●森川さんにインタビュー
藤原:まずは森川さんに伺います。『こいや祭り』って、どんなお祭りですか?
森川さん(以下、森川・敬称略):『こいや祭り』は、市民のみなさんが参加できる踊りのお祭りです。メイン会場としてステージを設けているのは、大阪城公園・太陽の広場。地域会場として、京橋や梅田のスカイビル、千里中央など約7会場設け、2日間にわたって行います。
藤原:どういう踊りを踊るのですか? いくつか種類があるのですか?
森川:種類はたくさんあって、主によさこい、その他にはヒップホップがあったりとか、お母さんたちの健康体操であったりとか、ほんとにもう多岐にわたるジャンルを踊っていただいています。
藤原:じゃあ、年齢層も幅広いんですね?
森川:幅広いです。
藤原:今年で何回目の開催になりますか?
森川:7回目になります。
藤原:7年前に始まって、今に至る経緯をお聞かせください。
森川:まず、立ち上げたのは学生です。阪神・淡路大震災があった頃で、お互いに人と人とが助け合っている姿を目の当たりにし、「人の生き甲斐ってなんだろう?」って思った当時のスタッフが、ボランティア活動のつながりで、北海道の『よさこいソーラン祭り』を見に行ったんです。町中に音楽が鳴り響いて、何十人もの人が、その音楽ひとつで踊り合っている。踊っているだけじゃなくって、踊りを見ている人たちも、「頑張れ!」と声を掛けている。ちょうどその頃、不景気で大阪の経済も傾いていて、商店街もシャッターが閉まっている状況にあったので、「こういったものを大阪に持って来ないと!」と思ったのが、始まりです。
藤原:なるほど。それが7年前ですよね?
森川:はい、そうです。
藤原:森川さんは、今、何回生ですか?
森川:大学4回生になります。
藤原:いつから実行委員会に参加されているのですか?
森川:第4回目の開催の時から、関わっています。
藤原:じゃあ、大学に入学してすぐ。
森川:そうです。
藤原:その時に運営を任されたと思いますけれども、いろいろ大変なこともあったんじゃないですか?
森川:そうですね。まず、初めて会議に行ったんですけども、行ってすぐに「君は会場の責任者だから、よろしく」っていうふうに、いきなり言われてしまいました。
藤原:何も知らない時に?
森川:はい(笑)。
藤原:大丈夫でした?
森川:なんとか、いけました。
藤原:会場の責任者というのは、具体的にはどういうことをするのですか?
森川:その時は、会場さえ取っていなくて、まず会場を押さえるところから始まりました。会場を管理している方にあいさつに行ったり、警察にも行って申請を出したりとか、あと、必要なものを揃えるために、どこから集めようとかっていう。
藤原:お金がかかりますよね。
森川:でも、お金はないので、「無料で借りられるところを探して」って、言われました(笑)。
●スタジオ
藤原:資金面では、厳しいみたいですよ。
松本:何もないとこからスタートしてますからね。
藤原:そうなんですよ。だから面白いっていうのもあるんですけれども。
松本:まあ、1から作る、ゼロから作る。
藤原:やり甲斐はあるんですが、領収書を持ってきても、ビリビリッと破られたり・・・。
松本:厳しいな、それは。
藤原:はぁ〜っていう、ため息まじりらしいですよ。2日間で12万人も集まる大きなお祭りなので、どんなにスタッフがいるのかと思ったら、なんと実行委員会はたったの8人しかいないそうなんです。
松本:へー。
藤原:でも、当日や当日直前になると、あらゆるところから学生を中心にボランティアスタッフが集まって来て、大体200人ぐらいが「一緒にやろうよ」って手伝ってくれるんですって。その辺も学生ならではのネットワークを感じるところです。
松本:若い人たちは、お祭りが好き、踊りが好きですからね。
藤原:実行委員会の方でも、『特選こいや丼(どん)』というチームを作っています。このチームで、他のお祭りに参加したり、『こいや祭り』のPRをしたりするんです。また、チームを作りたいけど、ノウハウがないという人にも入ってもらって、体験してもらったり、一人で踊りたいんだけど、でもチームが作れないっていう人にも、「じゃあ、試しにうちにおいでやー」、「こいやこいや」、「おいでおいで」、ということで。
松本:ああ、そういう意味もあるわけですね。
藤原:はい。なんかすごく楽しそうでした。後半部分は高山さんに伺っています。 |
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実行委員長の
森川舞さん(右)と
事務局長の
高山加奈子さん(左)
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心をひとつにするオリジナルTシャツ
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会場で使用する看板などは全て手作り
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地道なPRが成功の秘訣!
もちろんチラシも手作り
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会場の準備前に意気込むスタッフたち
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『こいや祭り』のために
チームを結成して東京から
参加してくれた『のりのり団』
(2004年)
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本場北海道からは北海道大学の
チーム『縁』(えん)が参加
(2004年)
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三重県からは
『極津』(ごっつ)が参加
(2004年)
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フィナーレは総踊りで“ごちゃまぜ!”
(2005年)
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