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ホームページでは、生粋の大阪人、ラジオ大阪アナウンサー松本恵治が、毎回、大阪のいろいろな地域で活躍している方やその地域をご紹介します。
2006年6月3日(土)放送

  朗読グループ『えん』

今回は、福島区で活動されている朗読グループ『えん』のみなさんをご紹介します。
朗読グループというと、子どもたちに絵本を読んだり、紙芝居をしたり、といった活動を想像しますが、『えん』では視覚障害者のために印刷物や本を朗読しています。朗読というと、単純に活字を読むことをイメージしがちですが、実はそれだけではないそうです。代表の森崎知子(もりさき ともこ)さんにお話を伺います。




代表
森崎 知子さん

毎月13日に開催される編集会議

みんなの意見を取り入れて、
朗読する記事を選択します

分科会で最終調整

編集会議で決定した記事を録音します



松本:グループ名をひらがなで『えん』と書くのには、何か意味があるのですか?
森崎さん(以下、森崎・敬称略):読み手も縁があって集まってきて、テープを聞いてくださる方も縁があってテープを聞いてくださるという、その“縁”と、円満の“円”、その両方の意味を込めるために、ひらながの『えん』にしました。

松本:『えん』のみなさんが行っている朗読の活動を具体的にご紹介いただけますか?
森崎:毎月15日に福島区が広報を出しますので、それを毎月テープ化し、リスナーさんに送って聞いてもらっています。

松本:リスナーの方は、視覚障害者の方ですね。主に福島区の方ですか?
森崎:福島区の方がほとんどです。

松本:他にはどんなものを朗読されているのですか?
森崎:リスナーさんから、「こういう本を読んでほしい」と言われたものなどを読んでテープ化します。

松本:私たちが通常、文字の原稿や本を読んだりするのと、『えん』のみなさんが行っている広報誌の朗読とでは、具体的にどんな違いがあるのですか?
森崎:そんなに違いはありませんが、本だったらずっと文章ですが、広報誌ですから写真や絵、地図も載っています。絵とか写真は読みませんが、地図は、「ここに行かれるかもしれない」と我々が思えば、ちょっと難しいですが、読んでいます。

松本:どのように説明されるのですか?
森崎:地図の場合は、「最寄り駅から北へ向いて行くと交差点があるから、その交差点を渡って・・・」とか。「その交差点を東に曲がる・・・」とか、要するに東西南北の方向で読みます。

松本:地図を読むというよりは、具体的な道案内になるわけですね。
森崎:そうです。

松本:毎月15日に発行される広報誌を全部読まれるということですね。
森崎:そうです。全部読みます。

松本:広報誌の文章量ってどれくらいですか?
森崎:新聞半分の大きさのページで、2ページか1ページ半ぐらいですね。

松本:朗読すると何分ぐらいになるのでしょう?
森崎:35〜40分ですね。もっとたくさんある時だったら、60分ぐらいかかる時もありますけど。

松本:それをカセットテープに?
森崎:そうです。カセットテープに吹き込んで、ダビングして送ります。

松本:何分テープを使われているのですか?
森崎:普段は90分テープを使っています。


松本:片面が全部、広報誌ですね。
森崎:A面が広報誌で埋まってしまうので、B面には、みんなが良さそうだなと思う新聞などの記事を持ってきて入れています。ハイキングとか料理とかは、毎月欠かさず入れていますが、その他にみんなが持ってきた記事からいいなというものを選択して入れています。

松本:そういう記事を探すこともされているのですね。
森崎:そうです。

松本:作ったテープは何人ぐらいの方に送っているのですか?
森崎:13人です。

松本:『えん』設立のきっかけをお聞かせください。
森崎:保健所が在宅高齢者の介護の講座を開いたのですが、その講座受講者の中に、「早川福祉会館」で朗読の勉強をなさった方がいらっしゃって、講座が済んだ後で、こういう朗読をしませんかっていう呼びかけがありました。その時、在宅介護の講座受講者のうち10人ぐらいが賛同し、「そしたらテープに録音しましょうか」っていうことになって、会を作りました。

松本:元々は高齢者の方の介護から始まったわけですよね。
森崎:そうです。

松本:それがどうして朗読ボランティアになったのでしょう。
森崎:高齢者の在宅介護の講習を受けた後に、講習を受けた者で『すこやか会』という会を立ち上げて、独居老人の方のボランティアに出かけましょうかという話になりました。でも私は当時、勤めていましたので、毎週は行けない。朗読だったら月に1回とか2回なので、こちらの方ができるから、私は朗読の方を取りました。

松本:他にもいろいろと苦労されていると思いますが、その辺りをお聞かせください。
森崎:どんな記事を入れるかが、一番の苦労ですね。みんな、やっぱり自分が持ってきた記事を聞いて欲しいと思っておられますし、一人の人に偏って入れるわけにもいけませんから。また、記事が重なることもあるので、今月はこれしか入れられないということもあって、記事の選択が難しいですね。

松本:編集会議も熱くなるのでは?
森崎:そうです、そうです。一応、みんな一番いいと思うものを持ってきていらっしゃいますのでね。

松本:朗読の勉強は、全員がされたのですか?
森崎:されている方もいらっしゃれば、されてない方もいらっしゃいます。最初に立ち上げた時は、されている方が一人。それから、私を含めた2〜3人がずっと講習等を受けに行ったりしましたが、講習を受けずにそのままやって来られている方もいました。でも4年ぐらい前に、3人だけになってしまったんです。みんなそれぞれに歳を召して、入れ歯になったらもう読めなくなりますので。そんなこんなで減ってしまい、そこで社会福祉協議会に頼んで、助成金をもらって、講師の方をお招きし、講習会を開きました。その講習を受けた方が、今いる14人の内の12人です。

松本:日々、努力もされているのでしょうね。
森崎:そうです。努力しないと、読み手も減ります。

松本:やってこられて、良かったと思う時はどういう時ですか?
森崎:点字でお礼のはがきや手紙が来たら、うれしいですね。  

松本:こんな本を読んで欲しいというリクエストには、どうされているのですか?
森崎:よほど難しい本以外は読みますけど、ただ、鍼灸の本とかを読んでくださいと頼まれると、すごく時間がかかります。専門用語がたくさん出てくるので、それを、図書館で調べたりするから時間がかかるんです。普通の本でしたら、そんなに時間がかからずに、まあまあ読めますが。

藤原:特殊なリクエストもあるんですね。
森崎:目の不自由な方なので、鍼灸を職業になさっている方もいらっしゃいますから。

松本:最後になりますけど、地元福島区についてお聞かせください。
森崎:福島区は、わりと独居老人の多い地域です。高齢者になると、目が見えにくくなって、小さい文字とかが読みにくくなるので、広報誌等のテープを利用していただけたらと思います。

松本:地元のためだけでなく、もっと広い範囲で、朗読を活かしていただきたいと思います。
森崎:ありがとうございます。

藤原:朗読グループ『えん』に関するお問い合わせは、福島区の「あいあいセンター」までお願いします。

お問い合わせ/
「あいあいセンター」(福島区ボランティアビューロー) 
TEL:06-6454-0531
FAX:06-6454-6631

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