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漢字一文字に映す 年末恒例、日本漢字能力検定協会が「今年の世相を表す漢字」として「偽」を発表しました。清水寺の森清範貫主による美しい文字は、毎年のことながら心に残ります。そこで、2007年最後の放送となった今回は、6月にこの番組を引き継いで以来、取材を通じて見て感じてきた大和川の姿を振り返ることにしました。しかも、色々な側面を、過去に発表された「今年の漢字」で表していくつもりです。 |
食べて楽しみ、防災を学ぶ 阪神・淡路大震災が起きた1995年、「震」が選ばれて始まった「今年の漢字」。翌96年はO−157による食中毒の影響もあり、「食」が選ばれました。大和川での「食」といえば、キッズリポーターと楽しんだ河内長野市を流れる石見川での渓流釣り。釣ったばかりの魚を調理してもらって食べました(10月13日放送)。また、大和川本流の源流地、奈良県桜井市三谷にある「山野草の里」で、赤いそばの花を見ながら食べた打ちたてのそばも印象的でした(10月20日)。 97年は「倒」、98年は「毒」。「夏休みと大和川」をテーマに話し合ったキッズリポーターたちは、大和川が一番汚かったころの毒々しい写真を見て、「川には見えない」などの声を上げました(8月25日)。
99年の「末」に続き、シドニーオリンピックで高橋尚子選手などが金メダルに輝いた2000年には、「金」が選ばれましたが、今年の大和川にも金がありました。富雄川と佐保川が流れる奈良県大和郡山市では、金魚の養殖の様子を取材(9月29日)。また、桜井市の金屋河川敷公園では、キッズリポーターたちが写真撮影に挑戦しましたが、講師は写真集「大和川慕情」を出版された金勝男さんでした(10月27日)。
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愛と命があふれる川 「愛・地球博」が開催された05年の漢字は、「愛」。この番組では、今年も大和川を心から愛している皆さんを紹介しました。06年は「命」。秋篠宮家に新宮が誕生し、宮号の由来となった奈良県北西部を流れる大和川水系秋篠川流域の秋篠の里の存在が、より広く知られることになりました。 この年の暮には、命に関わるビッグニュースが飛び込んできました。大和川でアユの産卵が確認されたと、大和川河川事務所が発表。大和川を下るふ化して間もない仔(し)アユが見つかったため、そう考えられるとのこと。また、今年はその証拠も見つかりました。 Cプロジェクト計画では、平城遷都1300年に当たる2010年に向け、百万匹のアユが上る大和川を目指しています。 最後は今年の漢字、「偽」。これはまさに、大和川から連想される漢字だとも言えます。番組を担当するまで、ただもう汚い川だと思い込んでいた大和川が、実際に行ってみると全然違うことが分かったからです。上流では蛍が飛ぶなど色々な魚や生き物が平和に暮らし、河口付近でも多くの鳥や魚が大和川を頼っています。ただし、水質は全国の1級河川の中でワースト1〜3を行ったり来たり。もっと頑張って、奇麗にしていかなければいけないことも事実です。 ******
過去12年分の「今年の漢字」を通し、取材で見てきた大和川の姿を振り返りました。過去のことを思い出したのと同時に、今年は実によく大和川に出かけたなあと実感もしました。取材では、たくさんの方々にお世話になり、ありがとうございました。今年も残りわずか。大和川の見納めはいかがでしょうか。 |
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