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奇岩と移ろう川面が待つ、神々の地。
和歌山県、熊野川。河口から20km以上、上流方面に来た新宮市熊野川町日足(ひたり)を流れる熊野川は、豪雨で荒々しく男性的な感じになっていて、水かさも流れも相当です。この辺りの熊野川は世界遺産に登録されていますが、5月、それを下っていくカヌーの大会が行われます。ここがスタート地点。今回は、世界遺産を舞台にしたカヌー大会と、カヌーをしない人でも“世界遺産下り”を楽しめる話題をご紹介します。


    世界遺産で、競う。     <熊野川の地図はこちら>
 


スタートラインへ向かう参加艇(05年大会)
写真提供:引本孝之さん

 スタート地点で、5月21日開催の「第18回熊野川カヌーマラソン大会」について、「熊野川カヌーマラソン大会実行委員会」委員長の引本孝之さんにお話を伺いました。
「ここから熊野速玉大社の近くまでの20kmを、カヌーで下っていただく大会です。元々、地元のカヌーショップなどが中心になって始め、その後は熊野川町と新宮市の主催となりましたが、昨年の合併を受け、今年からは地元のカヌーの愛好家を中心とした実行委員会が主催します。新宮市教育委員会や観光協会からは補助を、新宮市商工会議所青年部や熊野川町商工会の方々にはお手伝いをいただいています。レースは、1人乗りと2人乗り、長さ、カヤックとカナディアンにより、六つのクラスに分かれています」
 


参加者の多くが熊野川のファンに
写真提供:引本孝之さん

 どんな方が参加されるのでしょう。
「最近ちょっと減少傾向で、昨年は117艇、約170人に参加いただきました。やはり関西からが一番多く、和歌山、大阪、京都、奈良といった順になります。関東、四国、九州からも来ていただいています。川は、地域ごとで全然その“顔”が違いますが、遠方の方にもこの熊野川を気に入っていただいてるのだと思います。熊野川は遠いという感覚がどうしてもありますが、わざわざ来て良かった、面白かったと言ってくれる方が多いですね。『来年も、また来るよ』って。カヌーマラソンのファンという方もいますが、なんと言っても、この熊野川のファンになってくださってる方が多いと思います」



参加者の楽しみ方はそれぞれ
写真提供:引本孝之さん

 民間主催に戻ったことで、何か変化はあるのでしょうか。
「昨年まではレースをするだけでしたが、今年はゴール地点で紀南地方の物品を販売したり、入賞者上位3名の賞品を、去年までの自転車などから地元の特産品に変えたりと、紀南地方を紹介できるようにしていきたいと考えています」 このコースの特徴を教えてもらいました。「スタート直後は緩やかなところがありますが、その後は少し流れがきつくなります。それを抜けますと、後半3分の2ぐらいの距離はほとんど、我々が『瀞場(とろば)』と呼ぶ流れの緩やかなところになりますね。スタートのところがきついんで、そこで体力を使い果たすと後が大変です。疲れたら、ちょっとゆっくり流れ、空や山を見てもらい、熊野の自然を満喫していただければいいと思います。ゴールまで、平均で約2時間です」 引本さんのカヌー歴と熊野川の魅力を伺いました。「まだ15年くらいです。友人にやらせてもらったのがきっかけです。船も車もエンジンが付いていますが、カヌーは全部人力なのが一番いいですね。熊野川は、季節ごとに山の色、空の色、そして水の色も変わります。季節により全く違う様子を楽しんでいただくのが、一番の魅力じゃないかなと思います」