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毎回、大阪を拠点に活動しているNPO法人やNGO、ボランティア団体、そして大阪のいろいろな地域で活躍している方やその地域の活動内容を通して、大阪の「ひと」や「まち」の魅力を発見していきます。
たくさんの人に知って欲しい大阪を魅力いっぱい、情報満載でご紹介していきますので、みなさんご期待ください。

2006年7月15日(土)放送
ボードゲームのおもしろさ、魅力の普及に取り組む。〜NPO法人『世界のボードゲームを広める会 ゆうもあ』〜

今回は、NPO法人『世界のボードゲームを広める会 ゆうもあ』の活動をご紹介します。ボードゲームとは将棋や囲碁、人生ゲームなどのゲーム盤を使うゲームを指すと思われがちですが、実は、その範囲はもう少し広く、アナログゲーム全般をボードゲームと言います。ボードゲームは大阪人にぴったりで、大阪人がすると、より一層盛り上がるそうです。そのことも含め、ボードゲームの定義、会の活動などについて、理事長の一階良知(いっかい よしとも)さんにお話を伺いました。




●インタビュー前半

藤原:ボードゲームとは、どんなゲームのことを言うのですか?
一階
さん(以下、一階・敬称略):ゲーム盤やサイコロやカード、駒などを使って、人と人とが向かいあって、2人以上で遊ぶゲームです。

藤原:その中には、戦略的なものとかもあるのですか?
一階:日本でしたら、将棋や囲碁などが2人で遊ぶゲームとして有名ですが、そこまで先を読んで考えるゲームではなくて、楽しく遊べるゲームとか、その中でもある程度考えるゲームなど、いろいろあります。

藤原:ボードゲームには、カードゲームも含まれるのですか?
一階:カードゲームとボードゲームを分ける時もありますが、一般にはアナログでテーブルの上で遊ぶゲームの総称として、ボードゲームと言われることが多いです。

藤原:ボードゲームの本場は、どこになるのでしょう。
一階:ドイツが本場で、毎年300〜400以上のゲームが新しく発売されています。ドイツを中心にヨーロッパ全域にも広まっていて、アメリカでもドイツ産のボードゲームが現在、広まっていっています。

藤原:『ゆうもあ』のみなさんは、普段どんな活動をしているのですか?
一階:さまざまな活動をしていますが、中でもメインになっているのは、ボードゲームの普及のイベントです。例えば、『ゆうもあゲーム会大阪』というのを毎月第四日曜日に開催しています。これはご家族向けに、無料で、いつ来ていつ帰ってもらってもいい、という気楽なイベントです。

藤原:普段、みなさんが、遊んでいらっしゃるというゲームを持ってきて頂いていますが、ちょっとこれを教えてください。どんなゲームですか?
一階:これは『イヌイット』というゲームで、実は音で楽しむゲームなんです。

(カチャカチャカチャ♪)

藤原:何か入っていますね。
一階:駒が全部で十数個ありますが、実は駒の中にビーズが入っています。入っているビーズの個数は全部違います。これをカードの中に書かれた数字の上に正しい数字のビーズが入っている駒が乗るように、触感と音だけで、当てて置いていくゲームなんです。

藤原:このカードには「8」って書いてありますから、この駒を・・・。(カチャカチャカチャ♪)これはあんまり入っていなさそうですね。こっちがたくさん入っていそう。では、このたくさん入っていそうな、8個かなと思う駒を、カードの上に置く。
一階:そうですね。自分の色のチップをはめて置いてください。

藤原:正解はどうやって分かるんですか。
一階:全部の駒をカードの上に置いた後で、駒を裏向けてもらったら、実は数字が書いてあるんです。

藤原:あっ、10!
一階::中に10個入っている駒だということなんですね。

藤原:カードは8だから・・・
一階:はずれなんです。残念です。このチップは没収ということになります(笑)。

藤原:
もう1回。これは6って書いていますね。・・・これぐらいかな?
一階:はい、せーの、ドンッ!おっ、正解!

