●インタビュー前半
藤原:大和川の清掃活動と阿波踊りというのは、どういうつながりですか?
南さん(以下、南・敬称略):こじつけになりますが、大和川に流れているごみを取り除いていけば、日本一汚いといわれる大和川も少しずつ回復していくだろうし、同様に血液に溜まっているストレス等を取り除けば、私たち自身が健康な体を取り戻せるのではないかということで、二つをひっくるめ、いずれも汗をかくことで地域に貢献ができるのではと始めました。
藤原:阿波踊りを踊りながら掃除をするのですか?
南:そうではありません。掃除だけしましょうと呼びかけても、「あんたらだけ頑張りや」という形になってしまう。そこで、何かみんなで楽しめることができないかと考え、阿波踊りをやって、仲間を募ってみようというところから始めました。
藤原:阿波踊りをされるということは、四国のご出身ですか?
南:四国・徳島の出身です。
藤原:元々阿波踊りがお得意だったのですね。
南:私のふるさとでは、踊らないと遊んでもらえないとか、踊らないと人と接することができないと言われていて、幼稚園にあがる前から、踊りの訓練を受けていました。
藤原:活動は、どのくらいのペースでされているのですか?
南:毎月1回、支障のない範囲で、第3日曜日の午前8時から1時間程度やっています。
藤原:川の掃除をしようとお考えになられた動機をお聞かせください。
南:徳島には吉野川という約200km近い大きな川が流れていますが、とても奇麗な川です。35〜36年前に大阪へ来た時に大和川を見て、「えらい所に来たなぁ」と思いましたが、ここ10年ほど前からもっともっと汚くなってきています。それを見るにつけ、「もう少し田舎のような川にならんかな」という気持ちが湧いてきました。
藤原:先程、掃除をしたら血液も奇麗になるというお話がありましたが、川が汚いと心のほうも嫌な気持ちになりますよね。
南:なんか気持ちが荒むといいますか、汚れるといいますか。やはり川も、私たちが幼い頃に見ていたような奇麗な川でないといけないなと思いますね。
●スタジオ
藤原:大和川の清掃と阿波踊りの関係を分かっていただけたでしょうか。
松本:でもいきなり「阿波踊りをしながら掃除」っていうのもね。安喜節とかドジョウすくいだったら分かりますが。
藤原:確かに常識で考えたら、ちょっと難しいですね(笑)。まあ、阿波踊りそのものを楽しんでもらって元気になってもらおうという意味と、大和川の清掃のPRに使うという意味があります。平成9年から『水の声』とともに阿波踊りをする部門を「雄徒呼(おとこ)塾」と名付けて活動されているそうです。最初は男の人ばっかりのチームだったのが、今ではいろんな方が参加されています。川の清掃をしようと思われたきっかけは、お話にもあったように、昔自分が住んでいたところの奇麗な川が印象に残っていて、大阪に来た時に川のあまりの汚さに驚いたこと。こんな川では心も荒んでしまうから、奇麗にしていこうと、奥さんと二人で掃除を始められたそうです。今では、活動に賛同してくれる多くの仲間がいることがうれしいから、続けていきたいとおっしゃっていました。後半部分もお聞きください。
●インタビュー後半
藤原:汚い川だと思われていた大和川は、活動を続けていくうちに変わってきましたか?
南:釣り人がけっこう増えてきたということは、それだけ優しい川に変わってきたという一つの変化ではないかと思っています。特に今年の3月2日にアユが遡上しているという話を、ある大学が公表されてから、少しずつ川を奇麗にしないといけないという気持ちが高まってきているように思います。
藤原:川の周りでイベント等もされているのでしょうか?
南:11月の大阪のクリーン作戦に合わせ、大体3日から15日の間になりますが、「焼きいもやけた」という企画を実施しています。川の清掃をしていただいた人に焼きいもを配るという企画ですが、「焼きいもやけたから、早くごみを拾ってしまおう!」ということをやっています。
藤原:『水の声』という会の名前は、どのような思いから付けられたのですか?
南:私の尊敬する方が“自然との対話”、つまり「自然と対話することがものすごく大事なんだ」、「自然と対話できなければ、人と人とが対話することもできない」ということを言われていまして、そういうことから“水との対話”から転じて“水の声”といたしました。
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代表
南 茂さん |
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みんなの川を美しく守りたい
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草の中は、隠れたゴミが意外と多い
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自分たちが清掃している大和川で、
ホッと一息
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阿波踊りは、みんなに笑顔と元気を
与えてくれます
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見ているだけでも楽しそう
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●スタジオ
藤原:実はいろんな場所に踊りにいかれていらっしゃいます。デイサービスとか、老人ホームに行くことが多いそうです。その他、区民まつりや敬老会などにも参加されています。慰問先には老人の方が多いのですが、阿波踊りというのは、すごく脳の刺激になるのだとか。
松本:動きもけっこう細かいので、体にはいいと思いますが、脳にもいいのですね。
藤原:手をグーパーグーパーとするのが阿波踊りの基本ですが、やはりそうやって手を動かすからいいそうです。
松本:なるほどね。
藤原:車椅子の方がいらっしゃったり、足が不自由でなかなか動きが取れないような方もいらっしゃったりしますが、手だけだったら動きやすいということで、世代も関係なく、みんなが同じように楽しめる。これが阿波踊りのいいところだとお話されていました。もちろん、本場の阿波踊りは動きがありますが、みなさんとのコミュニケーションが目的だからとおっしゃっていました。活動についてですが、阿波踊りの季節の8月13日と14日は、徳島へ帰って踊られるそうです。ちょうど盆踊りの季節なので、ひっぱりだこだとか。それで「南さんたち、どうして、そんなに大和川に魅力を感じるのですか?」と伺うと、「もちろんいろんないい意味はあるけれど、川っていうのは、上から下までずっとつながっているでしょ。奇麗になっていくのは、もちろん気持ちがいいことだけれども、川のつながりっていうのは、人もつながっていくような気がしてね」っておっしゃっていたのが、すごく印象的でした。
松本:想像力がたくましいですよね。川に人とのつながりを考えるし、血の流れ、健康と川とを例えられたのにも、何か相通ずるものがあるって感じですね。
藤原:ですから、お掃除も強制するわけではなく、同じように思う方たちが集まると、自然に奇麗にしていきたいという気持ちが生まれるようです。
松本:最初、このお話を聞いた時は、こじつけみたいな感じを受けましたが、それなりの信念のある活動だということがレポートを聞いて分かりました。
藤原:『水の声』の活動に興味を持たれた方は、平野区役所企画調整担当へお問い合わせください。
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お問い合わせ/
平野区役所企画調整担当
TEL:06-4302-9684
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● 取材を終えて、感じたこと |
川の清掃と阿波踊り!?全く繋がりがないように思いましたが、サラサラと流れる奇麗な川を取り戻すためのきっかけ作りとして、代表・南さんの出身地である徳島の阿波踊りを一緒に踊ろう!という事だったんですね。阿波踊りだと気軽に参加出来るし、体を動かすとストレスの軽減になる!笑顔が生まれて、仲間と共に何かをしたい、そうしたら川の清掃をしようかと、自然にそんな流れになるのでしょうか。美しい川は気持ち良い!私も汚さないように心がけます。 |
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