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毎回、大阪を拠点に活動しているNPO法人やNGO、ボランティア団体、そして大阪のいろいろな地域で活躍している方やその地域の活動内容を通して、大阪の「ひと」や「まち」の魅力を発見していきます。
たくさんの人に知ってほしい大阪を魅力いっぱい、情報満載でご紹介していきますので、みなさんご期待ください。

2006年9月2日(土)放送

行政と住民の間に入って、
防災の啓発活動に取り組む。
〜NPO法人『ハドル』〜

関東大震災が1923(大正12)の9月1日に起きたこと。また、9月1日が昔から台風が多いとされる二百十日(立春から210 日目)に当たることが多いことから、1960年以降9月1日が防災の日に、8月30日から9月5日までの1週間が防災週間となりました。阪神・淡路大震災以来、防災に対する関心も高まっています。とくに最近は、台風や集中豪雨による洪水や土砂災害が増えています。実は大阪も土砂災害の危険箇所が多く、洪水についても大きな問題を抱えているそうです。そこで今回は、行政と住民の間に入って、洪水と土砂災害防止活動に取り組んでいるNPO法人『ハドル』の活動をご紹介します。代表理事の西村公志(にしむら こうじ)さんに、詳しいお話を伺います。



●インタビュー前半

藤原:NPO法人『ハドル』というのは、どんなことをしている団体ですか?
西村さん(以下、西村・敬称略):私たちは、洪水や土砂災害の防止の啓発活動に取り組んでいます。また、活動を通じて、障害のある方や高齢者が働ける場を広げる支援活動も行っていきたいと思っています。

藤原:NPO法人ですよね。
西村:はい。

藤原:そうしたことは、普通、行政がすることでは?
西村:“防災イコール行政のすること”っていうふうに、一般の方はよく思われたりしますが、実は最近“共助”・・・共に助けるという言葉があります。これは行政も頑張るんですが、私たち住民も一緒に協力して、防災あるいは減災・・・減らす災害ですね、その取り組みをしていこうということです。

藤原:行政のほうから、よく防災情報のマップみたいなものが届きますけれども。
西村:そうですね。行政も頑張っているのですが、残念ながら、せっかくの防災情報も、紙面が大き過ぎるとか、内容が難しいということで、そのままゴミ箱に捨てられてしまうケースもあるみたいです。それをNPOの立場で、冷静に見つめ、行政に対して、もっとこのようにすれば、防災の情報が分かりやすく、地域の住民のみなさまに伝わっていくというようなことを提案していくのが、私たちの活動と考えています。

藤原:住民の視点に立った行政への提案や、行政との連携をされているということですね。行政機関抜きで、『ハドル』だけでしている活動もあるのでしょうか?
西村:例えば出前講座は、純粋に『ハドル』だけで活動しています。市民活動のイベントで、障害者の団体や高齢者の団体と一緒にブースを並べ、休憩所感覚でブースに立ち寄っていただいた人々に、CGやアニメーションなどを使って、分かりやすく防災の情報の提供を心掛けています。

藤原:防災って、頭では分かっていますが、情報が難しすぎて、なかなか噛み砕いて言ってもらう機会がないですから、分かりやすく教えてもらうというのは、いいですね。
西村:そうですね。情報の受けて側の視点に立って、言葉を選びながら説明していくことが一番大切なことだと思っております。



●スタジオ

藤原:福島区にNPOプラザという建物があり、その中にはNPO法人がたくさん集まっていて、そこでお話を伺いました。西村さんは、現在40歳で、元々、大手建設コンサルタント会社の社員でした。受注者である建設コンサルタントという立場で、「こう思ってるんだけど…、こうしたいんだけど…」と言いたいけれど、発注者である国や自治体は「でもそこまでしなくていい」という。そのあたりにもどかしさを感じられて、NPO法人を設立されました。そして現在、いろいろなところに出向いて教えていらっしゃいます。お話にもありました出前講座では、日本だけではなくタイにも行って、子どもたちに砂防の出前講座をされたこともあるそうです。もっといろいろなところに行って、一人一人にもっと細かく教えていってあげたいとお話されていました。後半は今後の展開などについて、伺っています。



●インタビュー後半

藤原:今後は、NPO法人『ハドル』として、どのようにしていきたいとお考えですか。
西村:基本方針は先程申し上げましたように、人を集めるのではなくて、集まるところに出向いて行って、分かりやすく情報を伝えていくという考え方にあります。先程の災害時の要援護者対策に関してですが、防災上では、災害時要援護者は守られるべき立場と考えられるのが一般的だと思いますが、これはまったく対立する立場ではないと思うんですね。平常時における防災の啓発活動などで、例えばマップを作製して、それを元に啓発活動をすることは可能だと思っております。ですから、守られるべきではなくて、自ら身近な危険箇所を知る、避難場所を知る、そして平常時には啓発活動に取り組んで人間関係を構築し、いざという時には、助けてもらえる。そうした地域社会が形成されればと考えています。


代表理事
西村公志さん

『たかつきフェスタ・2006』の
NPO参画市場での様子

箕面市で開かれた『平和市』での様子。
まだまだ認知度が低い、大阪の危険箇所

全国統一防災訓練では、柏原市で
災害についての講義を行いました



藤原:普段から災害っていうのは、身近なところにあるということを意識していかないと駄目っていうことなんですね。
西村:そうですね。大阪府には4300もの危険な箇所がありますが、平常時に危機意識をあおる必要はないと思います。ですから、いざという時の備えを強制的ではなく、楽しく平常時に学んでいくような活動ができればと思っています。

藤原:はい、よく分かりました。ありがとうございました。




●スタジオ

藤原:各家庭に、防災マップは、各家庭に配られているのですが、実際に私は、今まで気付いていませんでした。見せていただいたら、かなり大きいんですよね。地域によって異なりますが、A4サイズの倍や3倍ぐらいのサイズです。それだと配られた時はちらっと見るんですが…。でもこのマップは、いざ、何か起こった時に、必要なわけですよね。

松本:そうですね。

藤原:でも大き過ぎて、ちょっとゴミになってしまう。一瞬見たけど、記憶に残らないまま捨ててしまう。そんな方が多いので、できれば冷蔵庫なんかに貼っておけるような、本当にコンパクトな自分の住んでいる地域だけのマップになればいいのにと、そんな企画もされていました。“ハドル”という名前は、アメフト用語で、“円陣”という意味なんだそうです。みんなで知恵を出し合って、いろいろなことを、自分たちのためになる生活を守っていきたいという意味が込められているそうです。

松本:“ハドルを組む”なんて言いますからね。

藤原:本当にいろいろな場所に出向かれています。私たちが去年の秋に行きました『市民フェスタ』や、最近では『福島区民まつり』にもブースを出されていたんですよ。商店街や屋外、屋内を問わず、イベントに出られたり、あと公園などで40〜50人を集めて、プロジェクターを使って、パソコンでお話されたりといった活動をされているようです。


お問い合わせ/
TEL : 06-6464-1270
E-mail:huddle@onp.or.jp
http://www.geocities.jp/npohuddle/index.htm



● 取材を終えて、感じたこと

大阪でも災害危険箇所がたくさんあると聞き、びっくりしました。
『ハドル』のみなさんは、決して恐怖感をあおっているわけではありません。いざという時に、どこへどのルートを通って避難すればよいのか、家族とどう連絡すればよいのか、などを普段から知っておくことが大事であると教えてくださいました。
何かあってからではもう遅い。何か起こった時の被害を最小限にする為に、日頃からの心構えを私自身、もう一度考えてみたいと思います。


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