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毎回、大阪を拠点に活動しているNPO法人やNGO、ボランティア団体、そして大阪のいろいろな地域で活躍している方やその地域の活動内容を通して、大阪の「ひと」や「まち」の魅力を発見していきます。
たくさんの人に知って欲しい大阪を魅力いっぱい、情報満載でご紹介していきますので、みなさんご期待ください。

2005年10月8日(土)放送

今回は、番組の公式ホームページへメールをしてくださいました国立文楽劇場でボランティア活動をされています『文楽応援団』の皆さんです。文楽は、大阪で生まれた日本を代表する伝統芸能。2003年には、ユネスコの世界無形遺産にも指定され、日本が世界に誇れる伝統芸能ともいえるものです。「文楽は難しいと思っていても、実はちょっとしたことを知っておくだけで、分かりやすくなる」という、文楽発展のお手伝いをしているのがこの『文楽応援団』。代表の安藤ひろ子さんと木田信生子さんにお話をお伺いします。

収録写真メイン


藤原 まず、安藤さん、文楽応援団の活動について、どんなことをしているのか教えてください。

安藤さん(以下:安藤・敬称略) 国立文楽劇場では、文楽の公演が、正月1月と4月、夏の7、8月に1回と11月の年に4回、3週間ずつ行なっています。その期間中に、劇場の1階にある展示室で、文楽についていろんなお話を観劇に来たお客さんに説明しています。例えば、文楽の公演のあらすじとか、関係の展示品。人形とか見台(けんだい)とかいろんなものの展示品の使い方などを説明しています。あと、その公演の見どころとか、面白そうなワンポイントアドバイスなどもさせていただいています。それと、文楽劇場の外にもポスターを持っていったり、チラシを持っていったりして、「ここに貼っていただけませんか?」とお願いしています。そういうことの活動を70名ぐらいでやっています。

藤原 文楽応援団は、いつごろ、どんな経緯で、できていったんですか?

安藤 文楽が好きな人の集まりである「文楽友の会」というのが劇場にあり、私もそこに入っていました。しかし2000年の末ごろに、文楽はお客さんがなかなか集まらなくなってきて、このまま注目されなくなるっていう危機感が劇場にもでてきたので、劇場の呼びかけとお客さんである私たち友の会を中心にして、多くの方たちにもっと文楽の公演に来てもらえるようなことをしようと思って結成され、2001年の4月1日から「文楽応援団」という形で取り組みが始まりました。

藤原 安藤さんご自身は、文楽を見始めて、やっぱり長いんですか。

安藤 いえ、応援団に入ってから、「みんなに説明ができなければいけない」と思って一生懸命勉強し始めたので、5年ぐらいです。

藤原 文楽って見ても分からないというか、なかなかとっつきにくいなと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、どういう風にしたら楽しめると思いますか。

安藤 私は、最初、人形が綺麗だなと思ってずっと見てたんですけど、やっぱり人形の動き、3人でひとつの人形を動かす。そうすると、ひとつの動きを3人で動かしているということに驚きますよね。そうして人形を見ていると、その人形がおしゃべりしている大阪弁、浄瑠璃で語っているのが耳に入ってくると思うんですよ。その浄瑠璃が語っているのを聞いていると、三味線の音も耳に入ってくると思うんです。一回で分かろうと思わないでください。私たちもそうなんですけど、やっぱり「綺麗だな」、「あっ、いいな」と思いだけで見ていただくと、何も考えなくていいと思うんですけど。

●スタジオにて

藤原 私がお話をお伺いした場所は「展示室」でした。ここは、300年の文楽の歴史や人形浄瑠璃の歴史などが書かれていたり、人形がどのようにできているかなどを細かく本物の人形を展示したりしていました。実際にすごく鮮やかな本物の衣装も展示されていたりします。その中には、触ったりできるようなものもあるんです。本当に面白くて、なかなか雰囲気のいいところなんですけど、そこでボランティアとして、実際にいろんな舞台を見るまでに、どういうところを見てたら面白いよ、ということをアドバイスしてくださるということなんです。「その面白さ、文楽の見所は、どんなところでしょうか?」とお伺いしますと、大阪の町を舞台にしているものが多いので、近松門左衛門にしても、大阪が背景になっているものが多いですから、みなさんきっと身近に感じられるものが出てくると思うんです。

例えば、曽根崎心中を見たら、そのストーリーに出てきた鐘が鳴るシーンがあります。それを曽根崎を歩いている時に、「ああ、ここ通ったんやろか、ここで鐘が鳴っていたんかな」っていう風に思ったら、なんかまたもう一回見たくなったりとかします。あと、平野町だとか、道修町だとか、知っているような大阪の地名がそのまま残っていますし、またしゃべりも大阪弁なので、そんなところも面白いなという風におっしゃってました。

松本 僕は、学生の頃、課外活動みたいな感じで、見に行かされたこともありましたし、この間、実は四天王寺で文楽と中国・古箏。昔からの中国の琴なんですが、これのコラボレーション。中国古箏がバックに流れていて、それに合わせて、文楽、人形浄瑠璃をやるというイベントの司会をやったんです。

