今回は、『此花少年少女合唱団』の活動を発足以来25年間指導されている、指導者の勝藤美麗(かつふじ みれい)さんに伺います。
松本:どのようなきっかけで、25年前に『此花少年少女合唱団』が生まれたのですか?
勝藤さん(以下、勝藤・敬称略):此花区内にある子供会の保護者の方が、地域の集会所で歌の好きな子を集めて練習されているうちに合唱団を作ろうということになり、事務局を此花区民ホール内において活動が始まりました。
松本:何人ぐらいからスタートしたのですか?
勝藤:最初は小学4年生以上の男女を、40名ほど募集しました。ほとんど女の子でスタートしました。
松本:現在はどういう男女構成ですか?
勝藤:現在も残念ながら男の子は一人だけです。
松本:全員で何名いらっしゃるんでしょう?
勝藤:現在は53名で、今は小学1年生から募集しています。
松本:当初より規模が大きくなっているのに男の子は減っているわけですね。
勝藤:今年久しぶりに男の子が入りました。何年も女の子だけの時代が続いていました。
松本:少女合唱団だったわけですね。それには何か理由があるのですか?
勝藤:指導者が女性だということもあると思いますが、見学に来た際、50数名の女の子に見つめられるのは、大変恥ずかしいみたいですね。
松本:その中に入るというのは勇気がいりますね。その子を大事にしてあげて下さい。
勝藤:そうですね、まあ、みんなのアイドルです。
松本:学年の構成比はどうですか?1年生からということですが。
勝藤:各学年だいたい7名から10名くらい。中学生になりますと3〜4名ほどになります。一番年上は高校3年生です。
松本:卒業はないのですか?
勝藤:卒団は高校3年生の春の定期演奏会ということになっていますが、そのまま続けている子もいます。
松本:社会人や大学生になっても、続けられるのですか?
勝藤:2年ほど前に社会人や大学生の卒団生が5人ほど戻ってきまして、彼女らが中心になって、高校生と中学生の現役の合唱団員を交え、新しく合唱団を結成しました。此花の花と音楽に携わるということで「音楽の花束」という意味のイタリア語で『フィオリ・ムジカーリ』という合唱団を作りました。
松本:『此花少年少女合唱団』では、どんなジャンルの歌を歌っているのですか?
勝藤:合唱向けに作られた「花のまわりで」や「愉快に歩けば」というような曲、また童謡唱歌などは日本の心や風土を忘れずに伝えていこうと必ず入れています。後は子どもが歌いたいアニメの曲とか「世界に一つだけの花」などのポップスですね。この前は老人ホームで歌うために「東京ブギウギ」や「りんごの歌」などの懐かしい曲も入れました。外国語の「アベ・マリア」やラテン語の歌、「ドレミの歌」も英語で歌ってみようという取り組みもしました。
松本:今年は、どんな活動をされましたか?
勝藤:今年は8月に、シンフォニーホールという大きな舞台に立ちました。4年前の大阪教育大学付属池田小学校事件のご遺族のお母さんの手記に、新進の作曲家として注目されている権代敦彦(ごんだい あつひこ)さんが曲をつけ、世界初演で、大阪フィルハーモニー交響楽団とピアノ、プロのメゾソプラノの方、池田ジュニア合唱団、柏原市少年少女合唱団、西成少年少女合唱団と此花少年少女合唱団の総勢200名の大規模で合唱しました。
松本:『此花少年少女合唱団』は、他の合唱団と“こんなところが違う”という特徴をお教えください。
勝藤:特にピアノが上手でもなければ楽譜も読めない普通の子どもたちを指導するのに、25年間、私もいろんなバカなことをやったりしていましたら、明るくて、物怖じしない、お笑い大好きな子どもたちばかりになりました。裏を返せば、ちょっと行儀が悪いと評価されるかもしれません。
松本:はめをはずすのも、子どもですから自然でいいことだと思います。うまく使い分けができればいいと思います。
勝藤:ステージ上ではきっちりしたように見えるみたいです。
松本:最後にラジオをお聴きのみなさんにメッセージを!
勝藤:大阪市の西の端っこで25年間歌い続けてきましたが、地域のみなさんに愛されて25年経ったことは、うれしいことです。西の端っこからますます歌の輪が広がるように、それを目標にして歌い続けていきたいと思っています。
松本:今日はお忙しいところありがとうございました。たった一人の男の子を大切にしてあげて下さい。そしてもっともっと男の子のメンバーも増やしてください。
勝藤:はい、ありがとうございました。
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指導者
勝藤 美麗さん |
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「レクイエム」で
大阪フィルハーモニー交響楽団と共演
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老人ホーム慰問コンサート
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病院内コンサート
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ロビーコンサート
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夏期合宿
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第14回大阪市民音楽祭
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生涯学習フェスティバル
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第24回定期演奏会
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卒団生と中高生のグループ
「フィオリ・ムジカーリ」 |
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