初瀬川・金屋河川敷公園

カメラを通して見つけた
さまざまな表情の大和川
〜 キッズ、「写真」コンクールに挑戦 〜
2007年10月27日放送

大和川「絵・ポスター・作文・写真」コンクールの締切りは10月31日。あと5日しかありませんが、写真部門なら間に合いそうです。そこで、キッズリポーターの永井ひかる(小6)さん、仲川佳那(小5)さん、眞壁友里(小5)さんの3人が、大和川の写真撮影にチャレンジします。写真の技術や大和川の魅力についての助言は、写真集「大和川慕情」を出されている金勝男さんにお願いしました。

キッズの感性に先生も脱帽

 奈良県桜井市の金屋河川敷公園に流れているのは、初瀬(はせ)川とも呼ばれる大和川の本流。緑が多く、山が近くに迫り、民家もすぐそばにあります。河川敷は訪れた人々がゆっくり過ごせるように整備され、今日も釣りを楽しむ家族連れがいます。金さんに、写真を撮りつづけている大和川の魅力を伺いました。
 歴史があるとこに加え、奇麗なだけではなくて、ごみがあるように、その時代の環境や行事、自然といったすべての表情が撮れることが魅力です。


仏教伝来地を示す石碑

 堤防の上には、大人の背の倍ほどある石碑があり、昔の漢字が刻まれています。子供たちには読めません。
 「佛教伝来之地」。川のシルクロードの終着点みたいなもんちゃいますかね。608年に遣隋使の小野妹子が、隋の裴世清(はいせいせい)と一緒に帰国し、飛鳥に行った記念の地だという石碑かと思います。

 3人が散らばり、写真を撮りはじめました。堤防のすぐ横で撮りはじめたのは眞壁さん
眞壁 家の近くの川より奇麗で、いい写真が撮れて気持ちいい。花が入ったら、もう少し奇麗かなと思う。

 橋の上には永井さんがいます。かなり身を乗り出していますが…
永井 魚がいるから、今はその写真を撮ろうと頑張っています。初めから風景ばかり撮ったので、次は魚も一緒に撮ろうと思っています。

 仲川さんも橋の上。撮っていて楽しい?
仲川 はいっ!

 撮影の途中、一度、金先生にみんなの写真をチェックしてもらいました。最初は眞壁さんの作品。
 カメラを持ち慣れている。センスよくちゃんと撮れて、素晴らしい。(花も入り)季節を感じさせてくれてね。あとは、横で撮ったら縦でも撮る、広く撮ったら小さめでも何カットか撮る。そういうように、二通り撮ると写真に変化が出るね。

 次は永井さん。上流が奥に続いていくような写真を、縦で撮りました。
 やっぱりうまいわ。僕が教えてもらおうかな。完璧な構図ですね。天気がよく、順光やと、空の青がそのまま川に映るんですよね。ひょっとしたら、コンクールいけますよ(笑)。

 仲川さんは、まだ納得いく作品がないようですが…
 建物やな。感性が全然違うんやな。すごい。

アドバイスに目覚める3人

 先生のアドバイスを受け、水に触れるぐらい川の近くまで来ました。腕前を上げてきているようです。
永井 立って撮ったり、座って撮ったり、そして、高い所から撮ったり、低い所から撮ったりしてみると、全然感じが違うってことが分かりました。
眞壁 色々なところから撮った方が、色々な風景が撮れるということが分かりました。

 仲川さんは、いい写真が撮れそう?
仲川 はいっ!

 みんな、それぞれに個性が出ています。
 変化に興味を持ってもらい、ここで撮ったら対岸へも行ってみるなど、自分でアレンジすると、イメージが相当変わると思います。

 最後に、旅行などに行った時にいい写真を撮るポイントを教えてもらいました。
金 まず、記念碑を入れたり、行った場所が分かるよう広く撮ったりする。それから、段々と小さく撮っていき、家族や友達の楽しい顔なども撮る。そうすると、後で見た時、全部思い出せていいと思います。

 さて、日本最古の市である海柘榴市(つばいち)が開かれた金屋地区は、初瀬川の流れに沿って民家や畑があり、のどかなところ。写真撮影の後、河川敷の少し上の道を歩きました。ベンチが所々に並び、等間隔に植えられている木の枝が張り出して木陰になるため、絶好の散歩コースになります。川へと下りていく階段のところには、赤や白の彼岸花がまだ残り、白い蝶々が飛ぶという、今年ならではの秋の風景も楽しめます。遠くの山が奇麗で、空や雲もよく見通せます。

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金さん、3人のキッズたちと

キッズリポーターたちは、最初から最後まで、のびのびと撮影を楽しんでいました。それにしても、レンズを通して見る景色と普段見る景色とでは、世界が全く違うかのごとく、がらりと変わってしまうことに改めて感激しました。皆さんも大和川に出かけ、どうぞ芸術の秋をお楽しみください。