藤原 そういう外国とのコラボレーションも、また文楽が海外で行なわれるということもあるようで、文楽応援団の方の中には、海外まで追いかけていって、「勉強したいな、見たいな」っていう方もおられるみたいです。

松本 外国の文化と合わないように見えるんですけど、これがものすごい雰囲気あるんですよ。四天王寺でやった時は、夜やったんですけど、古箏の調べとものすごく幽玄な感じがして、まったく違った趣を感じますよ。奥深くて、面白いですよ。

藤原 続いて、今度は、木田さんにお聞きしています。



藤原 木田さんにもお伺いしたいんですが、木田さんは、いつごろから文楽のファンなのですか?

木田さん(以下:木田・敬称略)私は身内に文楽の関係の仕事をしている者がおりまして、30数年前から見ることは見てるんですけど、あまり詳しくは見ていなかったんです。

藤原 でもここ数年はもちろん詳しく?きっかけは何だったんですか。

木田 インターネットをするようになって、その中で、ホームページで文楽の関係のことを開いておられる方がいらっしゃって、そこに友達を見つけて交流して、そこで文楽の面白さが分かったんです。以外かも知れませんが、文楽のファンというのは、割と孤独なんです。文楽は一人で見に行かれる方が多いようで、観たものを語り合う仲間も少なく、その結果ネットの中で交流しまして、奥の深さが分かってきたんです。

藤原 木田さんにとって、大阪人の立場からの文楽に対する思いをお聞かせいただけますか。

木田 先日も東京の文楽を公演してますので、行ってきたんですけど、東京の文楽公演はいつも満席です。公演が2週間で、大阪よりも1週間少なく、キャパも少ないせいもあるんですけど。しかし、大阪の公演はいつも空席が目立つんです。それで世界遺産になった大阪が誇る文楽が、こんなに見る人が少なくていいのかいうことが、一番の疑問になりまして、できるだけ多くの人に文楽を知っていただきたいのが私の希望です。大阪の意地です!

●スタジオにて

藤原 そんな大阪が世界に誇る文楽。近々の公演なんですが、「本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)」というのが、11月5日(土)から27日(日)まで行なわれます。武田、北条など、戦国大名の勢力争いを題材にした時代ものの作品です。戦国時代を代表する山本勘助の登場が浄瑠璃の壮大なスケールに乗って展開されるというものです。長尾家の姫の悲しくも激しい恋心を写す十種香(じゅっしゅこう)など、見所が多い、人気演目なんです。で、これすごく面白いんですけど、複雑怪奇な構成であるために、今までは、通し上演されることがなかなかない作品だったんです。でも、この国立文楽劇場がなんと通算100回目を迎えるというすごく嬉しい年でもあるということですから、この度11月5日(土)から27(日)まで行なわれるということなんですね。「本朝廿四孝」、ぜひ、興味のある方は、行っていただきたいと思います。

予備知識がなくても、大丈夫。一つの人形を3人で動かすとか、あと下駄を履かせて、みなさん同じような身長にするとか、いろいろとあるみたいですので、ぜひ、お出かけください。面白いと思いますよ。

『文楽応援団』の活動に興味がある方は、国立文楽劇場の事業推進課へお問い合わせください。

出演者写真 『文楽応援団』
代表
安藤 ひろ子さん

出演者写真 『文楽応援団』
木田 信生子さん

本日の取材は、国立文楽劇場です

取材写真
文楽の歩みについて解説中

取材写真
実際に浄瑠璃人形を動かして、仕掛けを体感してもらう

取材写真
舞台上で履く、下駄を手に取ってよりリアルに解説

取材写真
バチ先ひとつで、登場人物の心情や性格、その場の情景を表現する三味線

取材写真
ひとりで、登場人物の心情や事件を語り分ける大夫の台本は、な手書きの墨文字

取材写真
文楽に親しんでもらうために、初心者向けの冊子もある

取材写真
平成17年11月5日(土)〜27日(日)までおこなわれる、通し狂言「本朝廿四考(ほんちょうにじゅうしこう)」。字幕表示もあるので、初心者の方でも充分楽しめます。
お問い合わせは/国立文楽劇場の事業推進課
TEL 06-6212−5542


  ● 取材を終えて、感じたこと
文楽って、大阪弁なんですか!?へぇ〜字幕も出るんですか・・・!?
見どころポイントなどを聞いておくと、文楽初心者の方も十分楽しめると思いますし、床本(舞台で使用する本)や三味線などに実際に触れたりと、貴重な体験も出来ます。
人形の顔の表情を動かす糸は、三味線の糸をリサイクルしているのだとか☆さすが大阪が誇る伝統芸能!無駄を作らないところは見習うべき先人の知恵ですよね。
そんな魅力的なお話を聞きたい方は是非、国立文楽劇場1階展示室へ!公演期間中は文楽応援団の皆さんが、交代でいらっしゃいますよ♪
藤原さん写真

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