平成17年度バスツアーの様子
写真提供:大阪市住之江区

市民の視点からの
アイデアがあふれる
〜すっきやねん大和川 大阪4区サミット〜
2006年12月23日放送

「すっきやねん大和川 大阪4区サミット」というものがあると聞き付け、大阪市住吉区にやってきました。このサミットでは、大阪市の住之江区、住吉区、東住吉区、平野区の4区の、“大和川好き”な皆さんが集まり、大和川について話し合ったり、面白い企画を考えたりしているそうです。メンバーの中から平野和夫さん、荒木絹恵さん、天野せつ子さん、幸内恒俊さん、古川富美子さんにお話を伺います。

幼い頃にとったスギナが
なくなった大和川にショック

 「すっきやねん大和川大阪4区サミット」が生まれたきっかけは、大和川へのバスツアー。大和川付け替え300周年となる2004年の2年前から、大和川に出向いて、歴史などを知るバスツアーが4区の区民を対象に始まったのです。加えて、ワークショップや写真撮影ツアー、シンポジウムなどを行っていくうちに、せっかく皆さんが熱心に参加されているのだから、大和川を良くするためにみんなで話し合い、考えようという機運が高まり、2005年度から年5回の会議が始まって、現在に至ったということです。

 初回のバスツアーから参加されている住之江区の平野さん、今までどんな所に行かれたんですか?
平野 大和川の付け替えの原点や源流などに行きました。バスツアーに参加したことで、大和川近くに60年近く住んでいながら、何も知らなかったことに気付き、勉強するようになりました。すると、学校から総合学習の一環として大和川について話してほしいと依頼があり、私の課外授業が始まったんです。それが、すごく反響が大きくて、もっと勉強するようになりました。

 住之江区の荒木さんは、大和川の思い出というと?
荒木 昭和30年頃に子供ができてから、大和川へ連れて行くようになりました。メダカをとったり、摘んだヨモギでヨモギ餅を作ったりして、楽しみました。

 住吉区の天野さん、サミットに関わったきっかけは?
天野 大和川の近くに小さい頃からずっと住んでいます。スギナをとりに行った時、大和川が昔と違い、すごく汚れていたことに大ショックを受けたのが始まりです。水を汚さないように主婦でも何かできないかと考えて、廃油でせっけんを作り始めました。そのうちに大阪市の環境リーダー学習会に参加して、勉強したことから水に関する紙芝居を作り、せっけんと組合わせて、いろんなイベントや学校などへ行っています。
 今の大和川で、ここが問題だと思われる点は?
平野 大和川の河口付近に住んでいますが、中洲が非常に大きくなり、川の流れが悪くなって、汚れが溜まっています。でも、中洲を撤去すると生態系が変わって、ユリカモメなどの野鳥がいなくなるのではという意見もあります。結論は出ていませんが、できたら少しでも中州が小さくなればなと思います。

 古川さんは、清掃活動をしているそうですね。
古川 少人数でぼちぼちやってたんですけど、今は国土交通省とも連携が取れて、輪が広がってきてるので、すごく喜んでいます。清掃活動を始めた12年前に比べると、ごみも大分少なくなってきました。

 幸内さんは、大和川の写真を撮影されてるんですね。
幸内 撮り始めて約10年ですが、ごみや水質の問題の事をよく感じます。ごみは、皆様が一生懸命に掃除をしてくれていますが、水質については、家庭排水に対して処理施設が少ないのではないかと思います。

大和川でコンサートをして
みんなに知ってもらいたい

 大和川で一番好きな場所を教えて下さい。
平野 自分の家から西側の河口の辺りが、かなり整備されて、良くなってるなと思います。
荒木 夏祭りで神輿が下りて行く橋の辺りが奇麗。河川敷ができて、警察の音楽隊が演奏してくれた時、土手に座って眺めました。あの河川敷に投書箱置いたらどうかしら?案が集まったら市に持っていくという。
天野 大阪市立大学南側にある堤防の桜並木が大好きです。桜並木と大学と川の風景。それから夕日も。

 これから大和川がどうなったらいいと思いますか。
天野 昔あった黄昏コンサートを大和川でしてほしいです。大規模なものでなく、区民が寄って楽しむコンサート。それで大和川をみんなに知ってもらい、奇麗にしていこうという心になって頂きたいなと思います。
荒木 「住之江区民音頭」という、いい民謡があるので、河川敷で踊りのイベントなどをしたら、みんなが喜んで、関心を持たれるのでは?案外、そばに住んでる人が大和川のことを知らなかったりするからね。


******

大和川に対する思いや、今後こうしたいという希望を、皆さん、本当に熱心にお話して下さいました。楽しいお話もたくさん聞けたし、ためになるお話もたくさん飛び出しました。そんな皆さんの思いを胸に大和川に立ってみると、また違った見方ができるのかなと思っています。


(上段)幸内さん、荒木さん
(下段)天野さん、古川さん、平野さん