今回は、生野手話サークル『レインボー』をご紹介します。2週間前にも、東成区の手話サークル『年輪』をご紹介しました。手話を勉強しているみなさんが増えていることは、素晴らしいことですね。日本では4月に公開される『バベル』という映画で、菊地凛子(きくち りんこ)さんがアカデミー賞の助演女優賞にノミネートされていますが、彼女は聴覚障害者の役を演じていて、役所広司(やくしょ こうじ)さんと手話でコミュニケーションするシーンもあるようです。いろいろなところで、ろうの方や手話への関心が高まっていくといいですね。生野手話サークル『レインボー』会長の西田美枝(にしだ みえ)さんにお話を伺います。
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松本:どんなみなさんの集まりなのですか?
西田:大阪市の委託を受けている生野区聴言障害者協会がありますが、そこが毎年開催している『大阪市手話奉仕員養成講座 入門〜基礎コース』を修了した人が集まっております。
松本:講習はどれぐらいのペースでやっていたのですか?
西田:週に1度、2時間程やっています。
松本:どれぐらいの期間勉強されたのですか?
西田:まず入門コースが半年間あります。それを終えて、希望すれば、あと半年間の基礎コースに進めるようになっています。
松本:西田さんが講習を受けられたのは、いつ頃ですか?
西田:平成8年です。
松本:きっかけは何ですか?
西田:私には息子が2人おりますが、その息子が大きくなって子育てに一段落したというか、子どもに必要とされなくなってしまいまして(笑)。子どもにばっかり「勉強せえ、勉強せえ」と言っていないで、私も何か勉強してみようかなと思ったことがきっかけですね。
松本:それで手話を選ばれたのですか?
西田:手話は道具もいらないし、私の体一つあれば始められます。それと、手話ロックバンド『シャンテ』の手話ボーカル、山本智子(やまもと ともこ)さんの手話の流れがものすごく美しく素晴らしくて、憧れてやってみました。
松本:実際に習ってこられて、その『シャンテ』の手話ボーカルの方のようにできましたか?
西田:いえ。とてもじゃないですけど、難しいですね(笑)。
松本:その後、手話に入っていったのには、理由がありますか?
西田:私は割としつこいというか、しぶとい性格なので(笑)、一度始めたことを辞めるのは具合が悪いかなということと、続けるということに意義があるのではないかと思って、今まで続けております。
松本:“継続こそ力なり”と言いますね。
西田:力になっているかどうかは、分からないですけどね。
松本:1年勉強したら、どれくらいできるようになるのですか?
西田:あいさつや日常会話ぐらいはできるようにはなります。私は45歳で始めたので、もう少し若い人たちに比べたら、ついていくスピードが遅くて、最初は落ちこぼれでした。
松本:ろうの方の手話は、いろいろ特徴があるそうですね。
西田:基本的には同じですが、癖もあり、一人一人違います。普通の言葉でも全国各地に方言があるように、その土地によって違うのですね。完璧に話すのはなかなか難しいです。
松本:なるほど。それをいろいろ表現していくというのは大変でしょう。
西田:そうですね。でも「気持ちがあれば、あんたの表情で分かる」と、ろうの方々は言ってくださいます。
松本:そういう信頼感があるというのは、うれしいことですね。
西田:それが一番ですね。
松本:生野手話サークル『レインボー』は、どんな活動をしているのですか?
西田:手話の定例学習会を、毎週水曜日、区民センターを借りてやっています。
松本:どういう勉強をしているのですか?
西田:ろうの講師の方に来ていただいて、いろいろとテーマを決めて、手話で表現するといったことなど、さまざまです。
松本:勉強会だけ、されているのですか?
西田:水曜日が5回ある月は、その5週目に『茶和(さわ)会』を行っているんです。ろうの方やいろいろな人をお招きして、おしゃべりします。
松本:ちょっとした交流会ですね。
西田:そうですね。お茶などもご用意して。
藤原:いつもの勉強会より気楽な感じですか?
西田:はい。ゲームもします。今年の1月31日は5週目の水曜日で、特別にちらし寿司と具だくさんみそ汁で『新年茶和会』を開きました。例年はおでんを作っていましたが。
松本:盛り上がるでしょうね。普段とは違う新年の茶和会ですから。他に、水曜日以外の活動は、あるのですか?
西田:行事として、春はお花見、夏はビアガーデン、それから秋は味覚狩りとかハイキング、冬のクリスマスというふうに、遊びにも行きます。他に、ろうの方が大阪府下全域から集まる文化祭が毎年1回あります。『レインボー』は、うどんの模擬店を出店してます。去年は400食くらい売りましたね。結構人気があるんですよ。
松本:そういった売り上げ金は、どうされているのですか?
西田:ろう重複障害者をご存じですか?ヘレンケラーさんのようにろうの他にも障害のある方のことで、そういう人たちの働く場所がないので、働ける場所を作るということが、今、活動の主になっています。売り上げ金は、2007年の4月に港区港晴(こうせい)に開所する『あいらぶ工房』の建設資金として回しています。ここ何年かは、頑張ってそちらへ寄付させてもらっています。
松本:活動にも具体的な、目標、目的があると、やりがいがありますね。
西田:苦労もまだまだ多いのですが、4月に開所なので期待が大きいです。
松本:最後になりましたが、生野区の良さ、生野区の自慢を教えてください。
西田:良く言えば“家庭的でやさしい”というところでしょうか。別の言い方をすれば、“おせっかい”かも知れません。
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会長
西田美枝さん
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お花見での記念撮影
京阪・八幡駅にて
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『いくの福祉まつり』のステージでは
手話歌と手話ダンスを披露!
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『いくの福祉まつり』のバザー風景
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毎年多くの人で賑わいます
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『ろうあ者文化祭』にて
うどんの模擬店『れいんぼ〜亭』
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行列のできる店!?『れいんぼ〜亭』
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『生野区紫陽花まつり』では
ステージ上で手話通訳を!
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ろうの方にも過ごしやすい町を
めざします!
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『レインボー』の手話通訳が大活躍!
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