藤原:では、このチップは?
一階:そのまま戻ってきて、このカードごともらえるということになります。3点ですね。すごいです。


●スタジオ

藤原:初めてボードゲーム『イヌイット』をさせてもらったんですが、カチャカチャカチャって鳴る音で予想するのは、初めてやった時はコツがつかめなくて、分かりにくいんですよ。でも慣れると、子どもでも簡単にできると思います。

松本:いかにも軽そうな音ですから、触るともっと分かりやすいと思いますね。

藤原:一斉にカチャカチャカチャってやって、分かった人の早い者勝ちなんですって。

松本:同時に、みんなでやるわけですか。

藤原:そうです。私は取材だったので、私だけが選ばせてもらったのですが、本当はのんびりもしていられないんですよ。

松本:なるほど。

藤原:面白いですよね。カードの絵がらもかわいらしく、音で耳も鍛えられますし、本当に面白かったです。こうしたボードゲームをなんと1600種類以上お持ちなんだそうです。

松本:僕はボードゲーム好きなので、うらやましい限りですね。

藤原:松本さんにとっては宝の宝庫ですよ。

松本:毎年、ゲーム大賞受賞といった新作が出るじゃないですか。ああいうのを買うほうなんで、好きですね。

藤原:そんな方にお勧めの場所があります。西区民センターで『ゆうもあゲーム会』をされているそうです。この時には、100前後のボードゲームを用意して、会場で自由にゲームを楽しむことができるようにされています。いくら松本さんが好きでも、なかなかパッと見ただけで、どういう風に使っていいか分からないと思いますが、ちゃんと会員のみなさんが説明してくださるそうです。いつも家族連れの方や子どもさんが一緒に遊んでいらっしゃるのだとか。ぜひとも、西区民センターに行ってください。後半部分は、どうしてこんなにボードゲームについて、興味を持ったのかなどについてもお聞きしています。


●インタビュー後半

藤原:活動はどのように始まって、今日(こんにち)に至っているのですか?
一階:私は小さい頃からボードゲームをするのが大好きで、小学校の頃から社長ゲームとか、トランプとか、そういったもので友だちや親とよく遊んでいました。その趣味が高じてゲームサークルというのを学生時代につくって、ずっと遊んできたのですが、この面白いボードゲームをなんとかして広めたいと思っていました。友だちがボードゲームの店を開いたり、同人誌を作ったりとか、いろいろしてきましたが、長続きしなかったんです。小さな業界ですし、それもあって、NPO法人にしたら、みんな仕事を別に持ちながら、少しずつ協力してもらえば、普及する活動っていうのはもっと大きく、しかも継続してできるんじゃないかなと思って、2003年からスタートしました。


理事長
一階良知さん

スタジオで『イヌイット』に挑戦!
「ここの数字と同じ数のビーズが入ってるものを探すんですね!」

「これは多いような・・・
少ないような・・・」

「これは8個だと思うので、ココ!」
正解かどうかは本文で

定期的に開催している
『ゆうもあゲーム会』にて。
パズルゲーム『ウボンゴ』を
楽しむ子どもたち

ボードゲーム先進国のドイツにて。
『グッドフレンズ/みんなともだち』で遊ぶ家族連れ

ドイツで開催された
『国際ゲーム祭』には4日間で
のべ14万人もの入場者が
つめかけました。
日本でもこれぐらい普及させることを
目標にしています!

