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北へ行ける道、東へ延びる道をドライブ
新しいカレンダーが始まったばかりの今回は、福井県おおい町の「こよみの里」へとドライブすることにしました。陰陽師、安倍晴明の子孫が住み、朝廷や将軍家のことを占ったり、祈とうをしたり、暦を作ったりしていたところだとのこと。でも、どうして福井県なのでしょうか。美しい雪景色とおいしいものも期待しつつ、暦にこだわるドライブを楽しみます。



   館長は安倍晴明の子孫     <舞鶴若狭自動車道の地図はこちら>
 

暦会館

 舞鶴若狭自動車道の小浜西インターから国道162号を40〜50分走り、「こよみの里」に到着。距離では大飯高浜インターが近いのですが、ここまでの道が細いため、小浜西ルートで来ました。
 おおい町は、昨年3月に大飯町と名田庄村が合併して誕生した町。旧名田庄村エリアに入った途端、北斗七星が描かれた看板があり、「こよみの里」の雰囲気が漂います。その中心施設である「暦会館」は校倉(あぜくら)造りの建物で、中にはたくさんの資料が展示されています。館長の藤田義仁さんにお話を伺いました。
「名田庄には、中国にある泰山の守護神である泰山府君(たいざんふくん)が祭られています。桓武天皇が初めて取り入れて以来、天皇家や貴族、将軍家の信仰として、日本ではここだけに祭られてきて、陰陽寮の長官だった安倍家(土御門(つちみかど)家)の荘園となりました。そして、応仁の乱後は、安倍有宣から3代が戦火を避けてここに移り住みました」

 
渾天儀
 陰陽寮とは、どういった機関だったのでしょう。
「奈良時代に中国の模倣で作られ、平安中期からは安倍家が長官となって、天文と暦道を受け持つことになり、安倍家は陰陽道の宗家と言われるようになりました。現在で言う理系の国家公務員だったわけで、明治6年に陰陽寮が廃止になると、『星学局』と『大学局』に分けられて引き継がれましたが、それが後の東京天文台と東京大学理学部になったんです」

 

水時計
 暦会館には、いろいろな展示品があります。
「目玉は渾天儀(こんてんぎ)と水時計です。水時計は、飛鳥で発掘されたものと同じものを復元していて、一日も止まることなく動かし続けております。平成4年のオープン時、ここには展示物が全くなかったため、私のところにあった資料や、京都や大阪あたりの家臣が持っていた資料などを集め、この館をお守りするために、私も資料と一緒に帰って来ました。旧名田庄村にも重要な資料を購入してもらったため、今は3000点ほどの資料があります。実は、私をはじめ、この会館に勤めている者は全部、安倍一族なんです。直系は兵庫県西宮市におりますが、当主が8年ほど前に亡くなったため、今は私が江戸時代の国家老のように、ここでいろいろなものを受け付けて処理し、必要なことだけを本家に連絡しています」

   暦会館
 ■開館時間/9:00〜16:00
 ■休館日/水曜日
 ■入館料/中学生以上200 円、小学生100 円
 ■TEL /0770−67−2876