年は、通天閣が再建されて50周年を迎えましたので、通天閣にまつわるクイズです。通天閣には、日本一と世界最初のものが一つずつあります。日本一というのは、この紙芝居の絵の中にあります。さて、何でしょう?

男性:エレベーター?

谷口:エレベーターが何?

男性:丸形になっている。

谷口:それは世界最初のほうですね。なんとこの時計は直径5.5m、長針が3.2m、重さは1本30kgもあります。

女性:へえー、すごーい。
当日配布された資料は、
九条の見どころやグルメ・ショップ
案内のパンフレット

さてこの海は、どこの海でしょう?

通天閣には日本一と 
世界初のものがあります





●スタジオ

藤原:というふうに、まずはみんなで会議室に集まって、九条を紹介するビデオを見てから、谷口さんの紙芝居を見せてもらいました。絵だけでなく、地図や写真の入った紙芝居が繰り広げられ、谷口さんの独特な口調の楽しいお話にも引き込まれました。

松本:紙芝居というよりも、パネルを見せながら、市民講座をやっている雰囲気ですね。

藤原:質問形式の箇所もあって、コミュニケーションをとりながら進めていく感じです。ちょっと私もレジメをいただいて来ましたので…じゃあ、松本恵治くーん!

松本:はーい!(笑)。

藤原:質問いきますよー。

松本:はーい!

藤原:大阪府で一番高い山はどこでしょうか?

松本:…え?高い山?低い山だったら天保山ですよね。

藤原:それを先に言っちゃだめですね。高い山は?

松本:大阪府で一番か。…金剛山!

藤原:ピンポン、ピンポン!

松本:これは分かりました。1125mですね。

藤原:定年退職された方もいらっしゃる中で、「○○くーん!」、「そこのボクー!」と、子どもに語り掛けるように話されていて、参加者も子どもに戻って聞いているようでした。

松本:参加されていたお母さんも「ほー」って、感心しながら聞いていましたよね。

藤原:本当に相づちが面白かったですね。そうやって人間関係も作っているのではないかとも思いました。また、私もこのお仕事をする前、養成所に行って発声を練習したことがありますが、みなさんも発声練習をされていました。



●発声指導の様子

谷口:それでは腹式呼吸しながら、ご一緒にいきましょう。はい!ア・エ・イ・ウ・エ・オ・ア・オ、カ・ケ・キ・ク・ケ・コ・カ・コ、サ・セ・シ・ス…。



●スタジオ

松本:本当にアナウンサー養成学校みたいですね。

藤原:そうです。松本さんもやはり発声練習をされていましたか?

松本:大学の頃はずっとやっていました。声を遠くへ飛ばす、とか考えて。

藤原:遠くにいる人にも聞こえるように発声するには、やっぱり腹式呼吸が大事ですね。

松本:紙芝居にはマイクがなく、自分の生の声で、前にいる人に向かって声を飛ばさないといけませんからね。

藤原:口を大きく開けて、大きな声で。標準語や共通語などは意識しないで、みなさんそれぞれに個性のある、味のあるしゃべり方で伝えてくださいというお話がありました。この後、参加者のみなさんが紙芝居に挑戦します。その時の様子をお聞きください。



●参加者による紙芝居の様子

女性:はーい、こんにちは!

全員:こんにちはー!

女性:えーっと、今からね、『わが町九条と大阪自慢』っていう紙芝居をします。みなさん、どれだけ大阪の町、知ってるかなー?では、いきまーす。これはどこの地図か分かりますか?

男性:大阪自慢やから、多分大阪。

女性:よう分かってるね、そうやね、そら大阪やね。大阪自慢の紙芝居やのに東京の話はしないもんね。

男性:当たったら、何かくれへんの?

女性:そうやね。お菓子、また後であげるからね、待っててね。

男性:ほんまやで、うそついたらあかんで。

女性:おばちゃん、うそつかない!



●スタジオ

松本:決まった原稿か台本があるのですか?

藤原:一応、話す内容は決まっているのですが、人によって口調が違ったり、話の順番も違ったり。

松本:進め方は自由なのですね。聞いている人がツッコミを入れていましたが、さすが大阪の人ですね。それに対して全くたじろがずに、ちゃんと応えるところも、大阪のおばちゃんですわ。東京でやっても、なかなかこういう返答はないですよね。

藤原:それが楽しいです。常に笑いがついて来ますね。私もいまだに人前で話をするのは緊張するのですが、緊張しない方法も教えてもらいました。三つありまして、事前の準備と練習をしっかりすること、腹式呼吸をするために深く深呼吸をすること、そして三つ目が、開き直り!(笑)
聞き手の反応も楽しい!
もしかして、先生より上手?

同じ紙芝居でも、語り手によって
違う話が出てきます

時には先生のサポートも
コツは楽しく話すこと!



