阿波踊りを通じて清掃を呼びかけ
ごみ拾いは、15人ほどで始まっています。
南 毎月、第3日曜日の午前8時〜9時、この明治橋を中心に、下流へ約100m、上流へ約200mの範囲で、堤防を掃除しています。なお、寒い1月だけ休み、3月は「大和川・石川クリーン作戦」にあわせて第1日曜日にしています。また、11月は「大阪クリーン作戦」に合わせ、朝6時半ごろから焼き芋を準備し、焼けたころに掃除に来てもらえるようにしています。
平野区在住の南さんは四国・徳島の出身。阿波踊りと川の清掃活動に、共通点を見いだしているようです。
南 川はごみを取り除けば、美しい川に変わってきます。私たちも、暮らしの中でのストレスなどを取り除けば、いい血液が流れます。(阿波踊りで)汗を流すことで、自分に幸せが来るということです。
阿波踊りで、大和川の清掃も訴えているとのこと。
南 「水の声」はボランティアをする場合の全体名で、その広報部門である「雄徒呼(おとこ)塾」が、阿波踊りを中心に地域の催しなどに参加しています。当初、男ばかりで踊っていたため、この名が付きました。
大和川の清掃を始めた理由を伺いました。
南 大阪に来て大和川を見た時、つい四国の吉野川と比べてしまいました。それでも、60年代ぐらいまではここで泳いでいたという話を先輩から聞き、何かできることはないかと、家内とこつこつごみ拾いを始めました。当時は周囲の関心をあまり得られず、冷やかし半分に「頑張りや」と声を掛けられる程度。しかし、清掃だけだとボランティアなんてできないと拒否されがちだったものの、阿波踊りによる健康の話を組み入れることで、皆さんの理解を早く得られるようになりました。
さまざまな場に出向き、活動しているそうです。
南 相手が5人、10人であっても、要望されるところに行くのが活動の原点です。みんな楽しそうで、車椅子でじっとしていた人が急に立ち上がったり、黙っていた人が急にマイクを取って「あ、あ、あ」とリズムを取ったり。そうなると踊りを止められなくなります。昨年7月の「1日水辺の楽校」にも参加しました。
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川も、人の見る目も、変わった
清掃活動を始めて12年。周囲の見る目も変わったといいます。
南 最近は大和川が奇麗になり、ワースト1から段々と上がってきていることが新聞などで紹介され、そのこで、皆さんの言葉が温かい励ましの言葉に変わってきているように思えます。「ご苦労さん」「ありがとう」と、この場所で言われます。12年前は、自分たちはいいことをしているんだと、自分に言い聞かせながら清掃していたのですが。
大和川の水が奇麗になったことは、どういう面で感じるのでしょうか。
南
アユが上がってきていますし、魚を食べる鳥たちが集まってきてい
ます。美しくなっているのだろうと思いますね。川は高い所から低い所へと流れ、ずっとつながっております。私たちの人間関係も、川のようにうまく保てたらいいし、川が美しくなることが私たちの気持ちまで変えてしまうんじゃないかと思っています。大和川に流れているこの水を美しくすることは、私たちの心の財(たから)を美しくします。
「雄徒呼塾」会長の佐古良一さんも、清掃中でした。
佐古 徳島県出身で阿波踊りに興味がありましたが、7年ぐらい前、平野区の広報紙で南先生が生徒を募集していたので参加しました。先生が大和川の掃除をしていることを聞かされ、それに賛同し、大和川を美しくしたいという気持ちで、清掃活動にも参加しています。ごみは減り、水も奇麗になりました。
女性メンバーもいらっしゃいました。
女性 阿波踊りを通じて清掃活動に参加し始め、5〜6年になります。朝早くからのごみを拾いは、すごく気持ちの良いことです。何年か前、大和川で掃除をした1月後ぐらいに住之江まで歩いたのですが、お水が奇麗で、お魚が跳ね、水鳥がいっぱい来ていました。前にはなかった光景です。
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南さん |
2月15日に行われた、「水の声」による大和川清掃の様子をご紹介しました。阿波踊りと清掃は、一体、どう関わっているのだろうかと思っていたのですが、歌を口ずさんだり、色々な会話をしたりしながらの清掃で、皆さん、生き生きとした様子でした。阿波踊りも清掃も、きっと楽しみながらしているのでしょう。
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