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ホームページでは、生粋の大阪人、ラジオ大阪アナウンサー松本恵治が、毎回、大阪のいろいろな地域で活躍している方やその地域をご紹介します。
2007年1月13日(土)放送 放送を聴く
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  『平野区わたの会』

今回は、『平野区わたの会』の活動をご紹介します。2006年10月9日に開催された『おもいっきり!おおさか』に参加されていて、この番組でもご紹介しました。綿の花というのは、実は平野区の花です。ただ、綿の花といっても、実際にどんなものか、意外と知られていないようです。『平野区わたの会』の二曽正(にそ ただし)さんに、お話を伺います。

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松本:綿の花とは、どんな花なのですか?
二曽:黄色の花で、中がちょっと褐色というか、芯の辺りに茶色が混じっています。

松本:ふわふわっとした綿を見ますが、あれは花ではないのですね?
二曽:あれは、その後できる実の部分ですね。

松本:実というと、もう少し硬いイメージがあるので、あのふわふわ感からは、実という感じがしないですね。
二曽:最初の状態は硬いのですが、それがパチっとはじけて、中の綿が飛び出して、その綿に種が入っているという形になります。

松本:では、実際私たちは、その硬い実をほとんど見たことがないわけですね。綿というと、“河内木綿”というくらいですから、河内が有名ですが、平野区や河内と綿というのは、すごく歴史があるそうですね?
二曽:そうですね。江戸時代に、大和川の付け替えがあった時以来です。

松本:付け替えというのは、大和川の流れが、昔は違ったのですね。
二曽:そうです。河内平野を北に上って今の淀川のほうに流れたり、市内を通ったり、いろいろなところで細く流れていたのですが、水害が多かったので、時の庄屋さんなどが、今の大和川のように、直接大阪湾のほうに流してしまおうということを考えて、今の形になったんです。

松本:江戸時代ということは、300年ぐらい前ですね。綿が、その大和川の付け替えの産物ということになるのですか?
二曽:そうです。付け替えて干上がった川筋の土地を農地にしようとしたのですが、川砂だったのでお米ができなくて、行き着いたのが綿栽培だったんです。

松本:なるほど。思惑とはちょっと違ったけれど、それで綿ができたということですね。平野でも綿は栽培されてきたのですか?
二曽:資料によれば、明治の最初に、耕地面積の半分ぐらいは綿栽培をしている、という届け出があったようです。

松本:ところで、『平野区わたの会』というのは、いつ、どのようにしてできたのですか?
二曽:昭和61年くらいにできているようです。コミュニティ協会設立10周年記念で、区の花の区民公募があって、綿の花が選ばれたようです。

松本:平野区にとっては、やっぱり歴史的に大事な花ですからね。
二曽:そうですね。その時に、わたの会の元々の会長が体験コーナーに参加して、綿繰りや糸紡ぎの技術を覚えて、地元の小学校で出前授業などをやり始めたのが、きっかけです。

松本:地道に、そういった活動を広げていかれたのですか?
二曽:そうです。そうしているうちに区のほうから、もう少し組織的にやってくれないかという話がきて、平成11年4月に『わたの会』という会が発足しています。

松本:正式に言うと、その年に発足と考えたらいいわけですね。
二曽:はい。そこで会員を募集して、たくさんの会員でいろいろな学校を回ろうということになりました。

二曽 正さん

平野区の花 河内綿

綿繰り体験

糸紡ぎ体験

興味津々の子どもたち



松本:今、何人ぐらい参加されているのですか?
二曽:30人弱です。

松本:具体的にはどんなことをされているのですか?
二曽:『おもいっきり!おおさか』で藤原さんにも見てもらったような綿繰り、糸紡ぎ、織りなどの実習・体験学習を、いろいろな所で行っています。

藤原:実際に触らせてもらうと、「ああ、こういうふうに作るのか」ということが、よく分かりますよね。

松本:糸を紡ぐところの体験も、できるわけですね?
二曽:もちろん、綿の実から種を取った後は、その綿で糸を作るということをしています。

松本:糸車か何かを使うのですか?
二曽:そうですね。

松本:糸車というのは、今もたくさんあるのですか?
二曽:江戸時代に竹や木で作られた糸車の再生品というか、復元したものが市販されていますので、今のところはそれを使ってやっています。昔から残っている現物を使うとつぶれてしまうので、それは保存、展示用に残してあります。

松本:なるほど。保存用と、今の作業用とは分けているのですね。糸を紡いだ後は、どんな体験ができるのですか?
二曽:織り機で織りの実習もします。

松本:簡単にできるものなんですか?
二曽:織っている作業自体は簡単なのですが、織り機を使うということになれば、準備段階がものすごくしんどいんです。子どもたちは、簡単なところで実習して、こうやったら織り物ができる、すなわち布地、反物ができるというのを、さわりだけ体験してもらっています。

松本:綿の花から種ができて、種がはじけてモヨモヨが出てきて、それから反物ができるという過程を一部始終体験できるというのは、子どもたちにとっては驚きだと思いますね。

藤原:流れがすごく不思議ですからね。

松本:ちょっとしたものでも「ああ、こうやってできるのか」というありがたさも分かります。これは、なかなかいい体験だと思いますね。そうした体験学習に使う綿の花は、どこで手に入れるのですか?
二曽:平野区が普及啓発用に持っている畑で栽培しています。大体2ヵ所の畑で採っています。

松本:いろいろなところから要請が来るのではないですか?
二曽:多いですね。日曜日が毎週つぶれるということもあります。

松本:それだけ最近は、なかなかそういうものを見たり、体験したりできないという裏返しかもしれませんね。
二曽:そうですね。大変喜んでいただけています。

松本:綿の花や河内木綿の一番の良さは、どんなところでしょうか?
二曽:河内木綿は他の産地の木綿に比べて、糸自体が太いんです。布団地とか野良着、作業着に使われることが中心だったようなので、良さといえば、そのごつごつ感でしょうかね。“洗練されていない美しさ”とみんな言ってます。

松本:そういう良さをちゃんと残して、外来種に負けてほしくないですね。大阪のいいものって、野菜でもそうですが、他にどんどん負けていくのは悔しいですからね。
二曽:最近、在来のものが脚光を浴び出していますから、このまま綿に関しても続けていきたいですね。

松本:これからも頑張っていただきたいと思います。

松本・藤原:今日はどうもありがとうございました。
二曽:ありがとうございました。

藤原:『平野区わたの会』に関するお問い合わせなどは、平野区コミュニティ協会までお願いします。



<お問い合わせ>
平野区コミュニティ協会
TEL 06-6704-1200

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