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毎回、大阪を拠点に活動しているNPO法人やNGO、ボランティア団体、そして大阪のいろいろな地域で活躍している方やその地域の活動内容を通して、大阪の「ひと」や「まち」の魅力を発見していきます。
たくさんの人に知って欲しい大阪を魅力いっぱい、情報満載でご紹介していきますので、みなさんご期待ください。

2006年3月11日(土)放送

今回は、NPO法人『エルダーホステル協会』の活動を紹介します。アメリカ発祥のエルダーホステルは、年輩の方を対象に単に宿を提供するだけではなく、宿泊しながら様々な勉強をする講座を開いている宿泊施設です。その活動について専務理事の大原美和子(おおはら みわこ)さんに伺います。

出演者写真



●インタビュー前半

藤原:『エルダーホステル協会』の活動についてご紹介ください。 

大原さん(以下、大原・敬称略):知的好奇心旺盛な熟年のためにつくられた、宿泊型の生涯学習講座です。創立者は、アメリカの社会教育運動家。世界中を旅した時に、ヨーロッパのユースホステルや、フォークハイスクールという北欧の成人学校を利用したそうです。旅行後、アメリカに帰ってから、大学の寮の責任者をしている友人に、そのヨーロッパのユースホステルやフォークハイスクールに感銘を受けたことを語りました。すると、大学の寮の責任者である友人は、「大学をもっと活用するためにも、若者だけでなく高齢者のために、学習プログラムを作ろう」と言い、二人は意気投合。高齢者ということで、“ユースホステル”の代りに“エルダーホステル”という名前で、寮に宿泊をして授業を受けたり、見学したり、夜は交流をしたりという、1週間のセットのプログラムを1975年の夏に試みたのです。

藤原:その結果はどうでしたか?

大原:ニューハンプシャー州の5つの大学に、60歳以上の方が220人参加し、初めての体験にとても興奮したそうです。教える方も、若い学生ではなく、経験豊かな人たちに教えるため、反応もとても良く、非常に好評でした。1年後には参加者が200人から2000人、さらには20000人と、10倍10倍で増えていきました。80年代からは、海外にも勉強に出かけようということで、学習と旅を組み合わせたプログラムをエルダーホステルと呼び、日本にも1986年にアメリカ人グループが来るようになりました。




●スタジオ

藤原:『エルダーホステル協会』が大阪にあるのは、アメリカンセンターが大阪にあるためだそうです。アメリカンセンターの図書館の主任司書をしていたのが、豊後(ぶんご)レイコさん。今の『エルダーホステル協会』の名誉会長です。ある日、豊後さんのもとに、アメリカ人の元上司からハガキが届き、その中に「エルダーホステルが楽しみだ」という内容が書かれてありました。「エルダーホステルって、何?」と思われ、自らアメリカへ行って参加されたそうです。いろんなことを体験した結果、すごくいいことで、日本プログラムも期待されていたのですが、誰もする人がいなかったので、豊後さんご自身が日本プログラムを起こされました。後半は、具体的な内容についてお聞きしています。




●インタビュー後半

藤原:日本の『エルダーホステル協会』の活動についてお教えください。 

大原:アメリカの方を受け入れたのが、最初の活動です。その後、日本人版エルダーホステルの活動を始めました。原則として50歳以上の日本の中高齢者が、国内で宿泊して学ぶ、また海外へも学びの旅に出ていくという活動です。それを私どもは“講座”という堅い言葉で呼んでいます。また、関西の会員の方たちは非常に積極的かつ行動的で、例えば“私の町にいらっしゃい”という自分の住んでいる街を紹介する1日プログラムを考えられたり、講師を招いてのセミナーなどを企画されたりしています。豊後名誉会長がコーディネーターを務めるエルダーサロン、会員の意見交換などの活動もやっています。

藤原:具体的な講座やテーマをご紹介ください。

大原:アメリカ人対象の講座は、日本の社会や文化に関するものが多いですね。日本人対象の場合は、文化的なものや歴史、健康や経済、社会情勢、政治情勢など様々です。

藤原:海外から来られる方を、どこで、どれくらいの期間受け入れられるのですか?

大原:宿泊先は、大阪、京都、奈良、東京、金沢、松江、高山などです。これらの3ヵ所か4ヵ所を結びつけた約2週間のプログラムを組みます。あまり年齢制限にこだわらず、一方が55歳以上ならお連れの方は何歳でもいいとしています。受け入れは、年6〜7回、春と秋、季節のいい時に受け入れています。

藤原:実際、来られる方は、どのような方が多いのですか?

大原:平均年齢70歳ぐらいですが、退職された方がほとんどで、元エンジニアとか、学校の先生、医師、弁護士、自営業の方などです。みなさん非常に活動的で、女性の場合も図書館司書など教育関係の方も多く、未亡人、独身の方もいらっしゃいますが、夫婦で参加というパターンが特徴として言えますね。それから、日本に本当に興味があるタイプの方と、昔アメリカでホームステイファミリーとして日本人を受け入れた方や、日本に子どもや孫が住んでいるので会いたいという方たちですね。本当に歌舞伎が大好きで、同じプログラムに3回、4回繰り返して参加される方もいます。日本は宿泊費・交通費が高いので、他の国よりも滞在費が高くつくため、参加される方は裕福な方が多いですね。



出演者写真 専務理事 
大原美和子
さん

エルダーホステル協会の交流講習会。
海外のお客様を松山空港にて
お見送りです。

「ニューヨーク講座」で、
懇親会を行ったときの様子

「日本学講座」開催で、
大阪府立老人総合センターへ訪問

四万十川の河原で拾った材料で、
楽しくモノづくりをしています

大原さん「これが私たちの
活動で・・・」
藤原「ふんふん・・・」

藤原「国際的で、楽しそう」
大原さん「多くの方に
参加していただきたいですね」





●スタジオ

松本:日本に興味がある、またアメリカでホームステイの世話をしたから逆に日本を訪ねてみたいとか、理由はいろいろあると思います。個々の理由は別として、市民レベルの交流の窓口としては非常にいいと思います。ただ、日本は滞在費が高いので、どうしても裕福な一定層に限られているというのは、少し残念なところですね。

藤原:そうです。

松本:こればかりはお金のからむ問題ですから、その辺が改善されていけば、もっと素晴らしい交流ができるのではないかと思います。

藤原:また、近々のイベントや入会案内などについては、HPをご覧ください。



お問い合わせ/
TEL:06-4395-1222
http://www.jpelder.org


● 取材を終えて、感じたこと
様々な経験をされ、知識もある熟年層の宿泊型生涯学習講座。好奇心旺盛な人達の集まりだけに活動内容も幅広く、国際的でとても楽しそうでした。中でも「私の町にいらっしゃい」という日帰りツアーに、とても興味深いものを感じました。このツアーは、「ワッハ上方」や「朝日新聞社」、「中央公会堂」のバックヤード等、普段は見ることのできない場所を案内してもらえるそうで、貴重な体験ができるとのこと。「大阪の住民が、大阪の町(私の町)の良いところを紹介したい!」と頑張っておられることが感じ取れました。


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