●インタビュー前半
藤原:活動の概要をお教えください。
青木さん(以下、青木・敬称略):まず大阪市内を中心に、自転車専用の地図作りを進めています。いわゆるサイクリングやツーリングなどといった、楽しみのための地図ではなく、日常的に買い物、通勤、通学等で利用している道についての情報を地図に反映させ、自転車を利用される方が使いやすい道の案内をする地図を作っています。
藤原:どうしてそういう地図を作ってみようと思われたのですか?
青木:私自身、大阪に住んで10年弱になります。市内に住んでいますので、移動はほとんど自転車ですが、車ではけっこうスムーズに行けても、自転車ではスムーズに目的地まで行けなかったりすることがあります。例えば大きな交差点で、車であれば直進できるところが、自転車だと直進できずに大きく迂回しないといけないなど、私も非常に不便な思いをしました。そこで、「ここは迂回しなければいけない」とか「こっちの道を行った方がいいよ」という情報が地図に載っていればとても助かるのではと思い、地図作りを始めました。
藤原:どんなふうに活動を始められたのですか?
青木:やはり私一人で地図を作るというのは、なかなか難しいだろうと考えました。同じような考え、思いを持っている人間は必ずいるだろうと思い、まず自転車に関連した問題を考えているグループ・団体はないかと、いろいろホームぺージ等で探し、『淀川のサイクリングロードを考える会』というのを発見しました。この団体は、淀川のサイクリングロード上にある車止め(バイクの進入を防ぐための柵)を何とかしようなど、サイクリングロード利用上の問題について活動されています。大阪市内の自転車を利用する環境についても一緒に考えませんかと声をかけたところ、何人かの方が同じようなことを考えていたということで、地図作りに参加していただきました。
藤原:地図を作ろうという活動はいつから始められたのですか?
青木:2年前の2004年4月からです。
藤原:現在、会員はどれぐらいいらっしゃるのですか?
青木:11名です。大体4〜5人が中心になって、地図作りの活動に関わっています。
●スタジオ
藤原:代表の青木さんご自身、市内にお住まいで、肥後橋にお勤めのため、普段から自転車をよく使う。自転車は小回りが利く意味では便利だけど、その反面、不便なところもあるというのを実際に体感して生まれたそうです。
松本:私は泉北ニュータウンに住んでいますが、ニュータウンの中は、自動車と、自転車と、歩行者がすみわけています。例えば緑道があって、そこには自転車の走るレーンと人が歩くレーンとがあり、バイクや自動車は入れません。そういうところを走っていると、すごく快適ですが、いったんそのエリアを出ると、すべてが混在し、道幅も変わってきます。
藤原:泉北はまちづくりとして、初めからそういう計画の新しい町ですから。
松本:そういう場所だからこそ、マップじゃないですけど、坂はどうなっているといった情報が欲しいなと思う時があります。
藤原:自転車に乗っている人と車とでは、目線が違いますものね。
松本:ここは車の量が多いですとか、ここは坂道で上るのが大変ですとかね。そういうのがあってもいいと思います。
藤原:後半は、大阪の道についても具体的に伺っています。
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代表 青木 洋介さん |
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現地調査へ出発!
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実際に走るといろいろと問題が・・・
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調査結果を元に打ち合わせ
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情報を地図に反映
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●インタビュー後半
藤原:よくあるマップと違い、自転車で行くようなところは細い道だったりしますが、どのようにマップ作りは行われていらっしゃるのですか?
青木:去年、ワークショップを3回開きました。開催の案内を新聞やミニコミ誌に載せていただいたり、チラシを配ったりして、一般市民に声を掛けたんです。3回とも、大体8〜10人ぐらいの一般市民と私たちが一緒に、大阪市内の特に北区を中心としたエリアの調査を行いました。
藤原:今、見せていただいていますが、大きな幹線道路も分かりやすくなっていて、休憩処のコンビニとか市営のお手洗いとか、ポイントが色分けされていて分かりやすいですね。エリアは大阪市全域に広げられるのですか?
青木:最終的には、全域にしたいという夢を持って取り組んでいます。しかし、メンバーはみな社会人ですので、仕事等で忙しい中、時間を見つけてやっていますので、今進めている大阪市内の北区を中心とした北エリアをまず完成させようと活動しています。これが、きっかけとなって、徐々に大阪のいろんなエリアに広めていければなと思っています。
藤原:ところで、大阪は自転車での移動に向いている町でしょうか?
青木:向いている町だと思いますよ。というのは、まず地形的には、アップダウンが少ない。
藤原:平坦な道が多い?
青木:平坦な道が多いですね。坂は、あるとしても、上町台地の辺りぐらいだと思います。それ以外の部分は本当に平坦ですので、向いているのは向いているんです。
●スタジオ
藤原:今、作成されている地図は、大きさがA3サイズを2枚合わせたようなものです。もちろん普通の地図の機能も備えていますが、自転車を利用する方に役立つ情報がふんだんに盛り込まれています。大きな交差点はもちろんのこと、目印になる建物であったり、ここの道は危険で、注意が必要ですよとか、ここは緑が多い癒しスポットだよとか。また普通の地図ではパーキングについて案内されていますが、自転車マップでは、駐輪場が描かれています。他にも、横断歩道がなくて陸橋しかない交差点は自転車だと大回りしないといけません。そんな場所などは、図で示すのと併せて、一緒にコメントも書いてあります。
松本:とくに大阪なんて、商店街が多いじゃないですか。商店街の中って、自転車を乗らずに押して通行してくださいってよくあるけど、じゃあ、どこか抜け道ないのかとかね、こっちの道から迂回できますよ、みたいなものもいいかなと思いますね。
藤原:早く発売して欲しいのですが、発行は7月頃を予定されているそうです。子どもも夏休みにこれを持って出かけるといいですね。販売場所については主な自転車店などに置いてもらうように今、交渉中だとか。またホームページでもお買い求めいただくことができるそうです。好評だったら、北エリアでのバージョン2を作っていき、ゆくゆくはその他のエリアにも広げていって、より快適な自転車の通りをみなさんに広げていきたいとおっしゃっていました。『おおさか自転車マップづくりの会』の活動について、詳しく知りたい方、またイベントの情報などもホームページをご覧ください。
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お問い合わせ/
TEL:090-4161-0236(青木)
FAX:06-6969-2439 E-mail:cyclemap24@yahoo.co.jp
http://www.occn.zaq.ne.jp/cycle-map
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● 取材を終えて、感じたこと |
マップ作成の過程で、見通しのよい交差点はどこだとか、この道は交通量が少なくて自転車は走りやすいだとか、そんな細かい部分にまでこだわった話し合いがなされるそうです。
ふと子供の頃、商店街を1軒1軒訪ねてふきだし付きの地図を作ったことを思い出しました。
実際に見たこと感じたことをみんなで話し合ってやっと作られる自転車マップ。きっと自転車を利用する人にとっては頼もしい存在になるはずです。完成が楽しみですね。 |
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