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毎回、大阪を拠点に活動しているNPO法人やNGO、ボランティア団体、そして大阪のいろいろな地域で活躍している方やその地域の活動内容を通して、大阪の「ひと」や「まち」の魅力を発見していきます。
たくさんの人に知ってほしい大阪を魅力いっぱい、情報満載でご紹介していきますので、みなさんご期待ください。

2006年7月29日(土)放送

大阪市内のおやこ劇場を束ね、
子どもと親が共に育つことをめざす。
〜『なにわっこ劇場協議会』〜

今回は、『なにわっこ劇場協議会』の活動をご紹介します。大阪市内にある『あべのおやこ劇場』、『にしよど・此花おやこ劇場』、『よどがわおやこ劇場』、『東淀川おやこ劇場』、『港子ども劇場』の五つのおやこ劇場を束ねている連絡組織が、『なにわっこ劇場協議会』です。おやこ劇場とは、子どもたちが舞台芸術と出合い、また、地域での集団活動をすることで、豊かな感性やみんなで生きていく力をはぐくんでいくことを目的とした活動団体を指します。協議会の代表、そして、『よどがわおやこ劇場』の事務局長も兼務している森野啓子(もりの けいこ)さんにお話を伺います。




●インタビュー前半

藤原:“おやこ劇場”とは、どんな活動をしている団体ですか?
森野さん(以下、森野・敬称略):親と子と一緒に、主に生の舞台を年に4回鑑賞しています。また、今、子どもに関するさまざまな事件がありますが、子どもの育ちを考えた時に、こういうことが必要なんじゃないかということを活動に取り入れて、いろんなことをやっています。

藤原:活動の歴史は長いのですか?
森野:おやこ劇場自体は1966年に福岡で生まれ、全国に広がっていきました。大阪では1970年代から、私が最初に入ったおやこ劇場も生まれたのですが、全国で興味を持ったお母さんたちが自分たちの地域でも子どもたちのためにと始めたものですから、爆発的に広がって、一時は700の劇場があったそうです。

藤原:ということは、全国各地に団体があって、取り仕切るようなところもあるということですか?
森野:この辺ですと、京都や和歌山も含めた近畿連絡会ができたり、九州、沖縄の連絡会など全国に大きな連絡会というものがありました。

藤原:劇場へ行って親子で何かを見ることで、子どもたちには、どんな効果があるのでしょう?
森野:子どもたちだけじゃなく、私自身に効果がありました。うちの子の名前がノブヤスって言うんですけど、「ノブヤス!」って注意をする時の言い方が、怖かったのかなって思ったことがあったんです。というのも、お芝居を見ていて、お母さんが子どもを呼ぶ時に、「サンちゃん!」って言った時の、その言い方が、私は客席の一番後ろのほんとに遠いところから見ていたのに、もう自分がお母さんに叱られたような気持ちになって、びっくりしたことがあったんですよ。その時に、「あー、子どもって、こういうふうにお母さんから言われた時に、ビクッってするんや」って思って、それからは、子どもへの言い方が変わりました。疑似体験っていうのでしょうか。舞台を通して体験したことがたくさんありました。大人でもそれだけあるのだから、子どもにはすごい効果があると思います。


●スタジオ

藤原:“劇場”というのは、“広場”という意味もあるそうで、みんなが生の舞台を通じて触れる場所という意味があるそうです。大きな目的としては生の舞台を見て、子どもたちの感性を豊かに育てていく、心をはぐくんでいくということが目的です。

松本:疑似体験という、お母さんにとっても新たな発見があるぐらいですからね。

藤原:お母さん方にとっても新しい発見があるっていう意味では、お互いのコミュニケーションがうまくいくんでしょうね。

松本:子どもにとったら、見るもの一つ一つが、新しく吸収するものになりますからね。

藤原:舞台鑑賞の他にもキャンプやハイキングに行くこともあるそうです。その他にも手作りの遊びをいろいろされているようで、近所の大きな公園では忍者ごっこをしたりするんですって。

松本:忍者ごっこ?どんな忍者ごっこをするんですか?

