今回は、都島区で活動している『都島ストリングス』をご紹介いたします。弦楽器ばかりで編成している楽団ですが、30人からなる弦楽器ばかりの楽団というのは、とても珍しいそうです。団長の水口浩(みずぐち ひろし)さんにお話を伺います。
松本:団員は30人と伺っていますが、楽器の構成をまず教えていただけますか? 水口さん(以下、水口・敬称略):バイオリン、それからバイオリンの兄貴にあたるビオラ、それよりも大きいチェロ。それと一番大きいコントラバスという四つの楽器で編成しています。 松本:それぞれ何名ぐらいいらっしゃるのですか? 水口:バイオリンが17名程。ビオラが6名、チェロが6名、コントラバスが1名という形ですね。 松本:弦楽四重奏とか数人での演奏は結構あるようですが、これだけのみなさんが参加しているのは珍しいそうですね。 水口:オーケストラの弦楽器のパートぐらいの人数が集まっています。他の楽団やオーケストラからも「たくさんおられていいですね」って、ちょっと羨ましがられたりもします。 松本:吹奏楽器や打楽器を入れるとオーケストラができそうですね。 水口:すぐできますよ。 松本:メンバーはどういった方々ですか? 水口:バイオリンを習っている音大生から、上は60代ぐらいの方まで幅広いです。 松本:オーケストラの経験者の方が多いのですか? 水口:私どもはトップと呼んでいますが、前の方で弾いている各パートには、大体オーケストラの経験者が何人かはいます。 松本:個人的に今までやってこられた方もたくさんいらっしゃるのでしょうか? 水口:私もそうですが、小さい頃やっていて、大人になって、またやり始めたという人。それから大人になってからバイオリンを始められて、ビオラ、コントラバス、チェロも習われて、随分弾けるようになったので、他の方と合奏したいと来られた方もいます。 松本:全く楽器未経験というのは、さすがに無理ですね。 水口:それはちょっと、難しいと思います。 松本:いつ頃、どんな形で始まったのですか。 水口:旗揚げは、2001年の6月です。この旗揚げの音頭とりをしたのがチェロの方で、現在練習場にしている「ファッチャ京橋」というホールのオーナーです。「ひょんなことからホールを作ったので、ここで活動のできる楽団ができないかな」ということで、最初は4〜5人くらいで始められたと思います。 松本:「思います」ということは、水口さんは旗揚げ時のメンバーではないのですか? 水口:はい。それからしばらく経った11月に、練習に参加させていただきました。 松本:それは、どういうきっかけでですか? 水口:私の家内が「ザ・おおさか」というタウン誌で『都島ストリングス』のことが紹介されていたのを見つけ、「いっぺん行ったらどうか」と。子どももちょうどバイオリンのレッスンを始めたところで、私が子どものレッスンを見てやったり、レッスンが終わってから自分でちょこちょこ弾いていましたので。それならそこで、見学してみようかなと思い立ったわけです。 松本:演奏会にはいつごろデビューなさったのですか? 水口:入団1ヶ月後の12月に特別演奏会というのがあり、それがデビューです。 松本:1ヶ月でできるものですか? 水口:たまたま演奏会で弾く曲目にバッハの「二つのバイオリンのための協奏曲」が入っていました。これは、小さい頃に全楽章を弾いたことがあったものですから。もちろんソロではありません。後ろで弾く、要するに伴奏でしたが。あと一曲は、有名な「アイネクライネナハトムジーク」。元々、それを弾きたかったものですから、参加させていただきました。