●インタビュー前半
藤原:2001年にNPO法人化されましたが、それより前から活動をされていると伺っていますが?
成松さん(以下、成松・敬称略):長堀に地下鉄を引こうということで、地下鉄長堀鶴見緑地線が通る10年前ぐらいから運動をしていました。
藤原:活動をはじめられた当初のお話をお聞かせください。
成松:“心斎橋”というのは、そもそも長堀通りに架かっていた橋ですが、当時は戎橋を“心斎橋”と勘違されていらっしゃる方が多く、それと共に本来の心斎橋エリアの集客が落ち込みつつありました。そこで、この傾向に歯止めをかけなければという地元の思いから、地下鉄を引こうということになったのです。当時、大阪の地下鉄は全て南北線で東西に走っている地下鉄がありませんでした。東西線の第一号を長堀通に通そうと運動したのですが、東西線第一号は中央通りに引かれることになりました。その引き替えに、当時の行政、大阪市、交通局との約束で、「必ず二番目に長堀通りに地下鉄を引くけれども、乗車率が低い赤字の地下鉄ばかり引けないので、乗車率が上がることを考えて欲しい」という依頼がありました。それならば都市再生をしよう、そのためには長堀通りをどうすればいいかということで、市民1000人アンケートを実施した結果、大阪に不足しているのは「緑・潤い・憩い」という回答が圧倒的でした。それを受け、「長堀通りを公園のようにしよう」という提案をいたしました。具体的には、地下に公共交通機関(地下鉄)、ショッピングセンター、駐車場を、地上は緑の公園に、という提案です。
藤原:他にはどのような活動をされてきたのですか?
成松:“地下と地上が響きあう町”を造っていこうということで、長堀通り全体の景観整備に取り組んできました。みなさんあまりご存じないのですが、地上の長堀通りは国のシンボルストリートになっています。景観整備に資金も知恵も注ぎ、ゾーンごとにテーマ性を持った樹木を植えています。あるエリアは春になると花が咲き乱れ、ある地域は秋になると紅葉がきれいというような、エリアごとにテーマを持った街路樹や樹木を植えています。そうした、十分なインフラ投資をし、大阪がアジアの核都市になるための一つのチャレンジをしているということを情報として世界へ発信しました。その情報を受けて、いわゆるスーパーブランドが進出してくるようになったのです。96年に長堀通りの交差点に、シャネルが当時としては日本一大きな店舗を構えました。それを契機に世界のスーパーブランドが続々と進出するようになりました。それも一番大きな店で400坪、小さな店でも140坪前後のメガショップが軒を連ねるスーパーブランド街ができたわけです。世界の大都市はどこもスーパーブランド街を抱えていますが、メガショップが軒を連ねたスーパーブランド街というのは、大阪にしかないと聞いています。
●スタジオ
藤原:ここ数年のうちに、ナニワのこだわり文化と世界的なファッショの文化がうまく混ざり合えているのが長堀だと思いました。とにかく町がかっこいい。そのかっこよさのひとつとして、きれいな町並みをめざしていらっしゃって、今までのお話にあった大きな活動の他にも、地道な清掃活動もされています。清掃活動は月2回、毎月第一火曜日の午前中と、第三火曜日のお昼休み。ビジネス街なので、朝ならできるとか、昼ならできるという人に合わされた結果、こういう形になったそうです。毎回40人ぐらいが参加し、多い時は80人ぐらいが参加されるとか。それでもゴミがある。タバコの吸い殻、空き缶、最近多いのはペットボトル。清掃活動をしても効果がないのではと思われて、2〜3ヶ月お休みをしたところ、増える一方で、粗大ゴミまで捨てられていたそうです。毎月されているゴミ拾いのおかげで、最近は町がきれいになっているそうです。後半部分は、現在進められている長堀のあり方について伺います。
●インタビュー後半
藤原:今、進めていらっしゃる長堀の町づくりのあり方について、お聞かせください。
成松:各町ごとにテーマを持つ「テーマタウン提唱」というのを推進しています。いわゆるディズニーランドやUSJのようなテーマパークはありますが、町もテーマを持とうという活動です。例えば高級住宅街があってもいい、日本の伝統文化の体験エリアがあってもいい、ゆとりとみどりのエリアがあってもいいじゃないかという具合です。心斎橋、御堂筋の西側のエリアは、ホテルが5棟あるので「もてなしのエリア」。東心斎橋は真ん中に小学校があるので、子どもも大人も感動できる芸術をテーマに、「芸術の町」というのもいい。たいそうにしなくても、例えば道路の色を全部グリーンや、大阪らしく全部金色にカラーコーディネートしていくとか、あるいは小学校の塀をきれいな色で塗って、そこに子どもたちが絵を描くとか。そういうレベルからスタートし、地元から出た芸術家たちが「小学校の門を私がデザインしてあげよう」とか、町角の公園にこういうものを置いてあげましょうといったアートの町があってもいいじゃないか、というような、各町ごとにテーマを持った町づくりを進めていこうということをやろうとしています。
●スタジオ
藤原:長堀は“おしゃれな大人の散歩道”を基本コンセプトに置いているそうです。
松本:道路を造るのは行政ですが、それをカラーコーディネートするのは面白いですね。
藤原:成松さんのお話で印象的だったのが、道は車が走るものだけではない、道路を使って“遊び”をしていくべきではないかとおっしゃっていました。そういう道路が実現されれば、歩くのが本当に楽しいですよね。
松本:遊び心っていうものが、道路をはじめとしたインフラを作るときには欠けていましたからね。
藤原:長堀、心斎橋そして船場などを、梅田や難波とまた違った個性を主張できる大阪のオンリーワンをめざせるようなエリアにしていきたいとおっしゃっていました。『長堀21世紀計画の会』の活動については、ホームページに詳しく載っておりますので、ご覧ください。
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お問い合わせ/
NPO法人『長堀21世紀計画の会』
TEL : 06-6241-0505
FAX : 06-6241-0555
http://www.nagahori21.com
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理事長
成松 孝さん |
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メンバーが集まり行われる
月2回の清掃活動
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御堂筋オープンフェスタ会場図
御堂筋の各所でイベントが行われました
※以下 御堂筋オープンフェスタイベント写真
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似顔絵コーナーでは、そっくりな仕上がりに 歓声が上がりました
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かわいいフェイスペインティングをしてもらって
イベントを楽しんでいる子どもたち
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親子で協力して、コーンペインティング
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多くの人たちが力を合わせて アートペインティングに挑戦
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普段は車道になっている場所に
設けられたオープンカフェ
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路上では、
楽しいパフォーマンスが行われました
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