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毎回、大阪を拠点に活動しているNPO法人やNGO、ボランティア団体、そして大阪のいろいろな地域で活躍している方やその地域の活動内容を通して、大阪の「ひと」や「まち」の魅力を発見していきます。
たくさんの人に知って欲しい大阪を魅力いっぱい、情報満載でご紹介していきますので、みなさんご期待ください。

2006年1月21日(土)放送

今回は、活動を始めてもう20年にもなるという、『十三あたりわてらの集い』の活動をご紹介します。地域の学校での特別授業からスタートされて、地域のため、また子どもたちのために様々な活動をされている歴史のある団体です。今年81歳になるという現役開業医で、世話役の小竹武(こたけ たけし)さんにお話を伺います。

収録写真メイン


●インタビュー前半

藤原:いつごろ、どんな活動からスタートされたのですか?

小竹さん(以下、小竹・敬称略):スタートは、今から20年ぐらい前の平成元年です。当時、十三の東側の地域には、様々な分野で活躍する一流の人材がそろっていました。そこで、何か目的を持って活動しようと、学校の“押しかけ授業”をすることになったのが、『わてらの集い』のはじまりです。

藤原:“押しかけ授業”とは、どういうものですか?

小竹:学校やPTAから依頼があってやったのではなく、こちらから、「まあ聞いてちょうだい」という形で出かけて、させていただいた授業です。

藤原:学校に出向いて行って、体験談などを話すということですか?

小竹:1時間目は、尾崎千秋さんの“日本語のしゃべり方”。2時間目は、宮大工さんがノミを出しながら、「これが私の歴史です」と、それぞれの人生の体験談を話しました。

藤原:教育面からスタートされて、地元の活性化の取り組みも始められたそうですね。

小竹:地域の活性化活動の一環として、オリジナルのお菓子を作りました。今里屋九兵衛さんなど江戸時代からずっとあるお菓子屋さんを中心に、八軒の菓子匠に「協力してほしい」と声をかけました。13日の日(十三の日)に使えるオリジナル菓子を考案してほしいと。名前は“十三あたりわてらの集い”をそのまま使い、越前和紙の立派な箱に9個の違うお菓子を詰めています。お孫さん、お年寄り、みんながそれぞれ違うお菓子を選んで食べる楽しみがあります。



●スタジオ

藤原:活動団体と同じ名前の“十三あたりわてらの集い”というお菓子は、活動にちなんだお菓子として、“なにわ準大賞”も受賞されたということです。十三の美味しいお菓子の詰め合わせ。お菓子もそうですが、十三には味のある方がたくさんいらっしゃいます。

松本:最初に聞いてびっくりしたのですが、尾崎千秋さんというのは、もしかしたら、ラジオ大阪の大先輩に当たるアナウンサーの尾崎さんですか?

藤原:そうです。

松本:18〜20年近く先輩の方で、もう60半ばの方です。

藤原:ラジオ大阪の尾崎千秋さんや、お話にありました宮大工さん他、郷土の歴史に詳しいお年寄りや職人さん、生け花の先生などが、中学校に押しかけて行って授業をされたのが“押しかけ授業”。学校では教わらない大人の社会のことを話すことで、子どもたちの様子がどんどん変わってきたそうです。様々なキャリアを持っている大人が各教室に行って、同じ時間帯に話をするので、教室ごとに聞いている話が違います。だから、休み時間や次の日、また家に帰ってから「こんな話を聞いた」と、互いに情報交換をしあううちに、生徒がぐんぐん成長していく。その過程がわかるそうです。ガラスを割っていたような子どもも、割らなくなったとか。ふれあい教育の大切さを実感しました。

松本:学校教育はともすれば画一的な教育になりますからね。それだけでは、だめだということですね。

藤原:急に静かになるし、挨拶もみんなしっかりするようになったそうです。そうした一連の“押しかけ授業”が評価されて、1999年には、“朝日のびのび教育賞”を受賞されました。今、これは“十三方式”と呼ばれ、教育界ではかなり有名な勉強方法になっているそうです。後半部分も、様々な取り組みについて伺っています。



●インタビュー後半

藤原:最近の子どもたちへの取り組みをお聞かせください。

小竹:淀川区には18の小学校がありますが、夏休みの3日間、朝9時から夕方5時まで、十三中学の校庭で野球大会を、西三国のグラウンドではソフトボールとキックボールの大会を開催しています。私はドクターですから自然に救急や救護もします。大抵5〜6人衝突したり、ひっくり返ったりしますからね。子どもの面倒を見ながら、普段から交流しておくことで、パッと次のプランが浮かんだ時に展開しやすくなります。



●スタジオ

藤原:十三には“つばめ通り”というのがありますが、名前の通り、ツバメがたくさん飛んでくる場所だそうです。ちょうど、小竹さんの家の前にも“つばめ通り”と書かれた石碑が置かれていました。今の時期ツバメはいませんが、ツバメの巣がたくさん残っていました。私の家にもツバメの巣があったので分かりますが、巣があると気になるもので、邪魔しないように、音を立てないようにと、本当に気を遣ったものです。地域の人たちでツバメの飛来を守ろうという取り組みは大切なことですね。その他にも、CDを作って、PRもされています。興味を持っている事には何でも、手を広げていかれた結果、このように活動が多岐にわたるようになったのだとか。次の世代を担う子どものために、どうしていきたいかということが、活動の原点だそうです。今の子どもたちが次の世代に安心して暮らしていける制度を作っていきたいともおっしゃっていました。例えば、会社も有給休暇をもっとたくさん取れるようにして、家族旅行を国が助成して欲しいなど。家族とのコミュニケーションが取れる環境を作っていきたいという、壮大な夢を持っている団体でした。



お問い合わせ/
TEL:06-6301-3529




出演者写真 世話役 
小竹 武さん

「ふれあい教育」
3年生には将来の進路の参考にして
欲しいと、地元企業から講師を招いた
(大阪市淀川区 十三中学校)

「十三あたりわてらの集い」が受賞した
“朝日のびのび教育賞”

「十三あたりわてらの集い」のお菓子は
大阪みやげとして本にも紹介されている

小竹さんが作ったCDの数々

小竹医院の前にある「つばめ通」の石碑

ツバメの巣が各所に作られることから
名づけられた「つばめ通商店街」

壁にはツバメの巣が出来ていた形跡が
たくさん残っている

「右は親、左は子どもたちの巣なんですよ」
と、小竹さんは教えてくれました



● 取材を終えて、感じたこと
本当に色々と幅広く活動されているな〜というのが第一印象です。その全てが地域のために一役買う内容でした。大人たちは自分の社会経験から次の世代を担う子どもたちのために・・・その結果、子どもたちにはお年寄りを大切にする心が育ち・・・と良い循環が成立しているのですね。
目先の事だけではなく、将来的なビジョンに繋がっている事がまた、素晴らしいと思いました。これからも益々元気な活動を期待していまーすヽ(^o^)丿

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