『ゆうもあ』が自信を持ってお勧めする
『ゆうゲームズ』のひとつ、
『スティッキー』崩した人が負け!
詳しくはホームページで



藤原:会員の方は、どれぐらいいらっしゃるのですか?
一階:全員で100名弱ですね。

藤原:ボードゲームの魅力を教えてください。
一階:大きく三つあると思います。まず一つは、なんと言っても、人と人とが向かい合って、人の顔を見て、しゃべったりしながらできるゲームですから、コミュニケーションにすごくいいツールになるということです。二つ目は、最近頭が良くなるゲームっていうのがいろいろ流行りになっていますが、ゲームはやはり勝ちたいですから、勝つためにいろんな事を考えます。ゲームによっては、今のように触感で当てるゲーム、先を考えるゲーム、人の気持ちを読まないといけないゲーム、確率を考えないといけないゲームなど、いろいろ考える要素がゲームによって違うんですね。それを自然と考えていくことによって、頭のトレーニングになるのが、勉強ではなく、楽しみの中で、自然に身に付いていくというのが素晴らしいところだと思います。

藤原:アナログならではの良さっていうのもあるんですね。
一階:三つ目の魅力として、人と人とがルールを守って遊ぶゲームですから、どうしてもみんなが同じルールで遊ばないと楽しめません。カードを2枚引くところを3枚引いたり、4枚引いたりしてしまっては、ゲームになりませんから、ちゃんとみんなで決まり事を守らないといけないということもあり、子どものしつけとかにも非常にいいというようなことも、ゲーム会に来られる親御さんたちがおっしゃってくださっています。

藤原:大阪人ってせっかちな人が多いと思うんですけど、大阪人にボードゲームは向いているのでしょうか。
一階:僕は世界中、日本中で、ボードゲームで遊んだことがありますけど、大阪人と遊ぶと面白いって言われますね。一つ、一つのリアクション、突っ込みですとかボケとかが絶えずゲームの中に入っていますし、関係のないトークが面白いっていう、その辺りの掛け合いっていうのが自然とゲームの中に相性よく折り込まれるっていうところが、すごく大阪人向けだと思います。

藤原:ゲームにも掛け合いがあるんですか?
一階:ゲームの中で絶えず、「なんで、俺んところ攻めてくるねん」とか「ええー!それは違うやろー」とか、ボケたり突っ込んだり、楽しいですね。

藤原:これからもボードゲームがますます広まるように、活動続けていってください。
一階:どうもありがとうございます。

藤原:楽しいお話、どうもありがとうございました。



●スタジオ

松本:僕も子どもとよくボードゲームをやる機会があるんですけど、コミュニケーションもそうだし、ルール、マナーがありますから、しつけにもいい。

藤原:そうなんですってね。また、ルールは決まっていますが、家庭によって、そのルールを全部使わなくてもいいわけですよね。家庭専用のルールを別に作ってもいいから、すごく頭の発想力にもつながってくるわけです。

松本:どんどん、ゲームを難しくすることもできますし、簡略化することもできますしね。

藤原:そうですよね。

松本:ボードゲームは、面白いと思います。

藤原:『ゆうもあ』では、そういった遊びの他にも、会員向けの月刊誌も発行されているんです。年3回、『シュピール』という40ページの雑誌です。シュピールとは、ドイツ語でゲームという意味で、ボードゲームのお店などで販売されています。また、会員も募集されています。正会員、いわゆるスタッフは、入会金が2000円、年会費が6000円です。詳しくは、NPO法人『世界のボードゲームを広める会 ゆうもあ』までお問い合わせください。ただし、電話は平日の午後1時から午後5時までにお願いします。


お問い合わせ/
TEL : 06-6443-9950(平日の13:00〜17:00)
http://www.u-more.com

● 取材を終えて、感じたこと
世界には、たくさんの種類のボードゲームがあるんですね。いくつか遊ばせてもらいましたが、説明書を読むのが面倒だと思ってしまう私にとってはありがたい!一階さんが分かりやすくやり方を教えて下さるので、すぐに始めることができました。他のスタッフも、会で管理している全てのゲームを熟知されているそうですよ。

子どもはもちろん、大人も夢中になってしまうボードゲーム。お正月に、家族揃ってこたつで遊んだ想い出がよみがえりました。


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