●インタビュー前半
藤原:出資されたみなさんが集まってこられました。今から、ご自身の貝にネームプレートを付ける大切な作業が始まります。30cm×50cmぐらいの網2枚の間に、イケチョウ貝を挟み込むような形になっています。それでは、出資者の方にお話を伺いたいと思います。先程、ネームプレートを付けられていましたが、どんなお気持ちで付けられましたか?
出資者(男性1):4年後までちょっと夢がありますよね、無事に真珠ができたらいいなと。同時に、川の水が奇麗になるわけですから、その両方に期待しています。
藤原:この企画は、どちらでお知りになられたのですか?
出資者(男性1):たまたまホームページで。
藤原:この企画を知るまでは、こういうことがされていることをご存じなかったのですか?
出資者(女性1・男性1の同伴者):私は知っていました。同じかどうか分かりませんが、道頓堀を奇麗にしようという活動の話は聞いていました。水を奇麗にすることに以前からすごく感心がありましたから。
出資者(男性1):私は水とか川が好きでしたから、そういうことに対しては、元々興味がありました。
藤原:4年後に、この真珠ができたら、どのようにされますか?
出資者(女性1):4年後に70歳になるので、記念になると思っています。
出資者(男性1):できたら、本当に大事にしたいですね。
出資者(女性1):期待しています。
藤原:ありがとうございました。
●スタジオ
藤原:当日は、いろんな方が来られていました。一つの網には大小様々なイケチョウ貝が8〜10個ぐらい入っています。私もネームプレートを付けさせていただきましたが、小さい貝とか大きい貝とかいろいろあるので、自分で好きなところに付けていいということでした。賛同された方は、みなさんお金を払っていらっしゃるわけですが、イケチョウ貝1匹あたり7000円。そして、任意で入れる保険が1000円ということで、1口につき、7000円ないし8000円の費用を出すことになります。4年間にダウンしてしまう貝もいるので、任意の保険が用意されているそうです。淡水パールは琵琶湖の地場産業ですが、その琵琶湖でも3割が犠牲になっているのだとか。過去にも道頓堀川で、試験的にイケチョウ貝を入れた時には、5割が犠牲になったそうです。プラス1000円の任意保険に加入すれば、どんなことがあっても保証しますということ。後半は須知さんにお話をお聞きしています。
●インタビュー後半
藤原:夢を持ってみなさんが出資された貝を、今、ちょうど入植されましたが、今日は、どれぐらいのイケチョウ貝を入植されたのですか?
須知さん(以下、須知・敬称略):イケチョウ貝で、一番元気のある時期、4年ものの貝を500個入植しました。それと前から200個だけ入っていましたので、合計700個、今ここに入っています。
藤原:今日入植されて、4年後まで放ったらかしではありませんよね。
須知:放ったらかしではありません。今日も水質検査用の水を取りましたが、3ヶ月に一度は必ず、今、イケチョウ貝を入れている場所の水を汲んで、検査機関に送って検査をしてもらいます。
藤原:けっこう泥とかも付いていますが。
須知:そうですね。それと、ここは大阪府が管理していますので、結果を大阪府に届出ます。また、ひと月、ふた月に一度は見に来て、生きている、死んでいるという確認も含めたメンテナンスもします。
藤原:イケチョウ貝が水を浄化する能力は、どのくらいになるのですか?
須知:1日にドラム缶1本分くらいと言われていますが、最大でそのぐらいかなと思います。
藤原:すごいですね。『大阪・水かいどう808』としての最大の目的は何ですか?
須知:基本的には、河川の水質浄化が最大の目的です。ただ、河川の水質浄化といってもこれだけの水量です。今日入れたのが500個、前からの分を合わせて計700個ですから、700個でこの川を浄化できるという状況ではないと思いますが、川に関心のない人たちに、真珠ができることをきっかけとして、川に関心を持っていただけたらというのが狙いです。また、真珠ができるまで4年かかるので、4年間、いわゆるオーナー気分になって、この川を見つめていただくということが大事だと考えています。この企画を通して、啓発が進めば、この企画は大成功だと思っています。
藤原:ところで、「大阪ひと・まち魅力発見事業」の企画コンペで、優秀な企画と認められ助成金が20万円出ましたが、どのように使われているのですか?
須知:一つの貝が7000円、8000円ということなので、20万円分そっくり貝のオーナーになっていただくということで、お願いをしています。
藤原:ということは、『大阪・水かいどう808』の活動費として使われたのではないのですね?
須知:そうです。だから、計算しますと25口の貝のオーナーさんとして使わせていただきました。
藤原:どれぐらいの数を目標にされているのですか?
須知:全体で3500というのが最低目標です。ここの桟橋には、本当は808個入れたかったんです。
藤原:大阪・水かいどうの808にかけてですね。
須知:そうです。それが残念ながら500個。前からのものが200ありますから700。
藤原:3500個というとすごい数に思えますが、広い川ですから全部奇麗にするのは、3500個でも難しいのでしょうね。
須知:50万個ぐらい要ります。
藤原:どんな真珠ができるか、それぞれに違うと思うので、楽しみですね。
須知:本来は、人間が河川の浄化をしないといけないのですが、オーナーさんも含めてみなさんが川に関心をもっていただだいて、一人でも多くの方が参加することで、“川のファン作り”をしていきたいと思います。タイガースファンもいいけれど、川のファンもどんどん増えることが、私たちの願いです。
藤原:素晴らしいお話をありがとうございました。
須知:ありがとうございます。
●スタジオ
藤原:今回伺った場所は、土佐堀川の水上バスが発着する淀屋橋の桟橋のところです。ちょうど橋の下で、小さなボートに身を乗り出しながら、一つ一つ網を桟橋のところにくくり付けていらっしゃいました。みなさんの思いを預かって、須知さん自ら一つ一つ、体をどろどろにされながらも丁寧に付けていらっしゃいました。入植は今回の土佐堀川の他に、OAPの桟橋の大川、大阪城桟橋の第二寝屋川、天満橋桟橋の大川、そして道頓堀川。合わせて5ヶ所を予定されていて、最低500匹ずつ入植していきたいということです。目標の3500匹でも、川が奇麗になるわけではないけれど、みなさんの気持ちが高まれば、うれしいとおっしゃっていました。
松本:イケチョウ貝のオーナーでもあり、川のオーナーというか、川の管理人という気持ちも持っていただけるようにということですね。
藤原:どんなふうになるか、ロマンを感じますね。
須知:とりあえず4年後が楽しみです。
藤原:「大阪ジョウカ物語」で真珠貝のオーナーになりたい!大阪の川を奇麗にしたい!4年間、夢を見たい!という方、詳しくは、ホームページをご覧下さい。申し込みやお問い合わせは、NPO法人『大阪・水かいどう808』 へお願いします。
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理事長
須知 裕曠さん |
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「4年後が楽しみ」と、
入植を見にきた“貝のオーナー”
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事業に興味を持って、話を聞きに
来られる方もたくさんいました
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4年後に期待を込めて、
ネームプレートを付けます
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自分の貝を、カメラに収める姿も
ありました
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藤原宏美も、
大阪 ひと・まち魅力発見推進会議の
一員として、
ネームプレートを付けました
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ボート「かっぱIII号」に乗って、
須知さんが丁寧に入植します
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ボートの中の、たくさんの
イケチョウ貝には、水質浄化や
真珠完成など、たくさんの思いが
詰まっています
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(平成17年9月下旬試験貝開
=道頓堀真珠)
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