三市合同総合防災フェアでの
バケツリレー体験

いざという時のため
体験こそが大切な備え
〜石川を舞台に総合防災イベント〜
2008年11月1日放送

大阪府羽曳野市の臥龍(がりょう)橋上流側河川敷に広がる石川スポーツ公園に来ました。横を流れる石川は幅が50mほど、少し深めの底が見えるほど水が奇麗です。この石川スポーツ公園では、羽曳野、藤井寺、柏原による「三市合同総合防災フェア〜大地震に備えて いざという時の活動体験」が開催されています。地震災害と川は深い関係にあり、会場では水害への備えに役立つ体験も色々できそうです。

演習からフェアになった理由


浅田さん

 体験コーナーや緊急車両などが並ぶ会場には、家族連れもたくさん詰めかけています。羽曳野市危機管理室の浅田敏樹雄さんにお話を伺いました。
浅田 東南海・南海地震が今世紀前半にも高い確率で発生すると言われる中、体験を通じて防災知識を得ていただこうと、当フェアを開催しています。今年13回目で、平成18年までは関係者が中心となった「三市合同総合震災演習」でしたが、市民に幅広く体験していただくため、昨年から南河内では初の体験型にしました。

 地震と川は深い関係にあります。
浅田 羽曳野では地震により石川付近の住宅が浸水する可能性もありますので、土のう作りや土のう積み体験を実施しております。普段から土のう用の袋と土は市が配布していますし、今日作った土のうも持って帰っていただけます。これまでに石川や東除川等がはんらんした水害はありませんが、雨が川に流れていく途中であふれる「内水はんらん」は多くあり、その時の浸水を防ぐ方法としても土のうは大事です。なお、全世帯に配布した洪水ハザードマップで、避難場所等を再度確認していただきたいと思っています。

 土のう体験の他に、どんなものがあるのでしょう。
浅田 非常食の炊き出しと試食、災害用伝言ダイヤル体験、緊急事態に助けを求めるための大声体験、三角きんを使った応急手当体験、パイプと毛布で簡易型担架を作る体験、AED体験、整形外科医が乗ったドクターヘリによる救出訓練などがあります。また、災害救助用の自動販売機は、上に電光掲示板があって非常時に市からニュースが流せるものと、飲料メーカーと市が協定を結んで避難してきた人に飲料を無料提供するシステムのものと、2種類が展示されています。


体験して初めて分かること

 お話を伺った後は、実際に会場巡りです。最初は煙霧体験。煙が充満するテントに入ると、係員から低い姿勢になり口をふさぐよう指示されました。低い所はかすかに見えるものの、高い位置は真っ白で何も見えません。煙は無害のものとは言えとても苦しく、やっと出口を見つけました。テントから出てきた8歳の男児に聞きました。
男児 怖くはなかったけど、ちょっと見えにくかった。(火事では)煙を吸うたらだめだと思ったら、とても怖いと思う。

 

 子供連れの女性にお話を伺いました。
女性 火事とか起こった時、子供が電話するなり逃げるなり、何らかの行動が起こせるようになってもらいたくて来ました。私自身は水と懐中電灯ぐらいしか用意していませんが、私のいない時に子供が自分でどうにかできるよう、伝えておきたいと感じました。

 「婦人防火クラブ」の方は炊き出しをしていました。
女性 ここでは災害時に炊き出しをする訓練をしています。お湯を入れるだけで五目ご飯に戻るアルファ化米で、今日は梅がゆなどもあります。

 頂いてみると見た目も味も普通のご飯と変わらず、軟らかくておいしい非常食でした。
女性 私たちは日ごろ、「防火は主婦の手で」を合言葉に家庭での防火活動をしています。家庭で一番火を使うのは、やはり主婦ですから。各家庭に火災報知機を設置していただくよう、皆さんに呼びかけています。

 災害用伝言ダイヤル体験コーナーで実際に体験している女性に、体験理由などを伺いました。
女性 こういうのがあることは聞いていたんですが、実際に一度経験しておかないといざという時にできないかなと思ってしてみました。小さなリーフレットを常に持ち歩き、そのガイダンスに従ってやれば、災害時でも遠方の親戚などにちゃんと連絡が通じますね。

土のう作り体験

 土のう作り体験もされたようです。
女性 土は半分ぐらい入れればいいですよと言われ、それを持ちましたが結構重たかったんです。お米10kgだったら持てるけど、土のうは割と持ちにくい感じだったので、いざという時には小分けにしたものを数多く積む方がいいのかなと思いました。初めて参加しましたが、会場には興味深いものがいっぱいありました。

 

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10月25日に羽曳野市で行われた「三市合同総合防災フェア」を訪ねました。災害はいつ起こってもおかしくなく、起こってからでは遅いと分かっていても、備えはつい後回しになりがちです。しかし、今回このフェアで色々と体験してみて、自分自身で身を守り、助け合って行動することの大切さが再確認できました。