感じたままに撮ることが大切
阪神高速・松原線が大和川を渡る瓜破(うりわり)大橋南詰の河川敷はとても広く、バーベキューができる場所もあり、多くの人が散歩や釣りを楽しんでいます。まずは、金さんからアドバイスを頂きました。
金 大和川は歴史があることに加えて、スナップから風景まで何でも撮れ、場所によって色々な顔が見える川です。子供らしく、自分が見て何かを感じたらそこにカメラを向ける素直さが一番。構図などは次の段階です。これから僕か2カ所教えますから、そこで自由に撮ってもらえばと思います。
最初は、瓜破大橋と大和川が広く見渡せる場所へ。
金 ここから、来た場所が分かるように瓜破大橋と大和川を入れて撮影するわけですね。
若菜 橋は全体を入れた方がいいんですか。
金 いいえ。自分の感性で、好きなように撮ったらいいと思います。好みは自分の個性やからね。
大和川 |
しばらくして、次の撮影場所へ。河川敷に下り、大和川の流れのすぐ横まで近付きました。
金 さっきは高い位置から、今度は水辺に近付いた低い位置から撮ります。そのギャップによる面白さがあるかなと思いましてね。向かいに団地の給水塔がずらっと並んでいるのと、下流方面に視野が開け、電車が走っているところも面白いかな。
子供たちには何が見えているのでしょう。
川淵 奇麗だけど、ちょっとごみがあります。写真は向こう岸の木を撮っています。
阿怜 魚を撮ろうしているんですが、なかなか跳ねなくて。もうちょっと粘ってみます。
若菜 水たまりの中にいる、取り残された魚を探しに行っていました。メダカみたいなのがいました。
金 アリならどう見えるか、カエルならどう見えるかという感覚を持つと面白い。また、コンクール向けなので大和川を主役にするのがいい。今もごみがありますが、これを入れて現状を撮るのも一つです。大和川には、四季折々の風景もあれば、ごみもあります。
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生き物にこだわるキッズたち
川淵君はデジカメではなく、フィルムのカメラで撮影。トンボや魚を追いかけていました。
川淵 トンボは撮れたけど、魚は撮れませんでした。
金 大和川には色々な生物がいますから、トンボでもチョウでも、止まっているのから撮ります。飛び跳ねる魚を撮りたい気持ちはよく分かるけど、これはなかなか難しい。カメラに慣れると、トンボが飛ぶ習性を知って待ち伏せして撮るなどの知恵がついてきます。
デジカメの2人は、とっておきの1枚を先生に見てもらうことにしました。
若菜 犬が河川敷で鳴いている写真ですけど、うれしいのではなく、飼い主に取り残されて鳴いているんですよ。哀愁を漂わせつつ。
撮影中、女性が犬を2匹連れて散歩に来て、川の中まで入っていったのですが、1匹はあまり川が好きではなく、河原にたたずんでいました。
金 縦位置で撮ったのが成功。ぐんと奥行きが出て、その犬の哀愁がよう出てるなあ。撮影した人が感じた通りにちゃんと写っているのがすごい。いけますよ。
一方、阿怜君は川が好きな方の犬を主役にしました。
阿怜 犬が僕に甘えてたんですけど、その時に川と一緒に撮ってみました。
金 犬の横顔が、誰を見てたんかな。アップで犬の不安げな表情がよく出ているよね。立派なもんです。
川淵君は22枚撮ったとのこと。
金 フィルムやから、現像までが楽しみというか、上がってショックというか(笑)。
キッズたちは撮影を通じて何を感じたのでしょう。
若菜 今まで何となく撮ってたんですけど、ちょっと考えるだけでいい写真が撮れるなあと思いました。
阿怜 同じ場所でも、上から撮ったり下から撮ったりするだけで全然違うんだなあと思いました。
川淵 写真にはあまり興味がなかったけど、少し興味が持てるようになりました。
金 遊びながら楽しい写真をいっぱい撮ってほしいね。
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金さんと
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大和川の撮影は思っていたより難しく、キッズたちも初めはかなり悩んでいましたが、金さんのアドハイス後は、肩の力が抜けたのか楽しそうに写真を撮っていました。そんなキッズの様子を見ているだけで、芸術の秋を感じたほどです。なお、次回からは新パーソナリティーの川口友子さんが大和川へとご案内します。 |