ホームページでは、大阪が大好きな私、藤原宏美がNPO法人やNGOなどの団体をご紹介していきます。今回は、平野区にある旧平野郷の住民が中心になって、いろんな側面から平野という町の魅力をアピールして、形にしてらっしゃる『平野の町づくりを考える会』の広報担当で、全興寺(せんこうじ)住職であります川口良仁さんにお伺いしております。
Q.まずは、『平野の町づくりを考える会』の主な活動を教えて下さい。
「『平野の町づくりを考える会』は、昭和55年に発足しまして、今年で25年経つんですけれども、その間を整理してみますと、大きな4つの柱に分かれるかなと思っております。1つはいわゆるハード、入れ物づくりですね。町並みであるとか、道路修景であるとか、そういう面ですね。そして2つめが、入れ物の中身であるソフト、これはコミュニティとかの文化、そういう“暮らし”という面ですね。それから3つ目は、アート。町全体をアートにするというようなことでコンサートを行ったり、若いアーティストの作品を飾ったり、ダンスなどを行うという、そういう切り口から町づくりを見直すということもあります。それからいちばんの背骨としているのは、伝統継承ということで、平野の伝統行事とか、伝わってきた祭である とか、そういうものを次の世代に伝えていくことがやっぱり大きな柱なんです」
Q.その4つの柱ということですが、まずは、ハード面・入れ物の部分を教えていただけますか?
「大きなテーマというのは、歴史を生かす町づくりということで、なるべく歴史的な建物、それから、町並みですね。そういうものを生かしていきたいなということで、まずは残っている建物を調査して、記録に残していくということと、最近は平成11年からなんですけれども、大阪市さんとの協働っていいますか、パートナーシップで協議会をつくりまして、町家の修景や、修理などを行って、元通りの平野の昔の町家に戻す活動をしております。外見を格子にしたり、瓦屋根を直したりとそういうことについての修景の補助事業っていうのもありますし、それから古い町家に住みたい人と町家を貸したい人との間を取りもつ仲介役のような、町家情報バンクということもやっております」
Q.では、その町並みから入れ物の中身ですね。暮らしの部分、ソフト面について教えていただけますか?
「平成5年から始まった『町ぐるみ博物館』というのがあります。これは色々なお店屋さんそのものが博物館ということで、例えば自転車屋さんの田川さんというところがあります。この方は手作りの自転車を、今まで400種類ぐらいご自分で作っておられまして、ギネスに載った世界最大の自転車を作られたこともあるそうです。それらを展示している『自転車屋さん博物館』。それから平野の和菓子を売っておられる店。和菓子を作る道具や型であるとか、作る量りであるとか、そういう風な道具を展示している『和菓子屋さん博物館』というのもあります。
私の全興寺は『駄菓子屋さん博物館』。これは私の趣味でもありますが、30年近く、おもちゃを集めておりまして、とくに駄菓子屋さんで売っていた昭和20年代、30年代の懐かしいおもちゃを展示してるんです」
Q.『平野の町づくりを考える会』は、どんな風に生まれたんですか? 又、会員はどのくらいおられるのですか?
「大正時代からずっと庶民の足として平野に来てた南海平野線っていうチンチン電車がありまして、それが昭和55年に廃線になるということで、その終着駅の平野の八角形の駅舎が非常にユニークな大正建築だったんですけど、これがつぶれるという話になった。それを保存しようというのがきっかけとなり『平野の町づくりを考える会』というのが発足されたんですね。
メンバーは現在は大体30人ぐらいです。発足した時も30人ぐらいで、この“ぐらい”っていうのはこの会は元々、会則も会費も会長もないという会で、会員というよりは『そういうことに興味を持って参加していただいている』という形では30人ということです。フリーマーケットなど色々な行事をやっていますがその時に、それぞれ参加される方自身も大きく言えば会員ということになるかもしれませんね」
Q.今後の活動の目標とか運営方針を教えていただけますか?
「私たちは特に『こういう町が理想である』とか、『こういう町に何年後にしよう』とか、そういう目標は持ってないんです。ということは、町づくりっていうのは、結局ずっと永遠に続くと思うんですね。今、僕たちはこれでいいと思っているけれども、後世、どういう風に評価されるか分かりませんし、それと例えば3年後にこんな町にしようとやったところで、町ってどんどん動いていきますから、その時は、ずれてしまうかもしれない。一応、まとめてみたら三原則で動いているんじゃないかなと思ってるんです。
まず1つは大阪、これは多分、関西じゃないと通用しないんですけれども、とにかく面白いことをやろうと。面白いことをやる。みんな仕事を持ってるわけですが、仕事を離れて、夢中になるっていうことはやっぱり面白いことをやっているからなんですね。2つ目は面白いことをやるためには、ええ加減にやらなおもろないと。例えば、10人中8人ぐらいが賛成したのは面白くなくて、あと残った2人の意見が面白いと考える。完全に石橋を叩いて渡っていると面白くない。失敗したりハプニングがあったりしてこそ面白いと。そこを楽しまな、面白くないんですね。3つ目は会費っていうか、お金がない。補助金ももらってないし、会費も取ってないので、人のふんどしで相撲をとると(笑)
そういう、タダやから、強いということもあるんですよ。そのような三原則で、25年続けてきて、これからも「金かけず・ええ加減に・面白く」で『平野の町づくりを考える会』を続けて行きたいですね」
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平野の町づくりを考える会
広報担当
川口さん |
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全興寺 |
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境内の一角にある「駄菓子屋さん博物館」 |
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中には懐かしいおもちゃがいっぱい!
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「平野の音博物館」では色々な音、行事、昔話などを聞くことができます |
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