●インタビュー前半
藤原:大阪城豊国(ほうこく)神社の中に、大阪観光ボランティアガイドの詰め所があると伺っていますが、どこをガイドしていらっしゃるのでしょうか?
石井さん(以下、石井・敬称略):大阪城公園を中心に、上町台地、ミナミやキタなどが主です。大阪城公園には、常時15人ほどのガイドがいますので、いつ来てもらってもガイド可能です。
藤原:今日もはっぴをお召しになっていますが、いつもこういう格好でガイドしていらっしゃるのですか?
石井:そうですね。はっぴや陣羽織を着ています。それから、胸のとこには身分証明のタグを付けています。また、お客様をお迎えする時には、小さな旗を持ち、「ここに来てくださ〜い」っていう形でご案内しています。
藤原:具体的なコースをお教えください。
石井:大阪城公園の場合は、出入り口が4ヶ所あります。そのなかでも大手口コース、青屋口コース、玉造口コースというふうにはなっていますが、ガイドのスタート場所がそこというだけで、回るところはお客様に合わせて組み合わせています。
藤原:時間にしたらどれぐらいですか?
石井:大手門からすっと天守閣へ行くだけでも20分かかりますので、お話をしながらですから60分ぐらいはかかります。また時間のある方でしたら2時間とか、半日っていう方もいらっしゃいます。
藤原:予約制ですか?
石井:いえ、大阪城に関して言いますと、当日来ていただいても十分対応ができます。ただ、大人数の場合は予約をいただきたいですね。
藤原:ガイド料は、おいくらですか?
石井:大阪にしては珍しく、無料です!
藤原:でも、有料と思われがちでしょうね?
石井:なんか怪しい人のように見られたりするのですが、全く気を使わず、無料で好きなことを聞いてください。
●スタジオ
藤原:石井さんは、会の設立間もない頃より参加されているベテランさんです。慣れてる人と慣れてない人のガイドでは多少違いはありますが、お客さんの要望に合わせてガイドをするのが基本だそうです。お客さんの中には、一から全部しゃべってほしい人と、大まかなポイントだけ言ってほしい人とがありますが、石井さんぐらいのクラスになると、その相手に合わせて案内されるのだとか。大阪城をメインに案内されていますが、それ以外にも大阪市内全体を案内されています。特に最近人気のあるコースが、大阪のミナミ、道頓堀とか法善寺横丁とかの辺りだそうです。
松本:大阪らしいとこですからね。
藤原:修学旅行の方とかも多いので、学生にも案内しているそうです。また、キタの方面では最近、北新地とかも人気だとか。
松本:新地?
藤原:そう!なかなか北新地を案内してくれる人っていないですよね。
松本:確かに!ガイドしようがないという感じがしますが、どういうふうに説明されているのか聞きたいですね。
藤原:また機会があったら行って下さい。また、外国人の方からも案内してほしいという希望があるそうです。細かい歴史的なこととか、時代の背景とかも案内されるのですが、単純に道とかもよく聞かれるみたいです。「通天閣はどこですか?」って感じで。そんな時でも準備よく、ちゃんと地下鉄マップを持っておられるんです。
松本:あ、なるほどね。
藤原:本当に幅広く案内されています。後半は協会を設立した経緯などをお聞きしています。
●インタビュー後半
藤原:『大阪観光ボランティアガイド協会』ができた経緯をお聞かせください。
石井:前の大阪市長が発案者です。オリンピック誘致がありましたので、それの手助けになるようなガイドの組織を、ということで、できあがったようなんです。
藤原:石井さんも最初の頃から参加されているのですか?
石井:私は二期生です。協会ができた翌年に入りました。
藤原:石井さんご自身はなんでやってみようと思われたのですか?
石井:私は別に歴史が好きとか、詳しいわけじゃなくて、なぜか、人によく道を聞かれてしまうんです。
藤原:教えてくれそうな、優しそうな感じがするんでしょうね。
石井:どう映ってるのかは分かりませんが、同じ道を教えてあげるんだったら、「私は怪しくありませんよ」ということと、おまけに「あそこに行けばこんなんありますよ」っていうことも言ってあげたいなという思いがあったんです。それで、その情報を得るにはちゃんとしたガイドになるのがいいんだろうと思っていたところに、募集があり、応募したということです。
藤原:ガイドの活動を通じて、思い出に残るような出来事があったら教えてください。
石井:はじめの頃はね、背中にオリンピック誘致のデザインが描かれたはっぴを着ていたのですが、それが外国人の方には非常に面白く映ったようで、よく“後ろ”の写真を撮られましたね。
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会長 石井 聖美さん |
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大阪に関する講習会の様子
何を聞かれても答えられるように、
日々勉強です
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外国人に人気!?の後ろ姿
ではありませんが、
このはっぴと旗が目印です
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こんな大きな岩を
どうやって運んだんだろう??
そんな疑問に答えてくれます
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多門櫓には何が?
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大阪城への入り口の一つ、大手門
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大手門をよく見ると、
豊臣秀吉が建てたはずの大阪城に
徳川家を示す葵の御紋が!?
答えはガイドのなかで
教えてもらえますよ
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●スタジオ
藤原:石井さんのきっかけは、道をよく聞かれるから、ちゃんとした立場で教えたいということだったのですが、他のガイドさんは大阪の歴史に興味があったからという方が多いようですね。平成9年から活動が始まったので、もうそろそろ10年です。そこで、10年間頑張ってきた記念に、この秋に何か行事をしたいなというふうに考えていらっしゃいます。まだ具体的なことは決まっていなくて計画中ですが、今の段階で決まっているのは、期間限定で、一週間だったら一週間、「いつ来てもらっても、予約なしで、どこでも、どんなガイドでもします」というようなプランも立てていらっしゃるようです。これを機会にもっといろんなガイドをしていきたいというふうにおっしゃっていました。こうした模様はホームページや市政だよりなどにも載るということです。
『大阪観光ボランティアガイド協会』について、詳しくは、お電話でお問い合わせください。ただし、電話は午前10時から午後3時30分までにお願いします。また、ホームページにも、詳しいコース、またガイドの予約ができる投稿フォームがありますので、閲覧してみてください。
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お問い合わせ/
TEL : 090-3059-6923、090-3493-9269 (10:00〜15:30)
http://www.octb.jp/ovgc-index
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● 取材を終えて、感じたこと |
大阪を案内する役割でありながら、「なぜ?」「どうして?」と尋ねられてから疑問に感じて調べることもあるそうです。確かに、住んでいると目の前の風景が日常なわけだから、そういった意味では他府県から来たお客さんに、改めて教えてもらう事も多そうですね。
ガイドは、ただ観光案内するだけではないわけです。お話を伺って、そこにはガイドブックにはない、人と人との温かい触れ合いがあるんだと感じました。
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