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毎回、大阪を拠点に活動しているNPO法人やNGO、ボランティア団体、そして大阪のいろいろな地域で活躍している方やその地域の活動内容を通して、大阪の「ひと」や「まち」の魅力を発見していきます。
たくさんの人に知って欲しい大阪を魅力いっぱい、情報満載でご紹介していきますので、みなさんご期待ください。

2006年1月14日(土)放送

今回は、大阪市中央区谷町にあります空堀地区を舞台に活動されている『にぎわい堂』をご紹介します。魅力的な町づくりをめざして活動している人たちの層も厚い空堀。そんな空堀の魅力を再発見する企画を主宰したり、スペースをレンタルしたりしているのが『にぎわい堂』です。どんな活動をしているのか、代表の寺西章江(てらにし あきえ)さんに伺います。

収録写真メイン


●インタビュー前半

藤原:どんな活動をされているのですか?

寺西さん(以下、寺西・敬称略):商店街を応援するイベントを行ったり、レンタルスペースとしてみなさんにお貸ししています。

藤原:どういったイベントをされているのか、具体的にお聞かせください。

寺西:空堀商店街の美味しい食材を味わっていただこうと、商店街で購入したお豆腐とだし昆布を持ち寄って湯豆腐をやったり、“空堀の本当の魅力とは”というテーマで商店街の方や外部の方に集まってもらい、空堀の魅力発見ワークショップをやったりしています。

藤原:いつオープンされたのですか?

寺西:2003年の11月です。ちょうどボジョレヌーボーの季節だったので、オープニングの時にボジョレヌーボーで乾杯しました。それが今では恒例になっています。

藤原:レンタルスペースとして貸し出しされているわけですよね。

寺西:「にぎわい堂」の趣旨を理解していただいた方に使ってもらっています。

藤原:2階には、食器やお鍋がたくさんありますが、自由に使ってもいいのですか?

寺西:冷暖房完備でプロジェクターもありますので、プレゼンの用意もできます。また、土鍋やお皿など置いてある物は自由に使って、元通りにしていただいたら結構です。自主的に自由に使っていただけるスペースとしてレンタルしています。

藤原:レンタル代はいくらですか?

寺西:1階の縦長の洋室は、1時間1000円。2階の10畳半ある和室の方は1時間1500円です。1日レンタルの場合は、割引もありますので、ご相談ください。

藤原:『にぎわい堂』の活動を始められたきっかけをお聞かせください。

寺西:私が公的な立場の仕事に従事している関係で、様々な方面の方と知り合う機会があります。こうした素晴らしい方を自分だけの名刺にしておくのはもったいないと思い、様々な交流会を幹事になってやっていたのですが、その活動拠点を設けたいという思いがありました。また、4年半前から空堀地区の松屋町に住んでいますが、空堀の良さをみんなに知ってもらいたいと思うようになり、ならば空堀に活動場所を開こうと考えました。



●スタジオ

藤原:『にぎわい堂』のある空堀は、大阪のど真ん中の便利な場所ですが、今も昔ながらの町家が残っていて、タイムスリップしたような気分になりました。大通りに面している、いわゆる表長屋で、今は道路が拡張されていますが、昔は、もっと狭かったそうです。その古い家を改装されて、1階はしゃれたギャラリー風で、棚に洋酒が並んでいてバーを思わせる雰囲気もあります。2階には、部屋が二間あり、続き間にすると10畳半の座敷になり、テーブルや座布団、食器類も充実していて、アンティークなガスコンロも揃っています。台所の窓を開けると、裏路地が見えるようになっていて、なかなか雰囲気のあるところでした。オープン前の改装時には、“塗装ワークショップ”、“左官ワークショップ”などと銘打って、友達を集めて素人の人たちで改装したとのこと。また、表通りに面した壁にはめ込まれている、素敵な雰囲気のあるステンドガラスや玄関の扉のガラスは、プレゼントしてもらったものだそうです。寺西さんのお人柄のたまものですね。昔の姿を残しつつ、過ごしやすいにように、使いやすいように改装された、本当に素敵な所でした。

