松本:確かに深く彫ったり、広く彫ったり、いろいろなタイプが必要ですものね。 鎌田:はい。 松本:どれぐらいのペースで活動されているのですか? 鎌田:月2回、お稽古日がありまして、木曜日の昼から夕方にかけてやっています。 松本:その時は、コツコツ、コツコツやってはるんですか? 鎌田:いえ。ずっとしていると、しんどくなってきますから、午後3時頃になったら、ちょっとお茶しようという感じでコーヒーを入れてお喋りして、息抜きしたりします。削りながらでも喋っていますが、一休みという感じで息抜きしたほうが、その後がはかどりますね。 松本:でき上がったら、自分の作品ですから、やっぱりうれしいでしょうね。 鎌田:愛着はありますね。 松本:人の作品を見て、講評はしないんですか? 鎌田:「うまいこと彫れてるやん」といった感じで、お互いに話します。 松本:削った後は、何かを塗るのですか? 鎌田:砥(と)の粉というものがあって、それを水で薄めて、色を混ぜて木地に擦り込みます。濡れている間にしっかり擦り込んで、乾かして、また浮いた粉を落として、という作業をします。そうしないと、でき上がった時に、ツヤなどがあまり芳しくない状態になります。 松本:ニスを塗ったりもするのですか? 鎌田:最後に、仕上げ用のニスは塗ります。ただそれまでに、その砥の粉をしっかり落とさないと、奇麗にできません。砥の粉に混ぜる色もいろいろと自分で工夫して、オリーブの色を入れたり、オークを入れたりして、木の感じを出すわけです。 松本:色合いを付けるわけですね。色の付け方によって、作品の感じもガラッと変わるのでしょうね? 鎌田:そうですね。自分の思う色が、なかなか出ません。だから、色付けが一番嫌いなんです。 松本:せっかく彫ったのに、最後でイメージが変わったりすると…。 藤原:ショックですよね。 鎌田:その時は、色を落として、やり直す場合もあります。 藤原:ええー! 松本:また、色落としちゃうんですか?そう考えると手間がかかりますね。 鎌田:そうなると、本当に嫌になってきますね(笑)。 藤原:反対に、自分の思い通りの物もできますよね。これまでで、一番の自信作は何ですか? 鎌田:お友達にあげたマガジンラックですね。引っ越し祝いにあげたのですが、友達の家にあったリビングボードと、私があげたマガジンラックの色合いがぴったりだったんです。 松本:その人のリビングボードは知らなかったのですね? 鎌田:知らなかったです。偶然です。その時は、ものすごく満足しました。 松本:もらったほうもうれしいですよね。これから木彫りをしてみたいという方は、どうすれば参加できますか? 鎌田:見学して、気に入ってくだされば、その場で入ってくださっても構いません。 松本:会場は都島区民センターですね? 鎌田:はい。都島区民センターの会議室を借りています。 松本:会員になるには、費用がいるのですか? 鎌田:会費は3ヵ月1万円です。部屋代と先生への謝礼です。あと、木や彫刻刀は実費です。 松本:それだけあれば、誰でも参加していただける。 鎌田:そうです。お茶付きで(笑)。 松本:お茶も楽しみですよね。仲間も増えますね。 鎌田:お待ちしています。 松本:これからも頑張ってください。 鎌田:ありがとうございます。 藤原:木彫り同好会『花水木』の活動に興味のある方は、都島区コミュニティ協会へお問い合わせください。