大和川でつながりあう
イベントは河内音頭「大和川哀歌」から始まり、記念講演、パネルディスカッションと続きます。大和川市民ネットワーク事務局長で、堺市立東浅香小学校教諭の小松清生(すがお)さんにお話を伺いました。
小松
大和川に関心を持ち、色々な活動や勉強をしている団体や個人が、情報交換をしてつながり、応援しあおうと、今年3月に生まれたのが大和川市民ネットワークです。
設立後、まずはどんな活動をしたのでしょう。
小松
毎年行われている「身近な水環境の全国一斉調査」への参加を会員に呼びかけ、実際に大和川流域で参加した人の結果を集約しました。COD(化学的酸素要求量)を調べましたが、下流では測定不能なほど高くてショックを受けつつも上流ではいい数字が出たので、日ごろの取り組みの意義を感じました。
今年度は、支流の一つ、奈良の秋篠川に注目するという方針があるようです。
小松
まずは現地で教えてもらおうと、夏に小川の雰囲気を残す秋篠川を訪れました。「秋篠川源流を愛し育てる会」でこれまで行われてきた桜の植樹や月に1度の清掃活動などの熱い活動に感動し、新たな活動提案をするよりも、現地の取り組みを応援しようということになりまた。
展示コーナー |
このイベントではパネル展示も行われています。
小松
多くの団体が出していてくれて、奈良と大阪の活動を交流しあうよい機会になりました。うれしいのは小学生の作品を展示できたことです。2人は水環境の全国一斉調査にも参加し、夏休みに素敵な理科の研究を仕上げました。「天気と大和川の水位の関係調べ」と、「生活排水の汚れ調べ」です。
今後の活動について伺いました。
小松 「わたしたちの大和川」の教材作りや歴史ウォークも続けます。平城京遷都1300年には、その日だけで終わるようなイベントではなく、それがきっかけになって大和川への思いが高まっていくような楽しいものをしたい。大阪でやっているクリーンキャンペーンが奈良にも広がっていく、きっかけになればいいと思っています。
|
大和川とのそれぞれの関わり
中津君の展示 |
水質調査結果や下水文化の歴史、大和川の写真など、色々な展示が並ぶコーナーで、「CODパックテストによる生活はい水の汚れ調べと、合成洗ざいの植物に与える影響!」の出展者、中津弘貴君に聞きました。
中津 生活排水をパックテストで調べ、合成洗剤がカイワレに与える影響を調べました。お母さんがカイワレダイコンを育てていて、汚い水にするとどのように育つかを調べてみたいと思いました。
将来、大和川にどうなってほしいのでしょう。
中津 大和川は家の近くを流れているので、時々遊びに行き、フナやハゼを取ったりしています。汚い生活排水をなるべく流さないようにして、泳げるぐらい奇麗な川にしたいです。
写真展「大和川慕情」をご覧になっていた、2人連れの女性に伺いました。
女性A 八尾市で生活排水対策や農業用水、農空間を守る活動をする「アクアフレンズ」に所属しています。八尾は大和川から取水した水を農業用水に使っていますので、市民にとって本当に母なる川。奇麗になってほしいという思いで、普段から活動しています。
女性B 取水しているのに、子供たちは大和川とのつながりを感じていない。奇麗にしようと訴えかけても、それでどうなるのという答えが返ってくるので、もっと子供たちに浸透させたいと思って活動しています。
「秋篠川源流を愛し育てる会」の芦田会長も、展示をご覧になっていました。
芦田 奈良の秋篠川は、ワースト1や2の大和川の上流地域を流れています。そこから奇麗にしていき、みんなと力を合わせて大阪に注ぐ川を奇麗にしていきたい。そういう点で、このようなネットワークは非常に大事なことだと思います。
******
中津君と小松先生 |
10月13日に開催された「流れは未来へ〜『大和川の日』市民フォーラム」を訪ねました。1704年、付け替え工事後に大和川の新しい川筋が通水したのが10月13日。それを記念して、この「大和川の日」としたとのこと。会員の皆さんにとっては、新しい目標や課題を見つけ、団結力が生まれた日になったことでしょう。
|