新パーソナリティ川口友子が
内川・土居川まつりをリポート
(堺市堺区)

みんなの力で奇麗になった
内川・土居川、そして大和川
〜「内川・土居川まつり」開催〜
2008年10月4日放送

私、川口友子によるご案内は、堺市堺区のザビエル公園からスタートします。このすぐ横を流れている内川は、幅が7〜8mで流れは穏やか。少し先で土居川へと変わります。この内川・土居川は大和川の支流ではありませんが、大和川とは密接な関係があるそうです。どんな関係なのか、その調査も兼ねて、サビエル公園と内川の河川敷で開催されている「第10回内川・土居川まつり」を訪ねます。

「どぶ川」から透き通った川に

 会場にはステージや展示、模擬店などが並び、大勢の人でにぎわっています。「内川・土居川まつり実行委員会」実行委員長の高杉晋さんにお聞きしました。
高杉 土居川は、1399年の「応永の乱」の際、大内義弘が堺で室町幕府と戦うために掘ったとも言われています。西側が海なので、南北と東の三方に掘って四方が水に囲まれた「環濠都市」にしたわけです。その後、秀吉の時代には埋められましたが、家康が町割でもう一度掘り起こしました。しかし、1704年に付け替えられた大和川が運ぶ土砂で、今度は堺の港が埋まって機能しなくなり、土居川河口もふさがったため、今の内川が掘られて土居川を再び海につなげました。

 高杉さんが子供のころ、どんな川だったのでしょう。
高杉 昭和40年ごろから、阪神高速・堺線を通すために川の一部が埋められ、また高度経済成長期ということもあって工業排水や家庭排水などが流入し、悪臭漂う「どぶ川」と呼ばれる川になりました。50年代になると堺市が護岸や下水の整備を始め、同時に市民や事業者なども清掃活動をし、ここまで奇麗になりました。私が趣味のカヌーでこの川のごみを拾っていたら、堺市がいくつかの同じような団体に声をかけてくれ、内川・土居川まつりへとつながりました。今ではごみが減り、水質もかなりよくなって、川底まで透き通って見える日もあります。魚もたくさん返ってきています。

 特にお薦めの季節は春だそうです。
高杉 この会場の向かい側も桜、もう少し北の月州中学のところは両側が桜で、何年かすると桜のトンネルみたいになるかと思っています。私たちは3年前にNPOを作り、この川をクルーズする観光船を毎週土日に運航しています。川面から見ると町並みが全然違うので、地元の方も驚かれます。

 大和川は堺市民にはどんな存在なのでしょう。
高杉 市内を通っている大事な川です。私も子供のころによく遊びましたが、そんなに奇麗ではありませんでした。今は驚くほど奇麗です。今後も改善され、市民が誇れる川になればと思っています。

子供が泳げる川になってほしい

 今度は来場者にお話を伺いました。まずは、大和川のアシを使った紙すきを体験してきた家族に。
女児 (紙すきは)面白かったです。張りつけるところが面白かった。自分の机に飾ります。

 近所にお住まいのようですが、汚れていたころの内川・土居川のことはご存じなのでしょうか。
父親 こちらに10年ぐらい前に引っ越してきて、そういう話はよく聞きますが、今はそんな面影もないですね。地域の方々が奇麗にしようという活動をされていますので。大和川も汚い川という印象があるんですが、魚が泳いでいたりして、みんなで頑張って奇麗にしているなっていう感じがします。子供たちが川遊びできるような川になってほしいですね。

 アシ舟に乗ってきた家族にもお聞きしました。
男児 舟に乗って面白かった。
母親 浮くかなと思ったんですけど、大人2人と子供2人乗っても浮いていました。船頭さんが環境活動の一環として、(大和川のアシで)造ったと聞いてびっくりしまた。情緒があっていい感じです。

 大和川については、どう感じているのでしょう。
母親 ごみが多いなど、ちょっとイメージか悪いんですけど。奇麗になって、子供が水遊びとかできるようになるといいと思っています。

 イベントに毎年来るという近所の方に伺いました。
女性 内川・土居川は毎日通ります。すごくいい散歩コースになっていると思います。

 内川・土居川が汚れていたことはご存じとのこと。大和川については、どうなのでしょう。
女性 大和川も少しどぶ川のイメージでしたけど、最近は整備されつつあります。私たちの母親の世代は大和川で泳いだと聞いていますので、また子供たちが泳げるような大和川になってほしい。この地域に住む私たちが意識をして環境を考え、また未来の世代に引き継いでいけるような意識や心掛けを持つことが必要かなと思います。

 

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高杉さんにインタビュー

9月27日に堺市で開催された「内川・土居川まつり」の様子をご紹介しました。内川・土居川は、今の形になる前に色々な歴史があり、堺の人たちに愛されている川だということを知りました。大和川の支流ではありませんが、密接に関わっている内川・土居川は、季節ごとに風景が変わり楽しめるということです。