今回は、天王寺区で活躍している、『夕陽丘スポーツクラブ』の活動をご紹介します。天王寺区には、スポーツクラブが三つあり、その中で最大規模のものが、『夕陽丘スポーツクラブ』です。このスポーツクラブというのは、国が打ち出した総合型地域スポーツクラブを、大阪市が作っていっているというものです。どんなことをされているのでしょうか。『夕陽丘スポーツクラブ』会長の社納隆博(しゃのう たかひろ)さんに、詳しく伺います。
松本:まず、おさらいにもなるんですが、『夕陽丘スポーツクラブ』や、以前ご紹介しました『たつみスポーツクラブ』の、“スポーツクラブ”って、そもそもどういうものなんですか? 社納:いつでもどこでも、気軽にスポーツを楽しめる環境作りが目的のものです。 松本:これは国が打ち出したということですか? 社納:ええ、元々はそうですが、地域によって、内容などにいろいろ格差があるみたいです。 松本:大阪市ではどういうふうになっているのでしょう? 社納:大阪市では、それぞれの中学校の校区単位で、一つずつ作るという方針らしいです。 松本:そのモデルケースの一つが、『夕陽丘スポーツクラブ』になるわけですね。 社納:おっしゃる通りです。 松本:スポーツクラブは、中学校の校区ごとに、一つずつ作っていくという話をされましたが、天王寺区には、いくつあるんですか? 社納:天王寺区には現在、夕陽丘、高津、天王寺という三つの中学校の校区があります。 松本:その中で、夕陽丘さんは一番大きいんですか。 社納:大きいというよりも、私どものスポーツクラブが一番充実しているというふうにご理解いただいたら、いいかと思います。 松本:歴史も一番古いんですか。 社納:『たつみスポーツクラブ』さんに続いて、二番目に設立いたしました。 松本:ということは、もちろん天王寺では一番古いと。 社納:ええ、まあそういうことです。 松本:社納さんが中心になって、『夕陽丘スポーツクラブ』を始められた経緯について、お教えください。 社納:元々、私も天王寺区の体育指導委員をしていて、その時にちょうど大阪市の役員もしておりましたので、大阪市の方から声を掛けていただいて、設立したということです。 松本:設立は何年前ですか。 社納:設立総会が開かれたのが、平成15年7月13日ですので、約3年程前ですね。 松本:大阪市のほうからお話があったわけですよね。 社納:そうです。 松本:トントンと話は進んでいったのですか? 社納:やっぱりいろいろ難題がありまして ・ ・ ・。既存のスポーツをされている方は、どこかの団体なり、クラブに所属されています。私もそうでしたが、元々スポーツが好きな人は既に何かやってるやないかというのが一番のネックだったんです。設立までに約1年半ほどかかりました。 松本:今は何種目あるのでしょう? 社納:現在、10種目をみなさんに楽しんでいただいてます。 松本:どういう種目があるんですか? 社納:例えば、テニス、柔道、太極拳、卓球、フットサルなどいろいろあります。 松本:その中で、参加者が多いのは? 社納:やっぱりテニスとか卓球とか、太極拳とかいろいろ。でも、まあまあ大体、同じような感じです。 松本:活動場所は? 社納:夕陽丘中学校区である五条小学校を中心にして、天王寺区民センターとか、夕陽丘中学校、生魂小学校、桃陽小学校、さまざまな場所を使わせてもらっています。
松本:参加者はどんな方が多いのでしょう? 社納:もういろいろです。80歳に近い方もいらっしゃいますし、ジュニアで小学校の3年生の子もいます。 松本:男女ではどうですか? 社納:やっぱり女性の方が今、元気で、多いですね。 松本:やっぱり多いですか。 社納:熱心でもあります。 松本:スポーツ経験者の方が多いんでしょうね。 社納:そういう方も多いんですが、初めてスポーツを始められたっていう方もけっこうおられます。 松本:割合としては、どれぐらいになりますか? 社納:体を動かすのが好きだっていう方が8割ぐらいですね。