●インタビュー前半
藤原:“林家流どじょうすくい”言い換えて、“大阪流どじょうすくい”は、普通のどじょうすくいと、どこが違うのでしょう?
林家:とにかくみなさんご存じのように、大阪というところは芸に厳しい、笑いに厳しいところですから、あんまりサラッとしても、まったく大阪じゃウケないんですよね。だからそこをやっぱりこってりと、これでもか!というぐらいの笑いをとるような仕草、表情で踊る、それが“大阪流どじょうすくい”です。
藤原:具体的にはどんなことをするのですか?
林家:大阪流というのはストーリーだけでは駄目で、まず、客席から“チャカチャカチャンチャンチャン〜♪”というふうに出ていって、お客さんと握手する。そこで我々でいうコミュニケーション、“つかみ”を最初にグッとつかんでおいて、タンタンタンと舞台へ上がり、パッと出て、中央でニコッと笑う・・・すると、ウケるんですよね。
藤原:安来のどじょうすくいでは、細かく踊りの動作などが決まっていると思いますが、“大阪流どじょうすくい”では、ここで、こんな動作をしてお客さんから笑いをとる、といった細かい決まりはあるのですか?
林家:それを決めたら駄目なんです。それを決めないのが、大阪流でございまして、大阪流っていうのは、アレンジ一本でございます。
藤原:じゃあ、その場の空気を読んで。
林家:そうそう。めちゃくちゃ、はっちゃかするのが大阪流でございまいして、とにかくウケないことには、これはどうしようもないわけでね。だから舞台に応じた台本を描くというのが大阪流。それが一番でございます。
藤原:愛好会の会員の方は、何人いらっしゃるのですか?
林家:今、大体40名程で、女性の方が約半数を占めていますね。
藤原:女性の方が多いのですか?
林家:それもまた若い方。最近の傾向として、デイセンターへお勤めの女性の方がたくさんいらっしゃいますね。
藤原:お年寄りに見ていただいて、喜んでもらいたいっていうことですね。
林家:その通りでございます。どじょうすくいを習って、デイセンターで披露する。そこですごくウケるっていうんですかね。「先生、ウケました!良かったですわ。習ってて良かったですわ。」っていう声が、事後報告として、私の方へ連絡がきます。
●スタジオ
松本:この“家元”と名乗っている林家三笑さんって、噺家さんですか。
藤原:そうなんですよ。元々は、落語の方です。
松本:そうでしょうね。しゃべり方がね、ちょっと違いますもんね。
藤原:林家染三(はやしや そめぞう)さんのお弟子さんなんです。オール阪神・巨人さんも元々、林家染三さんのお弟子さんで、三笑さんと同期にあたるそうです。実は、オール阪神・巨人さんを、「背の高い方と低い方で、デコボコやから、一緒になったら面白いんちがう?」って二人を引き合わせたのが、三笑さんなんですって。
松本:そうなんですか。
藤原:元々は落語を勉強されていたんですけど、ある日突然、どじょうすくいにハマッてしまって、今はほとんど落語はせず、どじょうすくい一本でされているそうです。
松本:どじょうすくい一本で!?
藤原:ほとんどですよ。林家さん自身は、ご商売もされているので、今、ボランティア的にどじょうすくいを教えていらっしゃいます。“三笑”っていう名前の字は、漢数字の三に笑うって書きます。どじょうすくいも、笑顔がいっぱい詰まった踊りになりますから、向いていらっしゃるんでしょうね。後半は、「なぜどじょうすくいなの?」というあたりも、聞いています。
●インタビュー後半
藤原:どじょうすくいを始めたきっかけといいますと?
林家:以前、老人ホームに行った時に、物まねがまったくウケなかったんです。それで何かないかと考えていた折に、たまたま百貨店の山陰物産展で、どじょうすくいがあることを知って見に行きました。その時に、荒木八洲雄(あらき やすお)さんという師匠の笑顔を見て「あっ、これやな!」、「これは絶対お年寄りにウケるな」と思い、習い始めました。
その師匠がフリーでされている師匠だから良かったんですね。もしこれが保存会の師匠だったら、四角四面、「これは駄目ですよ」、「あれは駄目ですよ」、という規制がすごくあったと思うんですけど・・・。僕、ちょっと芸に行き詰まった時に、「師匠、こんな時どうしたら、よろしいんですか」って相談したら、師匠は「アンタの好きなようにしなさい」と。
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家元
林家三笑さん
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スタジオ内では実演を交えながら
説明していただきました
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笑顔! 笑顔! 笑顔!
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スーツ姿でも、
楽しければいいんです!
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イベントにも参加します。
メンバーで記念撮影
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〜ピピッと番外編〜
ラジオ大阪の原田アナウンサー
これが3級の腕前!
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