つり橋「夏目茶屋の渡し」

歩かないと分からない
大和川のこんな魅力
〜大阪から奈良へウオーキング〜
2007年10月6日放送

番組では、皆さんからの情報を基に大和川散策路マップを作っていますが、今回は愛須自身も秋の薫り漂う大和川を歩くことにしました。ただ、どこを歩いたら楽しいのかよく分からないため、「大阪ウオーキング連合」名誉会長の竹中愼和さんと理事の井村俊明さんに、ご一緒していただくことにしました。大阪府柏原市のJR関西線・高井田駅から三郷駅まで、約7kmを2時間余りで歩きます。

大和川の知られざるつり橋

 最初に、今回のコースについて伺いました。
竹中 ここは大和川の中心で、下流は江戸時代に付け替えられましたが、今日歩く上流方面は元からあった川で、古代はもっと水量が多くて飛鳥まで舟で行けました。途中に難所もあり、そこも通っていきます。

 どのように歩いたらいいのでしょうか。
竹中 もうね、気軽に歩いたらいいんです。できるだけ大またで、胸を張って歩き、疲れたら休んだらいい。速度は時速4〜5km。今日は4kmぐらいで歩きます。

 高井田駅を出てすぐに大和川を渡り、南側の長尾街道を歩くと、鎌倉時代の創建と言われる国分神社に到着しました。鳥居をくぐってすぐ左に行くと松岳(まつおか)山があり、そこには大和川沿いに造られた前方後円墳の松岳山古墳もあります。ここまで30分、気分はリフレッシュしてきました。

 国分神社から20分ほど、つり橋「夏目茶屋の渡し」に差しかかりました。揺れる感じが味わえ、すぐ下にはとても奇麗な大和川が見えます。
井村 水が思ったより奇麗で、魚もいるみたいですね。亀もいました。僕たちは、この橋を渡る時、2m間隔で行くように言います。また、怖くて渡れない人には、迂回(うかい)して向こうの橋を渡ってもらいます。僕なんかは、こういうのが好きですけど。コースには、変化があった方が楽しいですから。

 つり橋を渡ると、左右に畑があり、足元に色々な花が咲く道となりした。大和川は右手です。今度は、大阪ウオーキング連合について伺いました。
竹中 出来たのは1991年です。90年の「大阪花と緑の博覧会」の時、大阪21世紀協会の主催で大阪〜奈良〜京都〜大阪の100kmウオークが行われ、全国、そして外国からも大勢が参加をしました。その後、21世紀協会の薦めで、「大阪歩け歩け連合」を作ったんです。今、会員は320人。平均年齢は男性が68歳、女性が65歳で、会員の中には、地球1周分の4万kmを歩いた人が何人もいます。


こんな道も歩きました

草花発見もウオークならでは

 あぜ道を歩き、ついに亀の瀬地区にやってきました。
井村 ここは有名ですよね。ここまで1時間、車道から外れ、つり橋を渡ってからは、なかなか楽しい道でしたね。川を見ながら歩くというのは楽しくて、なんかほっとします。

 井村さんは、どんなきっかけでウオーキングを始められたのでしょう。
井村 元々は海の遊びをしていたんですが、大阪に来て海が遠くなったので、歩いてみようかと思いました。最初は1人で、2万5千分の1の地図を頼りに歩いていましたが、出会う人から、こんな団体がある、こんな行事があると聞き、ウオーキング連合と縁が出来て会員になったんですね。

 カメラを持ち、知らない草花を写真に収めて調べるのがお好きとのこと。
井村 実はこれ、ブログねたにしているんです。歩く速さっていうのは、色々なものに気づき、見つけられる速さなんですね。車では見えない。先日も天理を歩いていて、田んぼの中に2cmぐらいの白い花が咲いていたので、帰って調べたらウリカワと書いてありました。漢字では瓜皮。なるほどウリの皮を縦にむいたような葉っぱから、白い花が咲いているんです。

 高井田駅を出発してから約1時間半、三郷駅に到着しました。
竹中 大和川は、大阪と堺の間に奈良から流れ込む大きな川で、普段はその両側の堤防から大和川を見ますが、この関西線沿いは堤防がなく、そういう景色はここにしかないんですよ。しかも、古墳があったり、つり橋あったり。つり橋は、皆さんご存じないでしょ。そういう景色を見ていただいたらいいと思います。大和川も奇麗になりました。
井村 3ヵ所ほど川と接するところがあったんですけど、それぞれ魚が見えたり、地すべりの対策工事が見えたり、それなりに楽しく歩けました。ここは皆さんにお薦めしたいですね。

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竹中さん(中央)と
井村さん

番組を通して色々な大和川の姿を見てきましたが、実際に大和川の近くを歩くと、これまでとは全然違ったように感じました。体は疲れたような気もしますが、なにかとても元気になったような、不思議な感じがします。皆さんも、ぜひ大和川にお出かけください。散策路情報もお待ちしています。