ホームページでは、大阪が大好きな私、藤原宏美がNPO法人やNGOなどの団体をご紹介していきます。今回は、大阪市西区にありますNPO法人「浪速魚菜の会」のオフィスにお邪魔しました。大阪の伝統的な食材にこだわり、それらをもう一度復活させ、普及させようという活動をしていらっしゃる当会代表 笹井良隆(ささいよしたか)さんにお話をお伺いします。
Q.笹井さんが代表を務めますNPO法人「浪速魚菜の会」は、どのような活動をされているのでしょうか?
「5年前から活動を開始して、昨年2004年にNPO法人の認可を得ました。活動当初は、浪速の野菜を使った料理をみんなで楽しもうというところからスタートしたのですが、会員が100名以上に増えてきた頃、食材を大量に調達しなければならなくなりました。そのことがきっかけで、こだわりの野菜を作ってもらう農家を支援する活動が主な活動の中心となりました」
Q.料理に使うこだわりの食材の支援活動とは、具体的にどういうものですか? 「基本は旬ということ。春夏秋冬、旬の野菜とその時期に獲れる魚を合わせた料理を出していきます。ちなみに今の時期だと春なので、桜鯛です。桜鯛には、魚島という歴史、文化があります。外洋から産卵のため鯛が瀬戸内海に入ってきた時、上から見ると島のように見えたということで、“魚島時”と昔から呼ばれ、その時期は、養殖の鯛よりも天然の鯛の方が値が下がります。スーパーなどでこの時期見ていただくと非常においしい天然の鯛が養殖の鯛よりも安く買えるという訳です」
Q.「ほんまもんシール」を貼る意味と、会員になるとどういう特典があるのか教えてください。
「味を見て浪速の野菜と呼ぶのにふさわしいと判断したものに対して、この『ほんまもんシール』を貼って、流通させていこうと考えています。浪速の伝統野菜というのは大量に作ることができず、量が少ないので、そういった良いものを残していこうと活動しています。具体的には、農家の方に生産していただくようお願いして、それをこちらで買い取り、会員である飲食店やホテルに買っていただくということで、今、流通を整えております。会員であるお店は、現在約60軒くらいになりますが、今後、100軒くらいまでは増えていくだろうと思います。会員の方から年会費15,000円いただいておりまして、特典としまして、年4回、料理顧問である上野修三さんが料理監修した料理会と勉強会を行いまして、その後、コース料理を試食していただきます。また当会が年4回発行しております大阪食文化専門誌『浮瀬(うかむせ)』の無料配布、そして野菜が欲しいという方に対しては、その月に採れる欲しい野菜を欲しいだけ買っていただけます」
Q.浪速の野菜の味や特徴を教えてください。 「京野菜と違って、味に個性があります。例えば天王寺かぶらは、通常のかぶらよりも糖度が2倍程度高いので、非常に甘いです。田辺大根は非常に緻密な肉質なので、ふろふきにしても煮崩れせず非常に美味しいですね。そうした味にちょっと個性のあるところが浪速野菜の特徴だと思います」
Q.伝統野菜を農家の方に作ってもらう支援活動以外には、どういうことをされているのでしょうか?
「伝統野菜を普及させるという活動以外では、実際に大阪府漁連(大阪府漁業協同組合連合会)さんと一緒になって、大阪の近郊で獲れる魚を扱いたいというお店に対して、供給するようなこともやっていきたいと思っています」
Q.今後の活動予定を教えてください。
「今年、できれば高槻の駅から車で20分くらい行った所に観光センターがあるのですが、そこで大阪府の森林組合さんと一緒に浪速の魚菜、大阪の地野菜、つまり大阪のものばかりを使った里山レストランをやろうという計画を進めています。大阪のこだわりの食材をたくさん食べていただきながら、勉強したり、大阪の食を知ってもらうことができればいいなと思っています」
Q.では最後に笹井さんにとって、大阪のいいところ、大阪やないとあかんねん、という点があれば教えてください。 「大阪は安くてうまい町と言われますが、厳密には正しくないですね。大阪はうまくて安いということだと思います。まず最初に美味しさが前提にあって、それに見合う価格が付いているということであれば、大阪人は認めます。まず何よりも品質や味を大事にしたいということが大阪やと思います」
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浪速魚菜の会
代表
笹井さん |
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今日は笹井さんに
いろいろな話をお伺いします |
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大阪食文化専門誌「浮瀬」 |
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浪速の野菜と認められた証である
「ほんまもんシール」 |
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これが、こだわりの浪速の野菜です |
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