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毎回、大阪を拠点に活動しているNPO法人やNGO、ボランティア団体、そして大阪のいろいろな地域で活躍している方やその地域の活動内容を通して、大阪の「ひと」や「まち」の魅力を発見していきます。
たくさんの人に知ってほしい大阪を魅力いっぱい、情報満載でご紹介していきますので、みなさんご期待ください。

2006年8月26日(土)放送

ウケてなんぼの、大阪流どじょうすくい
〜『大阪どじょうすくい愛好会』〜

今回は、『大阪どじょうすくい愛好会』の活動をご紹介します。どじょうすくいと言えば、島根県安来市(やすぎし)が発祥の踊りを想像しますが、『大阪どじょうすくい愛好会』では、大阪市立生野区民センターを中心に、大阪ならではのどじょうすくいを広める活動をしています。また実際に、その“大阪流どじょうすくい”で多くのみなさんを喜ばせる活動もしているそうです。『大阪どじょうすくい愛好会』の会長で、“林家流どじょうすくい”家元の、林家三笑(はやしや さんしょう)さんに、お話を伺います。



●インタビュー前半

藤原:“林家流どじょうすくい”言い換えて、“大阪流どじょうすくい”は、普通のどじょうすくいと、どこが違うのでしょう?
林家:とにかくみなさんご存じのように、大阪というところは芸に厳しい、笑いに厳しいところですから、あんまりサラッとしても、まったく大阪じゃウケないんですよね。だからそこをやっぱりこってりと、これでもか!というぐらいの笑いをとるような仕草、表情で踊る、それが“大阪流どじょうすくい”です。

藤原:具体的にはどんなことをするのですか?
林家:大阪流というのはストーリーだけでは駄目で、まず、客席から“チャカチャカチャンチャンチャン〜♪”というふうに出ていって、お客さんと握手する。そこで我々でいうコミュニケーション、“つかみ”を最初にグッとつかんでおいて、タンタンタンと舞台へ上がり、パッと出て、中央でニコッと笑う・・・すると、ウケるんですよね。

藤原:安来のどじょうすくいでは、細かく踊りの動作などが決まっていると思いますが、“大阪流どじょうすくい”では、ここで、こんな動作をしてお客さんから笑いをとる、といった細かい決まりはあるのですか?
林家:それを決めたら駄目なんです。それを決めないのが、大阪流でございまして、大阪流っていうのは、アレンジ一本でございます。

藤原:じゃあ、その場の空気を読んで。
林家:そうそう。めちゃくちゃ、はっちゃかするのが大阪流でございまいして、とにかくウケないことには、これはどうしようもないわけでね。だから舞台に応じた台本を描くというのが大阪流。それが一番でございます。

藤原:愛好会の会員の方は、何人いらっしゃるのですか?
林家:今、大体40名程で、女性の方が約半数を占めていますね。

藤原:女性の方が多いのですか?
林家:それもまた若い方。最近の傾向として、デイセンターへお勤めの女性の方がたくさんいらっしゃいますね。

藤原:お年寄りに見ていただいて、喜んでもらいたいっていうことですね。
林家:その通りでございます。どじょうすくいを習って、デイセンターで披露する。そこですごくウケるっていうんですかね。「先生、ウケました!良かったですわ。習ってて良かったですわ。」っていう声が、事後報告として、私の方へ連絡がきます。




●スタジオ

松本:この“家元”と名乗っている林家三笑さんって、噺家さんですか。

藤原:そうなんですよ。元々は、落語の方です。

松本:そうでしょうね。しゃべり方がね、ちょっと違いますもんね。

藤原:林家染三(はやしや そめぞう)さんのお弟子さんなんです。オール阪神・巨人さんも元々、林家染三さんのお弟子さんで、三笑さんと同期にあたるそうです。実は、オール阪神・巨人さんを、「背の高い方と低い方で、デコボコやから、一緒になったら面白いんちがう?」って二人を引き合わせたのが、三笑さんなんですって。

松本:そうなんですか。

藤原:元々は落語を勉強されていたんですけど、ある日突然、どじょうすくいにハマッてしまって、今はほとんど落語はせず、どじょうすくい一本でされているそうです。

松本:どじょうすくい一本で!?

