信貴山のどか村(奈良県三郷町)で
トウモロコシのもぎ取りをするキッズ

信貴山の味覚を育てた水を
汚さずに大和川へ渡したい
〜 実盛川上流に広がる農業公園〜
2008年8月9日放送

夏休み半ばを迎えた今回は、キッズリポーターの奥中健太(小6)君、井阪阿怜(小5)君、川淵理久(小5)君と一緒に、「信貴山のどか村」に来ています。ここは大阪府との境界に近い奈良県三郷町の西部にある農業公園で、広大な敷地には自然が満喫できる色々な施設があって、たっぷり遊べるのはもちろん、おいしいものもいっぱいあります。しかも、それは「大和川の味」でもあるのです。

“味覚の夏”を満喫

 信貴山のどか村最大のお楽しみは、季節の味覚狩りができること。3人はトウモロコシ畑とトマト畑で収穫を体験して試食し、さらに食べ放題のブルーベリー園でもその味覚を楽しみました。
井阪 柔らかくて大きいのが甘かった。
川淵 甘酸っぱくておいしい。
奥中 大きくて黒いやつはおいしかったけど、小さいのはちょっと酸っぱかった。

 そこへ、信貴山のどか村の奥田哲生社長が特別にブドウを持ってきてくれました。
奥田 うちで作ったデラウエアです。他にもピオーネやベリーAも作っています。

 みんな無心で食べています。これぞ自然の魅力!
奥田 この辺は、昔、農業をしていた地域ですが、高齢化や耕作面積が狭くて機械化しにくいこと、大阪に通勤できることなどで農業人口が減ったため、この地域を生かす知恵を官民一体で出し合い、このような農業公園を造りました。この辺は標高350〜360mぐらい。夕方や木陰は風が全然違って涼しいんですよ。

 大和川とも関わりが深いようです。
奥田 信貴生駒連山系から水を頂き、ため池のような形にして農業用水に利用していますが、その水が実盛(さねもり)川となり、大和川に注いでいます。そのお陰で、こうしておいしい農作物を作れるわけです。

奥中 どんな農産物がありますか。
奥田 今はブドウ、メロン、スイカ、ブルーベリー、トマト、スイートコーン、ナス、キュウリ、ピーマンなど、たくさんあります。

川淵 誰でも、持って帰ったり食べたりできますか。
奥田 はい。持ち帰りやお金を払ってから食べていただくものと、その場で食べていただくものがあります。例えば、ブドウ狩りは品種により100gで100円とか150円とかで買っていただいてから食べていただきます。一方、ブルーベリーは500円で食べ放題という具合に、色々と種類があります。

 

 

低農薬にこだわる理由

 作り方にも、こだわりがあるようです。
奥田 低農薬栽培ですね。こうやって(畑で)直接食べていただいたりしますので、安全安心な農作物であることが一番です。たまに虫が出ることがありますが、農薬をあまり使っていない証拠です。自然を凝縮した味になっています。

井阪 果物や野菜以外には何かあるんですか。
奥田 鶏を500羽ほど放し飼いにしています。雄と雌がおり、お好きな有精卵を鶏とじゃれ合いながら一つ50円で選んでもらえます。

 バーベキューも楽しめます。
奥田 キャンプ場にデイキャンプのような形で、自ら好きな物を持ち込み、炭をいこして焼いて食べてもらうコースと、うちで炭火や食材を全部用意し、ただ焼くだけで食べてもらえるコースの2種類があります。また、レストランでは、うちの野菜を使った釜飯なども用意させてもらっています。

奥中 体験教室などはありますか。
奥田 そば打ち道場、絵つけからろくろを回しての陶芸までできる陶芸教室、ソーセージを作れる薫製教室の三つがあります。

 魅力は食べ物ばかりではありません。
奥田 緑に囲まれていて自然が奇麗です。広大な芝生広場で子供たちを遊ばせて、自分はゆっくりするお父さんもいますし、ハイキングコース風の道もありますから、日陰の道を親子で歩くのも楽しいと思います。

 実盛川の源流域を預かる立場として、どんなことに気を使っているのでしょう。
奥田 一番上でありがたい自然の水を使って農作物を作らせていただいていることに感謝し、水を汚さずに下の方にお渡しすることが最も重要です。その面でも、草引きなどの作業が増えますが、農薬をほとんど使っていません。また、子供のころにネオンのように飛び交っていた蛍を復活すべく、下流の人たちと一緒に水を奇麗にする運動も広がりつつあります。

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お話を伺った奥田さん

奥中 スイートコーンが一番おいしかった。楽しかったので、また来たいです。
川淵 楽しくて、色々なものもおいしかったです。
井阪 トウモロコシとかがあんなふうに成っているとは知らず、びっくりしました。

広大で豊かな自然の中、3人はいい体験ができたようです。