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ホームページでは、生粋の大阪人、ラジオ大阪アナウンサー松本恵治が、毎回、大阪のいろいろな地域で活躍している方やその地域をご紹介します。
2007年2月17日(土)放送 放送を聴く
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  『日本民謡 隆勢会』

今回は、港区を拠点に活動している『日本民謡 隆勢(りゅうせい)会』会主の田所隆子(たどころ たかこ)さんにお話を伺います。田所さんは、2006年の『第41回産経民謡大賞』で、大賞に輝いた方です。民謡コンクールの中でも、最も長い歴史、権威を持つ、草分け的な賞です。そんなすごい方が、小さな子どもたちに歌や三味線を教えていらっしゃることには、深い理由と信念があるようです。

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松本:何歳ぐらいの子どもたちを教えていらっしゃるのですか?
田所:今は、幼稚園年少組の3歳児から、年長組の5歳児、小学校は1年生から5年生まで、高校生も教えております。

松本:それは、高校生になってもまだやりたい、教えてほしいという子どもたちなのですね?
田所:そうです。

松本:田所さんは、日々、民謡に携わっていますが、子どもたちに教えることになった理由は何ですか?
田所:子どもたちに三味線や太鼓などの和楽器を教えて、それを継承していってほしいと、前々から思っておりました。私の子どもが通っておりました港区にある幼稚園の理事長さんに、その気持ちをお話したところ、課外授業の機会を与えてくださいました。それがきっかけです。その時はうれしかったですね。

松本:最初に希望した子どもは何人でしたか?
田所:3人からのスタートでした。

松本:まず何から教えたのですか?
田所:一応、決め事をして、毎週水曜日に園の中で『ちびっこ民謡教室』として始めました。まずはお歌から指導しました。ただ、長時間の単調な稽古では物足りなくて、小さな子ども用の小さな太鼓を叩かせたり、鳴子を持って踊ったり、それから私の三味線を直に聞かせてみるといったことをしました。

松本:子どもたちは、鳴子も三味線も見る機会はないでしょうし、太鼓と言っても、ブラスバンドの太鼓ではなくて和太鼓ですから、初めはびっくりするでしょうね?音の響きも違いますしね。
田所:子どもたちはじーっと聞いていますね。また段々、私の弾いている三味線に興味を持ち始めて、「私もやってみたい」と言う子どもたちが出てくるようになりました。

松本:田所さんの三味線では、子どもたちには大きいですよね。子ども用の三味線というものはあるのですか?
田所:私は地唄用の三味線を使っているのですが、高い音が出る“短ざお”という三味線があります。地唄用の三味線は幼稚園の子にはちょっと大きいので、その“短ざお”を使ってもらっています。

松本:それなら、子どもでもなんとか使いこなせるのですか?
田所:ええ。一番左に押さえるつぼがありまして、そこに指が届いて押さえることができればOKです。

松本:子どもたちも、自分で三味線を触れるとは思っていなかったでしょうね。また、「こんな音もあるのか」といった新しい発見もあるでしょうね。
田所:そうですね。

松本:三味線を演奏するからには楽譜が必要だと思いますが、子どもたちには難しくないのですか?
田所:もちろん初めは、手ほどき程度の簡単な楽譜からスタートしています。難しい曲は、私が簡単な楽譜に書き換えています。

松本:そうすると、やっぱり小さい子どもでもできるわけですね。
田所:ええ。でも、やっぱり民謡の曲には、独特の間(ま)やリズムがあるので、小学校1、2年生では難しいです。子どもたちが今、知っているような童謡や沖縄民謡など、そういうものを手づくりの楽譜で教えております。

松本:なるほど。民謡の伸ばすところとか、こぶしをきかすようなところは、何回も何回も聞いて、体で覚えるものなのでしょうね。いきなりは分からないですね。
田所:そうなんです。童謡は本当に分かりやすくて、それを三味線の楽譜に直してやっております。

会主
田所隆子さん


三味線の練習風景 みんな真剣!

日輪学園の運動会では、
盆踊りの演奏を担当

和太鼓、木琴などの楽器とも共演

毎年開催されている
『隆勢会みんよう発表会』
(港区民センター)

日輪学園の学芸会にて(幕間に演奏)



松本:いろいろと工夫されているのですね。最近は、吉田兄弟などで津軽三味線がブームになっていますが、ああいうものをしてみたいという子どもはいないのですか?
田所:もちろん、そういう流れはありますね。

松本:やっぱり子どもにとっては、かっこいい!と思うでしょうね。
田所:津軽三味線はかっこいいですね。津軽民謡独特の速いリズムで、とても魅力がありますね。私が教えているのは『西もの』という“お座敷歌”とか、“大漁節”など、非常に幅広いジャンルの民謡を教えております。

松本:津軽民謡のテンポとはちょっと違うわけですね。
田所:似たような感じですが、違います。津軽民謡のようなアップテンポの曲も取り入れて教えております。

松本:子どもたちは、三味線のどこが一番楽しいと言っていますか?
田所:それが、私も意外でしたが、舞台に立てること、マイクの前で歌えることが一番楽しいと言っているんです。

藤原:見てもらいたいのですね。
田所:いつもご褒美にお菓子をあげるのですが、「お菓子よりマイク」という感じですよ。舞台に立った人が感じる、あの緊張感と、その中で歌い切った後にいただける、みなさんのたくさんの拍手、家族から褒めてもらえること、そういったことがうれしいのではないでしょうか。

松本:うわー。それは武器になりますね。上達したいという気持ちにもつながりますから。
田所:そうですね。

松本:実際に舞台に上がるチャンスはあるのですか?
田所:『隆勢会』としては、年に2回、発表会とおさらえ会を開催しています。今年は4月15日に発表会を港区民センターで、おさらえ会は11月に、『オーク200』7階の弁天町市民学習センターで行っております。

松本:その時には見学させていただきたいですね。
田所:ぜひ、聞きに来てください。

松本:恒例のステージは年に2回ですが、その他の舞台にも出ているのですね?
田所:そうです。『隆勢会』のちびっこたちは、高槻市で行われる『淀川三十石船(さんじゅっこくぶね)舟唄』や、滋賀県の堅田で行われている『淡海節(たんかいぶし)』の全国大会に、毎年チャレンジしています。

松本:何か成績を残しているのですか?
田所:小学校5年生の子どもが、『淡海節』では3位、『淀川三十石船舟唄』でも入賞と、好成績をおさめています。

松本:田所さんご自身の民謡も、頑張っていただきたいと思います。
田所:はい。民謡が大好きです。

松本:子どもたちにも、優勝という目標もあるようですし、ぜひ、これからも頑張ってください。
田所:はい、分かりました。

松本・藤原:今日はどうもありがとうございました。
田所:こちらこそ、どうも本当にありがとうございました。


<お問い合わせ>
『日本民謡 隆勢会』
TEL 090-8539-9618
http://www16.ocn.ne.jp/~ryuusei/


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