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ホームページでは、生粋の大阪人、ラジオ大阪アナウンサー松本恵治が、毎回、大阪のいろいろな地域で活躍している方やその地域をご紹介します。
2006年3月18日(土)放送

  福島区精神保健福祉ボランティア『うらら』

今回は、福島区精神保健福祉ボランティア『うらら』の活動をご紹介します。医者でも、看護師でもない一般市民のみなさんが、ごく普通に心の病をかかえる方との交流を図りながら、患者のみなさんと同じ目線でのサポート活動を続けていらっしゃるそうです。どのような活動をされているのか、代表の西永洋子(にしなが ようこ)さんに伺います。



松本:『うらら』のみなさんは、医療関係の方ではないと伺っていますが、どのようなみなさんの集まりですか?
西永さん(以下、西永・敬称略):2003年3月に精神保健福祉ボランティア養成講座を受け、それを修了したものが集まって、ボランティア団体を誕生させました。この講座は病気を理解して、地域社会とのつなぎ役になるボランティアを養成するものでした。最初は何をするのかわけが分からないうちに始め、そのうちはまってしまい、今に至っています。

松本:現在の活動について、お教えください。
西永:1ヵ所は保健福祉センター、もう1ヵ所は小規模授産施設『ワークはづき』の2ヵ所で活動しています。

松本:福島区の保健福祉センターでは、どのような活動をされているのですか?
西永:病気の方を対象に、グループワークを週1回行っています。これは心の病気を抱えた方が、社会参加するにあたって、やる気や自信を取り戻す訓練をするシステムです。様々なプログラムがあり、私たちも一緒に参加して、彼らと同じことをして過ごしています。

松本:プログラムの内容について具体的にお教えください。
西永:大きく分けると、SST、レクリエーション、運動、イベントになります。SSTというのは、生活技能訓練です。これは専門の方がなさいますので、私たちもそばで、みなさんと同じようにお話をします。レクリエーションは、みなさんが相談して、今度は工作をしよう、どこかに行こう、運動しようなどといったことを決めて行います。

松本:心の病から社会復帰を目指す人たちの支援に、どんな形で参加されているのですか?
西永:何をするとか、してあげるとかいうのではなく、ただそばにいて一緒に同じことをします。

松本:一緒にですか?
西永:はい。例えば一緒に工作をしていると、お互いに隣に座った人と話をしますよね。普通に隣の人と話をする。近所の人と話をする。病気のあるなしにかかわらず、普通に対等に、話したり笑ったりする。それが病気の人たちにとって、外の人とのつながりになるわけです。

松本:例えばレクリエーションでゲートボールをする時には、一緒にプレーをされるわけですか?
西永:そうです。だから何も特別なことではなく、一緒にやっている間に共通の楽しみや、共通の話題ができますよね。すると、心がつながっていく、思いを同じにすることができるようになります。

松本:『ワークはづき』での活動についても、お教えください。
西永:『ワークはづき』は病気の方が通って来られる授産施設ですが、作業をするだけの場所ではなく、みなさんが集まって話し合ったり、励まし合う場所でもあります。毎週月曜日に、お昼ご飯のメニューをみんなで相談して作り、みんなで食べようというのを実施していますが、私たちは、そのお昼ご飯作りをお手伝いしています。

松本:『うらら』のみなさんも一緒に食べるのですか?
西永:一緒に食べます。1時間で14〜15人分を作るので、うまく味付けができた日もあれば、だめな日もありますが、みなさんおいしいと言ってくださいます。みんなですると、「どうだった?どうだった?」「今日のはうまくいったね」「だめだったね」という話題が、そこで、また、できますし、ひとつ釜の飯を食べるわけですから楽しいですね。

松本:ここでも、最終的には、同じ目線で活動されているのですね。
西永:作ってあげるのではなく、通っていらっしゃる人たちと一緒に作る。だから男の人も包丁をにぎりますし、鍋を振ります。

松本:献立で何を作るかは、誰が決めるのですか?
西永:通っていらっしゃる方がみなさんで決められます。

松本:では、季節に合ったものを作ったりするのですね。
西永:そうです。自分たちが食べたいものがメニューにのりますし、例えばこういうものがテレビで「身体にいいよ」って紹介されるとそれがのっています。栄養のバランスも彼らが考えます。

松本:お昼ご飯のサービスの他には、『ワークはづき』でどんな活動をされているのですか?
西永:『ワークはづき』のいろんなイベントへの参加です。例えばソフトボールや運動会などの場合には、応援に行きます。また、イベントで自主製品の販売をされることがありますが、その際には、一緒に「いらっしゃい、いらっしゃい」と物を売るお手伝いをします。年末に餅つきをされますが、普段お世話になっている地域の方々に召し上がっていただくという主旨があるので、それのお手伝いもします。

代表 
西永 洋子さん


グループワークの作品の前で
「うらら」のメンバーです

養成講座で「うらら」の
説明をしています

養成講座で手話コーラスを披露して
みなさんに参加してもらいました

養成講座参加者と一緒に
手話コーラスの練習

「ワークはづき」の自主製品販売の
手伝いをしています

「ワークはづき」昼食サービスでの
調理風景



松本:そうした1回のプログラムに、何人ぐらいの方が参加されているのですか?
西永:それが今、人手不足でとっても困っています。登録は11人ほどいるのですが、活動できるメンバーは4〜5人しかおりません。毎回1〜2名ぐらいしか各活動に入れず、慢性人手不足という状態ですね。

松本:では、何人ぐらいをケアされるのですか?
西永:『ワークはづき』では14〜15人、『保健センター』では20人弱ですね。

松本:メンバーは、精神福祉ボランティア講座の受講者ということですが、西永さんご自身は、なぜその講座を受けようと思われたのでしょう?
西永:父がガンの手術後にうつ状態になり、心の病に関心があった時に、講座を知って受講し、その後、発足メンバーに入って続けています。

松本:ずっと続けていらっしゃるのには、何か理由があるのではないですか?
西永:発見というか心のふれあいが、とても気持ちがいいですね。一緒に時間を過ごしていますと、今まで話しかけようともされなかった人が、気がついたら話してくれていて、自分のことを信頼してくれていることに感動する瞬間があります。自分が必要とされている充実感、満足感がありますね。

松本:では、逆に癒されている面もあるということですか?
西永:そうです。だから、“してもらっている”のは私の方ではないか、と思うときもあります。

松本:心の病から社会復帰を目指している方はたくさんいらっしゃいますが、どのように接していいのかわからない方も多いと思います。そういった方にどんなアドバイスをされていますか?
西永:心の病にはあなたの持っていらっしゃる優しい心で対応すればいいと、私は思います。何もしなくていい。ただ、そばにいて、優しい気持ちをもって、一緒に楽しんで笑うだけでいいのではないでしょうか。




藤原:福島区精神保健福祉ボランティア『うらら』の活動に興味のある方は、「あいあいセンター」(福島区ボランティアビューロー) までお問い合わせください。


お問い合わせ/
「あいあいセンター」(福島区ボランティアビューロー) 
TEL:06-6454-0531
FAX:06-6454-6631


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