ホームページでは、大阪が大好きな私、藤原宏美がNPO法人やNGOなどの団体をご紹介していきます。今回は本来の活気ある大阪の再生を目指した様々な活動について、「NPO法人 天神天満町街(まちがい)トラスト」代表理事であり、日本の観光カリスマ百選に認定されている土居年樹さんにお話をお聞きします。
天神天満町街(まちがい)トラストというお名前、すごくユニークですね。
「もう10数年前に設立したんですが、世の中いっぱい間違いが多い。昔やと考えられへんような、いろんな犯罪があるじゃないですか。それは人が住んでる“町”自体があかんのかもしれんということでそう名づけました。まあ、大阪人の洒落です。今は「“町がいい”トラスト」というふうに読んでほしいんやけどね」
Q,なるほど。天神天満町街トラストの活動は、どういったことをされているんですか?
「もちろん天神橋筋商店街を活性化させることが大事なんやけども、今、商店街はどこもほとんど駄目でしょ。繁栄型は2%ぐらい。活性化させるには商店街という筋だけを良くしてもあかん。やっぱり周りも良くしないといけない。周りが良くなってこそ、筋が生きてくる。そんな考えから周りを良くする運動を一生懸命やりつつ、商店街の中の事は商店街の人達で頑張っていこうという活動をしてますね」
Q, 周りを良くしていく活動とは、具体的にどういったことをしているのですか?
「たくさんの陳情活動をしています。例えばJR東西線で大阪天満宮駅という名前が出来たのも我々の運動の一つ。それから、キッズパークができたり、帝国ホテルができたり、そういうハード面を整える運動をしています。ソフト面の活動は、いっぱいアイデアを考えて、みんながどうしたら、天神橋筋商店街に来て、楽しんでもらえて、感動してくれるかという、そんなことを考えてやっています」
Q,ソフト面の活動とは、どんなことをされているのですか?
最近では「天神橋筋街道芸ライブ祭」っていうのを7月7日、七夕さんにやりました。
イベント内容はいろいろ変わりますが毎月開催しています。協力店の前やフリースペースがありますので、その場所でいろんなおもろいことをするんですね。今回なら玉すだれとかジャグラー、どじょうすくいもあったり、いつも何が飛び出すか分からない面白さがあります。それと、やってきて一番良かったなというのは、中学生の修学旅行生を呼んできて、ここで「一日丁稚体験」というのをしてもらっていることです」
Q、一日丁稚体験?どんなことするんですか?
「まず大阪弁を教えます。例えば「おおきに」という言葉は、「ありがとう」とは違うでと。“大いにありがとう”。“大いに”が“おおきに”になったいう話をするんです。大阪弁というのは商売用語を中心にしてるから、やっぱり人の心を傷つけないような、そういうしゃべり方になってることを教えます。それから物を売ったり、お好み焼きを焼いたり、自分らのふるさとの物産を持ってきてもらって、ここで売ったり、そんなことをさしてるんです」
Q,以前よりずいぶん活気が戻った天神橋筋商店街ですが、新しい寄席の『繁盛亭』が出来るということで話題になっていますね。土居さんも深く関っておられるのですか?
「そうです。1年前、桂三枝さんとの出会いがありました。三枝さんは上方落語協会の会長さんやから、噺家として、なんか商店街に貢献できることはないかな・・・そんな話から寄席をつくりたいということになったんですね。その話を天満宮の宮司さんにしたら、「なら、うちの土地を貸したろ」ということになったんです。それから1年間、研究に研究を重ねて、募金運動をして、今年8,9月には着工にこぎつけられるとこまで来ました。昔はこの(天神天満)あたりは寄席とかがたくさんあったんです。“もういっぺんここに芸能文化を取り戻す”これは私の夢やったんで、嬉しいことですね」
Q, では、最後にお聞きします。土居さんにとって、大阪の一番良いところはなんでしょうか?
「失ったらいかんのは大阪人の人間的な良さ。これは本当に大事にしていかなあかん。ただ商店街は商売だけというんじゃなくて、自分も消費者という気持ちをもってお客さんを見ていく。そして商店街の存在感というのを、もっと大事にしたらええねんね。で、この街が好きや。好きやからみんなに見てもらおう!みんなに楽しんでもらおう!そういう思いを持つ町商人がちゃんと育つことが大切やね。それを私は望みにしています」
「NPO法人 天神天満町街トラスト」の活動に興味のある方は、『天三おかげ館』まで、お電話でお問い合わせください。
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「NPO法人 天神天満町街(まちがい)トラスト」
代表理事
土居年樹さん |
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日本一長い天神橋筋商店街 |
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七夕祭り おり姫とひこぼしかな?
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天満天神街道芸の1コマ |
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