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毎回、大阪を拠点に活動しているNPO法人やNGO、ボランティア団体、そして大阪のいろいろな地域で活躍している方やその地域の活動内容を通して、大阪の「ひと」や「まち」の魅力を発見していきます。
たくさんの人に知って欲しい大阪を魅力いっぱい、情報満載でご紹介していきますので、みなさんご期待ください。

2006年4月15日(土)放送
大阪にファンの夢をかなえる、市民球団を作ろう!NPO法人 夢球団設立連絡会

今回は、大阪府ネイチャーゲーム協会の活動を紹介します。ネイチャーゲームとは“見る”、“聞く”、“触る”などの感覚を使って、自然を直接体験する野外活動のこと。「日本ネイチャーゲーム協会」という組織の大阪府での活動を担っているのが、「大阪府ネイチャーゲーム協会」です。本部は大阪市東成区にあります。大阪市内は緑が少ないように思えますけど、どんなふうに自然に親しみながらゲームをしているのでしょうか。事務局長の山田俊明(やまだ としあき)さんに伺いました。




●インタビュー前半

藤原:ネイチャーゲームについてお教えください。
山田さん(以下、山田・敬称略):ネイチャーゲームは、1979年にアメリカのナチュラリスト、ジョセフ・コーネルが提唱したものです。人間が持っている“見る”“聞く”“触れる”といった様々な感覚を十分に使って、自然を直接体験する野外活動プログラムのことです。

藤原:ネイチャーゲームにはどのくらいの種類があるのですか?
山田:120種類以上のゲームがあり、それらのゲームを体験することで自然に関する様々なことに気付いたり、発見したりできるようになっています。

藤原:ゲームというからには、競い合うようなものなんですか?
山田:そうではありません。ゲームという名前はついていますが、元々はシェアリングオブネイチャーと言って、自然を分かち合おうという精神や気持ちが基本になっています。

藤原:山田さんのネイチャーゲームとの出会いについてお聞かせください。
山田:10年ほど前になります。元々キャンプや野外活動が好きで、レクリエーション活動をやっていたのですが、キャンプファイヤーやレクリエーションゲームとかのノリについていけないところがあって、もっとじっくり野外で自然と親しめるものがないかと思っていた時に、ネイチャーゲームと出会いました。

藤原:具体的にどのような活動をされているのか、お教えください。
山田:私は大阪府協会の事務局長をしていますが、同時に『大阪城公園ネイチャーゲームの会』という地域の会にも所属しています。名前の通り、大阪城公園を活動拠点にしている地域の会です。

藤原:大阪城公園では、春夏秋冬、様々なものが楽しめそうですね。
山田:春夏秋冬、季節の特長を活かしたネイチャーゲームを楽しんでいただくイベントをやっています。

藤原:近々、何かイベントはありますか?
山田:4月23日(日)に大阪城公園で「春の会」をやります。

藤原:どういうものですか?
山田:フィールドビンゴというゲームをやってみようかと考えています。

藤原:それはどういうゲームですか?
山田:ビンゴカードってありますが、あの数字の代りに、自然のことが書いてあるものです。例えば、“いいにおいがするもの”とか、“チクチクするもの”とか、そういうものをみんなで探していくというゲームです。

藤原:ルールはビンゴと同じだけど“もの”が違うのですね。
山田:自然の中のものをビンゴ風に探してくるというものです。

藤原:普段の生活の中では、得ることができないものに気付きそうですね。
山田:子どもたちは、面白いものを探してきますよ。



●スタジオ

藤原:話に出たビンゴカードを、ぜひ松本さんに見てもらいたいと思って、スタジオに持ってきました。
松本:フィールドビンゴ・ビンゴカード。縦横4マスずつ合計16のマス目があります。これは面白いですね。

藤原:一つ一つが普通のビンゴとは違うでしょう。
松本:数字ではなく、“チクチクする葉”とか“両手で抱えられないもの”などと書いてあります。具体的には自分で探せっていうことですよね。自分でテーマに沿ったものを探してくればいい。