藤原:ほとんどですよ。林家さん自身は、ご商売もされているので、今、ボランティア的にどじょうすくいを教えていらっしゃいます。“三笑”っていう名前の字は、漢数字の三に笑うって書きます。どじょうすくいも、笑顔がいっぱい詰まった踊りになりますから、向いていらっしゃるんでしょうね。後半は、「なぜどじょうすくいなの?」というあたりも、聞いています。



●インタビュー後半

藤原:どじょうすくいを始めた
きっかけといいますと?
林家:以前、老人ホームに行った時に、物まねがまったくウケなかったんです。それで何かないかと考えていた折に、たまたま百貨店の山陰物産展で、どじょうすくいがあることを知って見に行きました。その時に、荒木八洲雄(あらき やすお)さんという師匠の笑顔を見て「あっ、これやな!」、「これは絶対お年寄りにウケるな」と思い、習い始めました。
その師匠がフリーでされている師匠だから良かったんですね。もしこれが保存会の師匠だったら、四角四面、「これは駄目ですよ」、「あれは駄目ですよ」、という規制がすごくあったと思うんですけど・・・。僕、ちょっと芸に行き詰まった時に、「師匠、こんな時どうしたら、よろしいんですか」って相談したら、師匠は「アンタの好きなようにしなさい」と。

家元
林家三笑さん

スタジオ内では実演を交えながら
説明していただきました

笑顔! 笑顔! 笑顔!

スーツ姿でも、
楽しければいいんです!

イベントにも参加します。
メンバーで記念撮影

〜ピピッと番外編〜
ラジオ大阪の原田アナウンサー
これが3級の腕前!



藤原:いい方でしたね。
林家:もうそれ聞いて「あっ、好きなようにするのが、どじょうすくいやな」ということが、実は分かった次第で、それがすごく刺激になりました。今の“大阪流どじょうすくい”があるのは、そういうきっかけですね。

藤原:今日もたくさん資料をいただきまして、過去にいろいろなところでご出演されていますが、今までで、一番印象に残っているコンテストみたいなものってありました?
林家:大阪で花博が開催された時に、一芸大会という演芸大会のコンテストがあったんです。で、僕もそこへ参加し、実は優勝…したんですけども・・・。

藤原:へー!すごいことですよね。花博ですと、たくさんの方が参加されたでしょう。
林家:どじょうすくいの保存会の方も参加されてまして、その方は2位でした。

藤原:保存会の方っていうと、本場の方で、その道のプロですよね。
林家:まあ、そうでしょうね。

藤原:その方を差し置いて、一番になられたわけですか。すごい。
林家:それは、やっぱり「大阪人として、負けられん!本場には負けられん!」という、大阪人としての誇りというか、プライドっていうか、そういうもんがありまして。それでチャレンジしたんですけど、やはりその意外性が多分審査員の方にウケたと僕は思うんです。

藤原:心が通じたんでしょうね。



●スタジオ

松本:もう本家を上回ってしまったんでしょうね。

藤原:そうなんですよ。

松本:実は、ラジオ大阪の原田アナウンサーがどじょうすくい検定3級を持っているんですけど(笑)、これからは本家じゃなくて、三笑さんに見習って、“林家流どじょうすくい”、“大阪流どじょうすくい”をやってほしいですね。

藤原:そうです!ぜひともみなさんも。興味を持たれた方は、『大阪流どじょうすくい教室』も開かれていますので、ちょっとのぞいてみてください。大阪市立生野区民センターで行われています。毎月、原則として、第1日曜日と第3日曜日の午後5時から8時まで。月2回は必ず行われているそうですが、区民センターの都合で、曜日や週が変わったりすることもあるそうです。会員制で、入会金5000円で通信費などに使われます。会費は1回2000円ずつ払う方式です。月謝方式ですと、都合が悪くて来られないともったいないですから、毎回2000円払ってください。『大阪どじょうすくい愛好会』に関するお問い合わせは、林家三笑さんまでお願いします。


お問い合わせ/
TEL : 072-472-2190



● 取材を終えて、感じたこと

取材中「こんな風に踊るんですよ」と、話の途中で何度も立って踊ってくださった三笑さん。
どじょうすくい独特のユニークな動きにはもちろん注目するところですが、それに欠かせない笑顔にも魅了されました。
赤ちゃんにニッコリ微笑むと微笑み返してくれるように、人は笑顔を向けられると、ついニッコリと返してしまうものですよね。
笑顔って平和だな〜楽しい気持ちにさせてくれるものなんだな〜と、つくづく感じました。


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