松本:今、何人ぐらい参加されているのですか?
二曽:30人弱です。
松本:具体的にはどんなことをされているのですか?
二曽:『おもいっきり!おおさか』で藤原さんにも見てもらったような綿繰り、糸紡ぎ、織りなどの実習・体験学習を、いろいろな所で行っています。
藤原:実際に触らせてもらうと、「ああ、こういうふうに作るのか」ということが、よく分かりますよね。
松本:糸を紡ぐところの体験も、できるわけですね?
二曽:もちろん、綿の実から種を取った後は、その綿で糸を作るということをしています。
松本:糸車か何かを使うのですか?
二曽:そうですね。
松本:糸車というのは、今もたくさんあるのですか?
二曽:江戸時代に竹や木で作られた糸車の再生品というか、復元したものが市販されていますので、今のところはそれを使ってやっています。昔から残っている現物を使うとつぶれてしまうので、それは保存、展示用に残してあります。
松本:なるほど。保存用と、今の作業用とは分けているのですね。糸を紡いだ後は、どんな体験ができるのですか?
二曽:織り機で織りの実習もします。
松本:簡単にできるものなんですか?
二曽:織っている作業自体は簡単なのですが、織り機を使うということになれば、準備段階がものすごくしんどいんです。子どもたちは、簡単なところで実習して、こうやったら織り物ができる、すなわち布地、反物ができるというのを、さわりだけ体験してもらっています。
松本:綿の花から種ができて、種がはじけてモヨモヨが出てきて、それから反物ができるという過程を一部始終体験できるというのは、子どもたちにとっては驚きだと思いますね。
藤原:流れがすごく不思議ですからね。
松本:ちょっとしたものでも「ああ、こうやってできるのか」というありがたさも分かります。これは、なかなかいい体験だと思いますね。そうした体験学習に使う綿の花は、どこで手に入れるのですか?
二曽:平野区が普及啓発用に持っている畑で栽培しています。大体2ヵ所の畑で採っています。
松本:いろいろなところから要請が来るのではないですか?
二曽:多いですね。日曜日が毎週つぶれるということもあります。
松本:それだけ最近は、なかなかそういうものを見たり、体験したりできないという裏返しかもしれませんね。
二曽:そうですね。大変喜んでいただけています。
松本:綿の花や河内木綿の一番の良さは、どんなところでしょうか?
二曽:河内木綿は他の産地の木綿に比べて、糸自体が太いんです。布団地とか野良着、作業着に使われることが中心だったようなので、良さといえば、そのごつごつ感でしょうかね。“洗練されていない美しさ”とみんな言ってます。
松本:そういう良さをちゃんと残して、外来種に負けてほしくないですね。大阪のいいものって、野菜でもそうですが、他にどんどん負けていくのは悔しいですからね。
二曽:最近、在来のものが脚光を浴び出していますから、このまま綿に関しても続けていきたいですね。
松本:これからも頑張っていただきたいと思います。
松本・藤原:今日はどうもありがとうございました。
二曽:ありがとうございました。
藤原:『平野区わたの会』に関するお問い合わせなどは、平野区コミュニティ協会までお願いします。
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