今回は、『旭区子供会育成連合協議会』の活動をご紹介いたします。子供会とどういう関係があるのかなども含めて、会長の杉浦久雄(すぎうら ひさお)さんに伺います。
松本:どういう組織か教えてください。
杉浦さん(以下、杉浦・敬称略):旭区の子供会の育成のためにある団体です。大阪市24区にはたいてい区の子供会がそれぞれあります。その大阪市の子供会の下に、各区の子供会の育成連合会が24ほどあるわけです。
松本:いつ頃、結成されたのですか?
杉浦:私どもの団体は約44年になりますから、昭和37年の結成です。
松本:旭区の子供会育成連合協議会の下に、校区ごとにいろいろな組織に分かれているのですか?
杉浦:旭区には10の小学校があります。その10の小学校の中に、各子供会の連合の協議会があります。
松本:旭区には、子供会は何単位ぐらいあるのですか?
杉浦:現在で、90単位ですね。
松本:人数は、どれぐらいですか?
杉浦:指導者も含めて約3200人ぐらいです。
松本:1つの子供会で、平均何人ぐらいですか?
杉浦:30人ぐらいです。
松本:主に活動は、どういった単位でするのですか?
杉浦:旭区の場合は、全体で大きなイベントもしますが、各町会単位の子供会になりますと、子どもたちを集めてお楽しみ会やお別れ会をやったり、ハイキングに行ったり、大人と子どもが一緒になって遊ぶという形で活動されていると思います。
松本:旭区全体の大きな行事としては、どういったものがあるのですか?
杉浦:滋賀県に新旭町という町がありますが、今は合併して高島市になっています。同じ旭という名前がついているよしみから交流を深めています。新旭町は里山などの田園風景のある、非常にいいところなので、そこを利用させていただいて農業体験などをしています。
松本:体験の具体的な内容についてお聞かせください。
杉浦:春に田植えをやり、秋に稲刈り、取り入れをするという活動をしています。
松本:参加者は何名ぐらいですか?
杉浦:6年ぐらい続いている行事で、初めの年はバスを3台連ねて行っていたのですが、慣れてきたということもあるかも分かりませんけど、だんだんと参加人数が減少しています。泥がいやという子もいるみたいです。今は大体バス1台と、あと車で係員が行く程度ですから50〜60人ぐらいになります。
松本:初めて田んぼの泥の中に入って行くときの子どもの反応はどうですか?
杉浦:初めての子は、ためらいます。どちらかというと、清潔好きな都会の子に育っていますから。初めは入りたがりませんが、一度入ってしまうと、「もうええわ、こんだけ汚れたら」と、泥んこになって遊んでいますね。
松本:それが本来の子どもの姿ですよね。
杉浦:大人が思っているだけで、都会の子も、根っこの部分で土と親しむという本能は持っているのでしょうね。それを一概に、「都会の子やから」と決めつけなければ、子どもは昔も今も同じです。
松本:農業体験の他には、どんなことをされているのですか?
杉浦:女子のキックベースボール大会と男子のソフトボール大会。その大阪市の大会に出場する代表選手を決める会が旭区であります。
松本:旭区は強いのですか?
杉浦:大阪市の大会で、キックベースボールは2、3回優勝していますね。ソフトボールも2回ぐらい優勝しています。
松本:その他どんな行事をされているのですか?
杉浦:秋に郊外へバスでハイキングに行きます。去年はバス4台ぐらいで行きました。親子ハイキングみたいな形で、低学年の子は親も一緒に、高学年の子は単独でという形で行っています。その他、2年に1度、御堂筋パレードに参加しています。いつもテレビでも放送されていますが、子ども神輿を作り、みんなでワッショイワッショイ言って御堂筋を練り歩いています。他にも、まだ色々とあります。今年は1月15日にしましたが、新春親子たこあげ大会を催しました。今年は風がなくて大変でした。お父さんが汗かいて、一生懸命走り回って、子どもは「お父さんまだ上がらないの?」って、心配そうに見ていました。
松本:会長として、どういう思いで活動をされているのかお聞かせください。
杉浦:学校という教育機関はありますが、子供会は、子供会なりに学校ができないことをやっていきたいと思っています。子どもと親が一緒に遊ぶ、1年生から6年生までの小さい子から大きい子まで幅広い年齢の子が一緒に遊ぶことが、大事だと考えています。学校では、何年何組という枠組みの中で遊ぶことになりやすいですから。
松本:縦の関係は育みにくくなっていますからね。
杉浦:路地裏からの発想ですね。路地裏にはお兄ちゃんも、お姉ちゃんも、妹も、弟も、小さい子もいる中で、みんなで遊ぶ。いたわることもあるだろうし、小さい子には手加減しないとだめなこともある。この上下関係ですね。いじめまでいかないけれども、悪さされて、それでも耐えて、お兄ちゃんについていく忍耐が自然と教えられたところがあったのではないかと思います。今の子どもたちには、そうした忍耐、怒られて殴られていじめられてという経験がないから、大きくなって初めていじめられると非常に傷つきます。私らは、いつもお兄ちゃんに怒られるのが当たり前でしたから、そんなに悲観的にはなりませんでした。一緒に遊んでもらったり、けんかしたり、信頼関係があったからでしょうね。
松本:最後に、旭区のいいところ、自慢を聞かせてください。
杉浦:旭区は、行政区でいうとそんなに古くはありませんが、戦災にあまりあわなかったので、古い町並みがまだ残っています。路地もいっぱいありますし、あまり大きなマンションが建つようなところもありませんし、工場も少ない。だから地域の結びつきが、お年寄りからずっと代々引き継がれてきています。泥臭いお付き合いなどもまだ残っていて、そういうところも含めていいところだと思います。
松本:その泥臭さをいい意味で引き継いでいってほしいですね。生き生きと目を輝かせ、泥にまみれている子どもたちの姿も浮かんできました。これからも旭区の子どもたちのためにがんばっていただきたいと思います。
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会長
杉浦 久雄さん |
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年齢の枠を超えて、交流をして
学校ではできないことをめざします
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大人と子どもが一緒に、郊外に行って、
自然を満喫します
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水田ではみんな泥だらけに
なりながら頑張りました
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「都会っ子」でも、
子どもは昔も今も土が大好きです
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大人と子どもが一緒になって行った
稲刈りは、大収穫
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大阪市で行われる、キックベースと
ソフトボールの代表選手権
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