 後半は、『にぎわい堂』にどんな方が集まっていらっしゃるかなどを伺います。



●インタビュー後半

藤原:寺西さんご自身が共感されて、貸し出されているケースの具体例を教えてください。

寺西:着付けの教室を2階の和室で開かれていたり、町づくりの勉強会などにお貸ししたりしています。1階では、「縄文文化の会」など文化的な勉強会なども行われています。本来なら私がずっとここにいて、誰かが来たら「こんにちは」というようにしたいのですが、仕事を持っているので、なかなかそういうわけにはいきません。まずは月1回、数時間でも「この日は開いている」という日をつくろうと思い、第三木曜日の夕方の6時半から9時半までを開け、“サンモクサロン”という会を開いています。誰かにちょっとした話題を提供してもらって、あとはみんなでワイワイ楽しもうという会です。それこそ各人が持ち寄ったお酒と食べ物で楽しみ、何時に来ても、何時に帰ってもいいという自由な会になっています。

藤原:決まったテーマなどはないのですか?

寺西:初回の12月は、私が話題を提供しました。

藤原:どういった内容ですか?

寺西:実は12月のはじめに私の家が空き巣に入られました。それも一つのコミュニティ、地域の問題ですので、空き巣に入られたことをテーマにしました。

藤原:笑顔でお話されていますが、大丈夫でしたか?

寺西:商店街に買い物に行って、帰りに出くわしたので、かなり怖かったのですが、無事で良かったです。

藤原:通常、何人ぐらいが参加されているのですか?

寺西:毎回15人前後参加いただいています。この1月19日には、星光学院高校の理科の先生が「包丁」をテーマに話されます。自分の家の包丁をもう一回見直したくなるような話をされるということです。

藤原:その他に『にぎわい堂』の主催事業には、どういったものがありますか?

寺西:私が入らせていただいている『なにわことばのつどい』という会があります。その会が21年前に「なにわいろはかるた」というかるたを作りました。大阪府民からの公募で集まった5000句あまりを、会員や識者の方々が選句して、プロの方が絵を付けたものですが、今は絶版になっています。その原画のコピーを展示して、実際の音声で札を読んだものを流したりということもしています。大阪文化を見直そうといった活動です。


出演者写真 代表 
寺西 章江さん

築70年以上の表長屋を再生して
2003年に誕生した、
情報発信・交流スペース「にぎわい堂」

窓もガラスも、町家らしさにこだわって
つくられている

「にぎわい堂」前から続く路地は、
町家独特の閑静な面持ちが感じられる

空堀の人々が集まって、
いろんな会が催されます

空堀商店街で仕入れた
食材などを使って宴会を行います

温かいなにわことばを
趣あるにぎわい堂で考える
「なにわいろはかるた展」






●スタジオ

藤原:現在は、“いろはかるたを一緒に作りましょう”と、空堀にちなんだ句を募集されているそうです。

松本:スタジオに持ってきてもらっているものですね。『い』は、「いがぐり頭の子どもさん、着物姿で下駄はいている」という、昔ながらの子どもの絵。かっぽうぎ姿のお母さんに挨拶している句が「いて散じますに おはよう おかえり」。

藤原:なにわ言葉で綴られています。

松本:いいですね、雰囲気があって。

藤原:別になにわ言葉にこだわらなくても、「まいど おおきに 商店街で お買い物」といった気負わないものでもいいそうです。かるたはちょうどハガキと同じ大きさで、切手を貼れば郵便ハガキとして投函できるようにもなっているものが、7枚セットで500円。『にぎわい堂』で販売しています。もしよろしければ、このいろはかるたにも、ぜひ、ご参加いただきたいと思います。かるたの応募や『にぎわい堂』の活動について、もっと詳しくお知りになりたい方は、ホームページをご覧ください。



お問い合わせ/
TEL:080-1446-9648
FAX:06-6761-5598

http://www.nigiwaido.com


● 取材を終えて、感じたこと
「このスペースを自由に使っていただいて良いんです」と2階を案内して下さった時、初めて行ったとは思えないくらい妙に懐かしく、居心地の良さを感じました。
空堀独特の佇まいだからか、畳敷きだからか、又、やさしい笑顔の寺西さんが隣に居るからか・・・何が理由かは分かりませんが、私がもし、この空間を借りるなら、どんな風に利用しようか、と考えるだけでわくわく感が募ってきます。「にぎわい堂」初心者は、まずは気軽に第3木曜日に開かれているサンモクサロンから参加されることをオススメします。

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