藤原 「NPO法人南港ウェットランドグループ」というのは、どんなみなさんが集まって作られたグループですか。
石井さん(以下・石井:敬称略) 現在、会員は50名くらいで、日本野鳥の会大阪支部のメンバーや社団法人大阪自然環境保全協会、大学の研究者や南港野鳥園に興味があって来てくれる人たちが集まって作られたグループです。
藤原 特に注目して観察しているのは、どんな鳥ですか。
石井 大阪南港野鳥園というのは、干潟と湿地を再生して作ったものです。ですから、干潟に集まってくるシギやチドリなどを中心に観察しています。
藤原 干潟に集まってくる鳥の特徴を教えてください。
石井 まず、干潟にはアサリ、カニ、ゴカイなどいろんな生き物がいます。そして、それを捕まえようとするシギがいます。シギはくちばしも足も長いので、干潟のエサを取るのに有利なのです。また、くちばしも足も短くて、体も丸っこいチドリも観察できます。チドリは右に行ったり左に行ったり、すばしっこく動いて食べ物を捕らえる鳥です。
藤原 「NPO法人南港ウェットランドグループ」はいつごろから活動されているのですか。
石井 NPOとしては今年4月に設立したばかりなので、まだ新しいですが、野鳥園ができる前から活動しているメンバーもいます。
藤原 大阪南港野鳥園の変遷もご存知なのですね。
石井 野鳥園には池が3つあります。今は全部、海の水が出たり入ったりしています。海水の出入りがあるというのは、干潟ができているということです。私が野鳥園に通いはじめたころは、まだ海水池はひとつしかなかったのですが、年月を経て去年ようやく3つとも海水池になりました。どんどん干潟の部分が増え、シギやチドリ類もたくさん訪れるようになりました。
藤原 これからの季節はどんな鳥が観察できますか。
石井 冬は、カモ類が中心になります。カモ類は、冬の初めのころはとても多く観察ができるのですが、オオタカやハヤブサなどのカモを襲って食べる猛禽類(もうきんるい)がたくさんやって来るようになるので、怖がって次第に減っていきます。でも、その猛禽を見るのもまた楽しみです。また、公園では冬鳥のジョウビタキやツグミなどの小鳥たちも多く観察できますので、寒くても園内をゆっくり回ってみると、いろんな鳥に出会えます。
藤原 最後に、この大阪南港野鳥園にこだわっている理由を教えてください。
石井 大阪市の人たちは、干潟や湿地に触れ合える場所がありませんでした。そこで、1970年代、80年代に野鳥園をつくろうと活動していた人たちが、大阪市に「干潟を再生しよう」という提案をしました。行政側もそれに応えて、他の都市にはない先見的な目でつくられた野鳥園ができ上がりました。大阪湾岸は、コンクリート護岸が99%以上にのぼります。そのため、大阪南港野鳥園の湿地や干潟はとても重要だと思います。おかげで、シギ、チドリ類もたくさん飛来し、日本だけでなく世界に誇れる場所となりました。多くの方に野鳥園の湿地を実際に見ていただいて、誇りに思っていただけたらと思います
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お問い合わせ/「NPO法人南港ウェットランドグループ」
(大阪南港野鳥園へお問い合わせ下さい)
TEL:06-6613-5556
http://www.osakaport.mado.or.jp
<野鳥園データ>
南港ポートタウン線トレードセンター前駅から徒歩13分
開園時間:午前9時〜午後5時
休園日:毎週水曜日(祝祭日の場合は開園)・12/28〜1/4
入場:無料
●中ふ頭駅には、無料で使える貸し自転車もあります。
●土・日・祝日の午前10時から午後4時台には、コスモススクエア駅〜なにわ海の時空館〜南港野鳥園間を100円で乗降できるバスが運行されています。
どうぞみなさん一度お出かけください。
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理事
石井 正春さん |
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本日は、南港野鳥公園に
やってきました!
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シギやチドリ以外にも、
多くの鳥たちが生活しています
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堤防のすぐ向こうは大阪湾
この海水が出入りする
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望遠鏡の中からは、
鳥たちのリアルな生活が見えて
感動でした
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石井さんは、来場した子どもたちに
楽しいレクチャーもしてくれます
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