大和川(大阪府藤井寺市)

河川愛護モニターが見る
大和川の今
〜7月は河川愛護月間 〜
2007年7月7日放送

国土交通省は、川に親しめる7月を「河川愛護月間」に、七夕の天の川をイメージしやすい7月7日を「川の日」とし、河川愛護に関する色々な取り組みを行っています。今回はそのひとつ、「河川愛護モニター」について取り上げます。河川愛護モニターは、大和川周辺の方に1年間の活動をお願いする制度で、毎年、この7月が切り替わりの時期となります。

子供と共に大和川をモニター

 まずは、大阪府藤井寺市の河内橋近くで、1年間の河川愛護モニターを終えられたばかりの宮村千代美さんにお話を伺いました。宮村さんは30代の3児の母で、柏原市にお住まいです。
宮村 ここから徒歩15〜20分のところに、5年ぐらい前、主人の転勤で引っ越してきましたが、当初は大和川が流れているなあという程度の思いでした。

 河川愛護モニターになった理由は?
宮村 大和川が汚れていることを子供たちから聞いて悲しいと思ったのと、高松にいた時に水不足を経験して水のありがたさを感じていたので、広報で募集を見て応募しました。

 どういう活動をされたのですか?
宮村 月2回の定期報告とモニター会議へのできる限りの出席を言われましたので、毎月2回、土手や川辺を子供たちと歩きました。お陰で色々な体験ができました。増水時には危ない様子を見せてあげ、草が伸びた時期にはバッタなどの生き物を取り、また水辺でたくさんの鳥も見ました。草が伸びる早さと増水時の水にびっくりしましたが、子供にもそれを感じてもらえたかと思っています。

 他に気付いたことは?
宮村 立て看板や橋脚の落書きが、すごく気になっています。また、外環状線の信号の周辺に小さなごみがいっぱいあり、マナーを考えさせられます。

 お子さんと川で遊んだりということは?
宮村 川の中には連れて行ったことはないんです。泳げるようになれば連れてきたいですね。近いですし。子供から全部を引き離してしまったら、恐さが分からなくりなります。どうしたら危ないのかということは、遊びながら覚えていくんじゃないかと思います。

 将来の大和川のイメージは?
宮村 自然に近い形で残り、水質が泳げるぐらい奇麗になってほしいですね。上流の方には、奇麗な排水を流していただければ…私も頑張りますから。

修行僧ごっこをした川

 上流方面に移動。奈良県安堵町と斑鳩町、河合町が隣接し、富雄川と大和川の合流点で、今度は、河川愛護モニターを始められたばかりの前園美智子さんにお聞きしました。安堵町在住、30代の3児の母です。
前園 すぐ近くに生まれ育ち、結婚後の一時期を除いてここに居ます。子供のころはよくこの辺りで遊び、川に入ってカメや魚を取りました。みんなでラジオ体操した後、段差で小さな滝になっていた所で、ずぶ濡れになりながら修行僧の真似もしました。

 3人のお子さんも、川で遊ぶんですか?
前園 大好きです。私と同じでカメや魚を取ったり、探検だと言って川の中にどんどん入っていったり。ほっといたら1時間でも2時間でも。また服を洗わないといけないの?という感じですね。確かに川は危ないとは思いますが、子供は自然の中で遊ぶのが一番ですので、危ないからだめではなく、一緒に行くようにしています。雨の後には、水が増え、流れの早い様子を一緒に見て、危ないんだよと話をしています。

 川遊びの他に、大和川の思い出は?
前園 昭和57年に大洪水が起きました。当時は堤防がなく、水で川縁が段々流れて減っていき、あと1mぐらいであふれる状態になり、夜中にレジャボートをふくらませて大事な物をそこにしまい、家族全員で一晩過ごしました。翌朝見ると、周囲の田んぼは“湖”に。床下浸水しているお宅もありました。

 河川愛護モニターになった理由は?
前園
 身近に感じている大和川の環境をよくするお手伝いが少しでもできればという思いと、未来のある子供たちに奇麗な川を残したいなあという考え、そして、子供の環境教育のためにもなるかと思いました。

 下流の方にメッセージをお願いします。
前園 この辺りは、まだ下水が整備されていなかったりしますので、廃油は流さない、自然に優しい石鹸や洗剤を使うなどを心掛けたいと思います。下水が整うまで、少し我慢をといったところです。

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宮村さん

前園さん
7月が河川愛護月間であることにちなみ、大和川の河川愛護モニターの方にお話を伺いました。お二人とも定期的に大和川を観察することで、色々な発見をされ、また、もっと安全で奇麗な川にしたいという思いもより強くなられたようです。皆さんも、一度ゆっくり大和川の様子をご覧ください。