例えばお友達が参加してるんで、自分も参加したっていう方が2割。まったくスポーツされたことがないっていう方もいらっしゃいます。 松本:やったことがないという方が、輪の中に入ってこられるわけですからね。 社納:ですから、自分で取っつきやすいスポーツ。例えば、フリーテニスやソフトバレーのようなニュースポーツから入られる方が多いです。 松本:なるほどね。他の競技だったら、けっこう経験者と差がついちゃってるんでね。 社納:そうです。だけど、私どもは、初心者であろうが、スポーツ経験者であろうが、みなさんすべて大歓迎というスタンスでやっています。 松本:子どもさんはどういうスポーツに参加される方が多いんですか? 社納:ジュニアのテニスや柔道。今、柔道は幼稚園の子も入ってやっているケースが多いです。 松本:柔道は、礼儀などもありますからね。そういう教育の一貫としてもいいですね。 社納:おっしゃる通りです。 松本:会員制ですか? 社納:会員制です。 松本:会員になる規定みたいなものはあるのでしょうか? 社納:規定は、高校生以上が『正会員』、正会員の高校生以上の家族が『家族会員』、正会員の小学校3年生から中学生までの家族が『ジュニア会員』という3種類を設けております。 松本:会費はいるんですよね。 社納:正会員が年会費5000円、家族会員で3000円、ジュニア会員で2000円です。 松本:先程、新しい競技ということで、ソフトバレーやフリーテニスが出てきましたけれども、他に面白い競技はありますか? 社納:例えば、スポーツチャンバラ。 松本:スポーツチャンバラ?なんか遊びみたいですね。 社納:これもちゃんとルールがありまして、礼儀もちゃんとせなあかんし、防具も付けてやらなあかんという。大人も子どももストレス解消できる、素晴らしい競技です。 松本:チャンバラっていうのは、何を持って? 社納:危ない刀じゃなく、空気の入った刀のようなものを持って。なぎなたみたいなものもあります。それを持って、おもいっきり振り回します。 松本:ストレス解消にいいですね、これもたくさんの方が参加されているのですか? 社納:今のところ、子どもさんが中心ですけど、けっこう参加されてます。 松本:入会資格は、夕陽丘中学校の校区の人だけですか? 社納:一応そうなっています。でも私のポリシーとして、例えば今、大阪でも区によって、総合型地域スポーツクラブができていない区があるので、そうした方々に入っていただいて、その後、スポーツクラブがその区でできたら、そちらのほうへ移っていただくとか、いろいろ経験していただきたいんです。私のポリシーとして北海道から沖縄まで誰でもどうぞ、と。もし良ければ世界中から、うちのクラブへ来ていただいても結構ということです。 松本:なるほど。最後に、天王寺区の良さを教えていただけますか。 社納:たくさんあります。まず、学校が多いということで、教育熱心な区です。 松本:確かにお寺とか、学校が、本当に多いですよね。 社納:病院も多いですしね。それと地域の方の懐が広いです。商店街の振興とか、町づくりも非常に盛んに行われていて、町会とかにも熱心に取り組まれているというのが、良さやと思います。 松本:そういう懐の深い、間口の広いところですと、地域スポーツクラブを展開する上でも、非常に助かる部分があるのでは? 社納:そういうことなんです。その地域振興の会長さんを含めて、みんな応援していただいています。 松本:今後はワールドワイドに、“世界の国からこんにちは”という感じに。 社納:そうなんです。最終的には、スポーツをされない方でも、うちのクラブに入っていただいて、お酒を傾けて、うんちくを語っていただくというふうなものでも、結構やと思います。 松本:スポーツの良さを、味わってもらうなんて、そんなたいそうなことではなくて、一緒にやりましょうという感じかもしれませんね。 社納:おっしゃる通りです。 松本・藤原:今日はお忙しいところ、ありがとうございました。 社納:とんでもないです。