藤原:写真を見せていただいたのですが、本当に面白そうでした。全て子どものアイデア、発想から生まれているものだそうです。例えば『クモの巣くぐり』。段ボールの中に、パンツのゴムを引っぱって、いろいろ張り巡らせて、その中を上手に通って行くんですね。途中に鈴が付いていて、それ鳴らしたら駄目なんです。忍者は、音を立てたら駄目ですからね。

松本:なるほど、罠に引っかかったみたいになるからですね。

藤原:そうなんです。こうした手作りの安全な遊びをいろいろされてたり。

松本:楽しいですね、そういう活動もね。

藤原:ペットボトルでロケットを作ったりとか。

松本:ポーン!と、飛ぶやつですね。

藤原:そういったことを、親や先生に言われてやっていくのではなく、自分たちの力で見つけていく。創造力がはぐくまれますよね。私が伺った時は、ちょうど会報を配る日ということで、事務局には、子どももお母さんと一緒に来ていました。A4ぐらいのサイズのいろんな会報を手作りで全部作っていたり、子どもは、たまたまその日は一人だけでしたが、部屋を子どもに開放する日というのもあるそうです。その時には、六畳の部屋二つが、足の踏み場もないくらいおもちゃだらけになるとか。幅広く子どもを育てる力、はぐくんでいく力、また親のためになる活動をされているようです。後半もいろいろ伺っていますのでお聞きください。


●インタビュー後半

藤原:『なにわっこ劇場協議会』が結成された経緯をお聞かせください。
森野:元々、私が入っていた『大阪おやこ劇場』は、大阪市内のほとんどの区にまたがって作られていた劇場でした。そこに私が入ったのは、もう26年ぐらい前になると思います。当時、他に『城東・鶴見おやこ劇場』、『阿倍野おやこ劇場』などがありました。それらが集まって、大阪市内の子どもたちのことを視野に入れた劇場を作るための連絡を取り合いました。人が多く集まるともっと充実した例会(※おやこ劇場では、舞台鑑賞のことを“例会”と表現しています)ができるので、協議会を作ろうっていう話が出ました。そうして、12年前に、『大阪おやこ劇場』だけでなく、他の劇場にも声を掛けて大阪市内の子どもたちの文化の向上を目ざそうということで『なにわっこ劇場協議会 』が作られたんです。それ以前には、ちょっと小さく分かれたりということもありました。『大阪おやこ劇場』を四つに分けて、東西南北で、大阪東おやこ、西おやこ、北おやこ、南おやこと分けてやっていた時代もあります。その時、私は北おやこで活動していたのですが、それらが集まって協議会を作ったんです。

藤原:劇場活動を通じ、人と人とのつながりを大切に、これからも頑張っていってください。ありがとうございました。
森野:ありがとうございました。


代表
森野啓子さん

『よどがわおやこ劇場』で開催した
『おやこまつり』の様子。
大人と子ども、みんなで協力して
開催しました。

子ども達の希望で行われた
『ペットボトルロケット大会』


『いろんな色であそぼ』の様子
チンゲンサイ、レンコン、オクラなどを
使ったスタンプで自由に作品を作ります。

でき上がった作品を持って
ハイ・ポーズ!

『忍者ごっこであそぼう!』の
アトラクションの1つ
『サイレント・オブ・忍』

『炎の雪遊び』では
六甲山人工スキー場を訪れました。

子ども達だけの『高学年キャンプ』で
『エルムいちじま』を訪れました。




●スタジオ

藤原:こちらの活動ですが、基本的に年4回観劇をされています。会費は月に1000円。年間12000円にしかなりませんから、大きな作品や小さな作品を入れ混ぜながら、いろいろ構成されて見に行かれています。資金が不足した場合には、バザーなどをして、その都度まかなっておられるそうです。9月3日の日曜日に天満橋のドーンセンターで行われる『コメディ・クラウン・サーカス』という大きなイベントも見に行かれるそうです。事前交流会というのがそれまでにあって、今回は『コメディ・クラウン・サーカス』を見に行きますから、子どもたちと一緒に顔にペイントをしたり、パントマイムの練習をしたり、バルーンを作ったりするそうなんですよ。そういうのをやって行くと、見た時に、本物の素晴らしさ、難しさっていうのが分かりますよね。『なにわっこ劇場協議会』は、『よどがわおやこ劇場』のオフィスの中にあります。連絡は、『よどがわおやこ劇場』までお願いします。




お問い合わせ/
TEL : 06-6886-2923(月、火、木、金曜日の10:00〜16:00)


● 取材を終えて、感じたこと

活動は、生の舞台を観たり、子どもの自主活動をされたりしているということでしたが、そこから生まれる本当の目的は「子どもの行く道を親が決めるのではなく、子どもの意見を尊重しながら、一緒に歩んでいく」ことなんですね。
たとえ子どもであっても、自分の言ったことを聞き入れてもらうと、何事にも責任を持たなければいけない!と考えるはずです。
子どもの自発的な行動と共に、大人も子育てを楽しんでおられるようでした。


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