青木さん(右)と歩いた葛下川

とっておきの大和川
見せていただきました
番組リスナーと大和川を散策
2007年11月10日放送

子供たちと写真を撮って芸術の秋に触れ、釣った魚をその場で食べて食欲の秋を味わうなど、番組では色々な“秋”を満喫していますが、今回はリスナーと一緒に大和川をじっくり歩いて楽しむことにしました。制作中の「大和川散策路マップ」に情報を寄せてくださった奈良と大阪の方に、実際にお薦め散策路を案内していただきます。どんな所を歩き、どんな表情の大和川と出会えるのでしょうか。

葛下川で歴史と自然を満喫

 奈良県王寺町のJR王寺駅から南へ約1km半、達磨(だるま)寺でリスナーの青木靖枝さんと待ち合わせました。ここから少し東に行くと、大和川支流の葛下(かつげ)川が流れています。
青木 達磨寺には、木像の聖徳太子さんと、達磨さん、そして千手観音さんが祭られています。子供が小さい時、よくセミ取りに連れてきましたが、もっと木がたくさんあり、セミがその辺に止まっていたので、背の低い私でも手で取れました。

 葛下川に出て、河原の公園から、透明な水やそこに泳ぐ魚の姿を見つつ、お話を伺いました。
青木 この辺ではいつも、コイや亀を見ます。鳥は、イカル(斑鳩)やカイツブリ、カルガモなど。シラサギもいっぱいいます。自転車でここを通って、畑へ行くんです。今はイチゴ、エンドウ、ネギ、ニラ、白菜など、10種類ぐらい植えています。

 葛下川を渡り、隣の河合町に入って50mぐらい歩きました。薬井(くすりい)地区です。道路の横に井戸があり、石碑や眼病の人の洗眼水だったとの説明書が立ち、井戸の周りには水がにじんでいます。
青木 弘法大師が授けた井戸だと言われています。今も、水がちょろちょろと出ているんですよ。

 青木さんは、王寺町に30年以上お住まいです。大和川に関して、一番の思い出は何でしょう。
青木 やっぱり水害ですね。昭和57年7月31日からの3日間に、2回も来たんです。床上浸水し、水の自然災害のすごさを知りました。冷蔵庫でも何でも流れ、積み上げられた4畳半の畳だってそのまま流れてくるんです。私は小学校に避難しました。それ以来、大雨が降ると,川が逆流しないかと気になります。情報には気を付けています。

 最後に、大和川に望むことを伺いました
青木 ここら辺は堺から見ると上流ですが、さらに上流もあります。上流も下流も、みんなが協力したら、もっと奇麗になるんでしょうね。


達磨寺

大和川河口付近はカモメの宝庫

 大和川本流を大和川大橋(国道26号)まで下りました。ここから河口まで約4km、1979年から堺側で野鳥観察をされているのは、住之江区在住の岡林猛さん。今日は、双眼鏡と望遠レンズ付カメラ持参です。
岡林 冬鳥は体が大きくて見栄えがよく、数も増えて楽しみです。珍しい鳥が突然来てもいいように、カメラは必ず携帯しています。この辺りでは、常に5種類のカモメが見られますが、ほとんどがユリカモメです。日によっては数百羽の群れが点在していますね。

 カモメがいない時は、どんな鳥がいるのでしょう。
岡林 サギやカモは常にいます。今もいますので、ちょっと望遠鏡で見てみましょうか。

 のぞいてみると、肉眼で分からなかった鳥が、かなり大きく見えました。何の鳥なのでしょう。
岡林 遠くにいる大きな鳥がアオサギ、手前の小さな中州に2羽いるのがカルガモです。

 阪堺大橋を越えてしばらく歩くと、大和川を横切る阪神高速湾岸線が見えます
岡林 この辺は海水が流れ込んでいるため、汽水の魚を狙って、セグロカモメとかオオセグロカモメとかいった比較的大型のカモメがよく集まります。

 48歳の岡村さんにとって、子供のころから大和川は身近な存在だったようです。
岡林 五つか六つのころまでこの近くに住んでいて、一つ上の双子のいとこと、よく泳ぎました。20〜30cmぐらいでしょうか、子供の感覚にしたら大きなフナやタイワンドジョウを、手づかみにした記憶があります。

 最河口まで来ました。どんな鳥がいるのでしょう。
岡林 もう、ほとんど海ですから、海の鳥がいます。これから、海のカモがたくさん渡来してきます。

 岡村さんは、鳥の写真を自身のブログで公開し、大和川の魅力を訴え続けています。
岡林 大和川では、ごみを入れずに鳥の写真を撮るのが難しい。それほどごみが多いんです。もう捨てないで欲しい、それが一番ですね。

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岡林さんと鳥を見た
大和川

リスナーの方に案内され、奈良県を流れる葛下川と、大阪府の大和川河口付近を散策しました。青木さん、岡林さん、それぞれの目に映る大和川の風景や魅力を、一緒に歩くことで共感でき、気付かなかった大和川に触れられたような気がしました。皆さんも誰かを誘って、ぜひ大和川にお出かけください。