藤原:そうなんですよ。
松本:“動物の落とし物”とかも書いてますね。

藤原:意外と大人にとっては難しいかも知れませんね。
松本:これで何を想像するか。例えば動物の糞であるとか、セミの抜け殻、これらも落とし物ととらえればね。脱皮した後の蛇の皮でもいいわけじゃないですか。何でもいい。想像力をたくましくさせながら自然と親しめるのは面白いですね。“何々を探して来い”と、特定するわけじゃないというところがいいですね。

藤原:見る、聞く、触る、嗅ぐ、味わう、の五感をフルに活用できるのがネイチャーゲーム。『大阪府ネイチャーゲーム協会』ができたのは2004年1月ですが、ビンゴの他にも、ただ「裸足で歩いてみる」などというものもあるそうです。小石が足の裏でチクチクしたり、石が足と足の間に入って気持ち悪いという感覚が、“気持ち悪い”から、だんだん“快感”になる。“慣れてくる”という感覚も養うことができるみたいです。その他にも、こんなことがあるようです。



出演者写真 事務局長
山田俊明さん

葉っぱや木の色をあわせるゲーム
「森の色あわせ」

目隠しをして、木の鼓動を感じる
「わたしの木」

自然の中で、交流を図る
「はじめまして」

カードに描かれた、ポイントを探す「フィールドビンゴ」




●インタビュー後半

藤原:自分たちでできるような、簡単なネイチャーゲームってありますか?
山田:特に道具もいらないネイチャーゲームだと、例えば、“森の色あわせ”というゲームがあります。自然の中にある、たくさんの色に気付いてもらうゲームです。

藤原:やり方を教えてください。
山田:例えば、藤原さんが今着ていらっしゃる上着の色が赤ですね。その赤とそっくり同じものを自然の中で見つけてきてください。

藤原:赤でも、鮮やかな色もあれば、ちょっとくすんだような色もありますから、ピッタリの色が見つかった時はうれしいでしょうね。
山田:自然の中では、赤といっても1色ではない。ちょっと赤っぽいのとか、明るい赤、暗い赤、微妙に違ういろんな赤があることに気付くというゲームです。

藤原:他にはどんなものがありますか。
山田:ちょっと専門的になりますが、お医者さんの聴診器を使うゲームもあります。「木の鼓動」というゲームで、聴診器を木にあてる。

藤原:どんな音が聞こえるのでしょう。
山田:なかなか微妙な、いろんな音が聞こえます。私は、コポコポっという音が聞こえたような気がしました。

藤原:同じ音を聞いても、人によって感じ方も違うわけですね。
山田:そうです。一応、木が水を吸う音だと言われていますが、何となく「木が生きてるんだなぁ」というのを感じます。

藤原:面白いですね。




●スタジオ

藤原:落ち葉の中に子どもたちが体ごと埋もれて顔が見えているだけ、という写真を見せていただきました。子どもって、それだけで楽しいんですよね。

松本:海水浴に行った時に、砂に埋まって顔だけ出している、そういう感じでしょうね。

藤原:何でも遊びにつながるんだと思いました。ネイチャーゲームのキャッチフレーズ“地球と遊ぼう”“自然と話そう”ということらしいです。『大阪府ネイチャーゲーム協会』では会員を募集されています。お問い合わせは、東成区コミュニティ協会まで。日本ネイチャーゲーム協会のホームページもあります。ホームページを開くと、左下の方に“あなたの街のネイチャーゲーム組織”というバナーがあるので、それをクリックして調べたい地域を選んでください。




お問い合わせ/
「東成区コミュニティ協会」
TEL:06-6972-0717

『日本ネイチャーゲーム協会』ホームページアドレス
http://www.naturegame.or.jp



● 取材を終えて、感じたこと
ネイチャーゲームを何種類か教えて頂きましたが、どれも面白そう!!
まず、子どもたちは、鳥の鳴き声や風の匂い、裸足で歩く感触に最初は驚くそうです。そして、緑の中で出会う花や虫に興味を持ち、家に帰って進んで図鑑を調べる子もたくさんいるそうです。名前は「ゲーム」ですが、そこで思ったことや感じたことをお互いに意見交換して、また新しい考えが生まれるなんて、奥が深いなぁと思いました。
情景を思いうかべてみれば、自然と会話する子ども達の笑い声が、聞こえてきそうですね!

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