松本:もしかしたら、最後の開き直りが一番大きいかもしれませんね。

藤原:それでは、『大阪・九条下町ツアー』の谷口靖弘さんのお話をお聞きください。



●谷口さんにインタビュー

藤原:この紙芝居語り方教室には、『わが町九条と大阪自慢』というサブタイトルがついていますが、これから、バージョンは増えていくのですか?
谷口:大阪城の築城物語は、基本的に大阪のどこでも使えます。それをベースにそれぞれの町で、地元の人も知らないような自慢をみんなで見つけて、新しい視点で付け加えていけば、大阪のどこの町でも、この紙芝居ができるということが目的なんです。

藤原:同じ絵や写真を使っても、人によって語り方が違いますから、ストーリーもちょっとずつ違いますね。
谷口:それぞれ人生の経験話を交えながらされていました。話の内容が決まっていても、それぞれの人生模様が紙芝居に出てくるところが、シニアの方々の特長だと思います。

藤原:紙芝居の絵も大変味わい深いものですね。どなたが描かれたのですか?
谷口:私の勤務先の大阪芸術大学の短大生の源 治子(みなもと はるこ)さんが、ボランティアで作ってくれたものです。

藤原:今、隣にいらっしゃいます。普段、紙芝居の絵を描かれているのですか?
源:普段は描いてないのですが、今回お話をいただいて、挑戦してみました。

藤原:描かれてみて、いかがでしたか?
源:絵にもよるのですが、大変なこともたくさんありました。

藤原:絵には見本があるのですか?
源:谷口先生が参考写真を持って来てくださって、それを見ながら描きました。

藤原:一つ一つの絵が、浮き出るようなやわらかいタッチですね。それぞれにどんな思いを託して描かれたのですか?
源:近くの人はもちろん、遠くの人にも見えるように、どんな人にも分かりやすく、見えるように頑張りました。

藤原:これからもいい絵を描き続けていってください。
源:ありがとうございます。

藤原:さて、谷口さん、この教室を受けられた方々には、今後どんなことをしてもらいたいですか?
谷口:紙芝居を通じて、素顔の大阪の魅力を発見し、それを伝えていただければありがたいですね。

藤原:どんどん大阪通が増えていってほしいと思います。どうもありがとうございました。
谷口:ありがとうございました。
『大阪・九条下町ツアー』 
代表の谷口靖弘さん

今回は紙芝居の新作も初披露!
絵を描いた源治子さん

会場の西区民センターにて





●参加者にインタビュー

藤原:どちらにお住まいですか?
男性1:阿倍野区です。

藤原:今日はなぜ、参加しようと思われたのですか?
男性1:基本的に人前で喋るのが下手やから、勉強したいなと思って来ました。

藤原:紙芝居教室を受けられてみて、いかがでしたか?
男性1:大阪の歴史や土地のいろいろなことについて勉強にもなりましたし、今日のテーマである“話し方”そのものが非常に勉強になりました。

藤原:一番印象に残ったことは何ですか?
男性1:通天閣の時計のこと。全然知りませんでした。

藤原:また、近くを歩く時に違った印象で見られますね。通天閣以外の自慢は何ですか?
男性1:私の住んでいる阿倍野で自慢したいところは、みなさんよくご存じの安倍晴明神社ですね。それと松虫塚。みなさん、ぜひ行っていただきたいなと思います。

藤原:今日、紙芝居の語り手としてスタートを切ったわけですけれども、今後どのように役立てていきたいとお考えですか?
男性1:失敗を恐れずに、人前でも、腹式呼吸でちゃんと喋れるように訓練したいと思います。

藤原:頑張ってください。
男性1:ありがとうございます。

藤原:どちらにお住まいですか?
男性2:九条です。

藤原:今日は、なぜ紙芝居教室を受けようと思われたのですか?
男性2:紙芝居は、実は前からやっていて、参考にさせていただこうと思って参加しました。

藤原:谷口さんのグループとは別にされているのですか?
男性2:はい、そうです。ボランティアでやっています。

藤原:九条でされているのですか?
男性2:西区です。大正へ行ったりもします。

藤原:参考になることがありましたか?
男性2:あったと思います。台本を読まずにやるのは、やっぱり緊張しますね。でも私は、失敗したほうが面白いと思っていますから、楽しく失敗するようにしたらいいと思いますね。

藤原:ご自身にとって紙芝居はどういうものでしょうか?
男性2:自分の勉強ですね。喋り方が早いので、みなさんに分かっていただこうと思ったら、ゆっくり話さないといけないので、それも勉強させてもらいました。

藤原:ありがとうございました。
男性2:ありがとうございました。



●スタジオ

松本:こうやってお話を聞いていると、みなさん漠然と参加されているわけではなくて、結構意識が高いですね。

藤原:みなさん目的を持っておられます。主催者である『大阪・九条下町ツアー』の意図としては、参加者それぞれが住んでいる地域で自慢できることを知ってもらい、今後広くPRしていってほしいということです。初めての方も、経験者もいらっしゃいました。私は先にレジメを見せてもらっていたのですが、やっぱりやってもらって見るほうが断然面白いですね。今後が楽しみです。

松本:結局、藤原さんはお手本を見せなかったんですか?

藤原:私はまだまだできません!勉強不足です。

藤原:今回ご紹介しました『大阪・九条下町ツアー』では、これからも随時、無料で『紙芝居語り方教室』を開催していくということです。土日であれば、紙芝居をボランティア出張してもらえるということですから、興味のある方は、『大阪・九条下町ツアー』までお問い合わせください。


<お問い合わせ>
TEL 06-6584-6139
http://www1.ocn.ne.jp/~kujo/

● 取材を終えて、感じたこと

子どもの頃に見た紙芝居って、実際のストーリーよりも、語り手のおじちゃん、おばちゃんの面白さと絵のほうが記憶に残っている気がします。
今回の紙芝居教室では、まさにそのどちらのポイントも押さえていましたね。
大阪の魅力がいっぱい詰まった、大阪のおじちゃんおばちゃんによる、大阪弁丸出しの大阪ならではのお客さんとの掛け合い紙芝居!!
随分と盛り上がった教室になり、楽しかったです。


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