大阪のいろんな地域の皆さんにスポットを当てて、活動ぶりやその地域のことをご紹介するコーナーです。今日は、福島区内で活動していらっしゃいます、歌体操ボランティアグループ『ふじの花』の皆さんをご紹介します。福島区といえば、“のだふじ”が有名です。南北朝時代には、奈良・吉野の桜、京都・高雄の紅葉と並んで、三大名所と言われていたそうですね。その『ふじ』のように美しい心であちこちを回っていらっしゃる『ふじの花』の皆さんは、一体、どんな活動をしていらっしゃるのでしょうか。『ふじの花』代表の溝口寿枝子(みぞくち すえこ)さんにお話をお伺いします。
松本 歌体操のボランティアグループということですが、歌体操は簡単にいうとどのよう体操ですか?
溝口さん(以下:溝口・敬称略)
これは「高齢者を寝たきりに“しない”、“させない”、“つくらない”」をモットーにしているグループなんです。体操をしたくてもすぐには体を動かせない高齢者の方がいらっしゃいます。そのような方にまず歌を歌ってもらって、深呼吸をして徐々に体を温めてもらって、体操をする体制に整えます。それから、音楽に合わせて、体操をおこないます。
松本 じゃあ体操の時には歌を歌ってはるんですか。
溝口 いえ。歌はCDを流して曲に合わせて体操をしていきます。歌は体操するまでの準備運動みたいなものです。「歌体操」って聞くと大概、歌を歌いながら踊ったり体操したりしていると思われます。
松本 ところで、お年寄りの方に寝たきりにならないとか、させないとかいうためにおこなってらっしゃるということですが、実際にはどんな施設を回ってらっしゃるんですか。
溝口 病院とか老健施設、デイサービス、それから保険センターのいきいき教室ですね。各地にあるんですけど、その各地区で呼んでいただいて、おこなっています。はじめの歌は、その月によって曲を変えてるんですが、今は10月ですので、10月になりましたら、「故郷の空」とか「もみじ」とか「松の木小唄」とかちょっと手拍子の入るような曲を含めております。それを大体3曲ぐらい続けて歌って、それから歌体操のオリジナル曲っていうんですか、千昌夫さんの「星影のワルツ」の替え歌などを毎月歌います。これで準備運動をするわけです。その後は深呼吸をして、体を和らげて、いい空気を吸っていただいてから、指の体操に入っていくんです。
松本 全身運動にまだいかないわけですね。
溝口 手順がありまして、指からおこなっていくんです。
松本 これは指からいく方がいいわけなんですか。
溝口 そうなんです。一応、指と指の間を広げたり、間接を柔らかくしたりして、手の方からやっていくんです。次は、まだ手の腕。腕の感覚ですね。腕を使った体操に移っていきます。それもテープに合わせておこなっていきます。腕を両方の方に広げたり、中の方にいったり、前に出したり。簡単な屈伸みたいな感じです。
松本 そこまでいくと次はどこなんですか。
溝口 Aタイプ、Bタイプというのがありまして、体の不自由な方がいらっしゃいますね。その方と健常者、ふたつのタイプに分けてやっています。 Aタイプは曲にあわせて、上肢の体操。Bタイプの方は、悪い方の手をかばいながら、動かしていく上肢の体操っていうのがあるんです。
松本 細かいですね。腕の体操だけでも。その健常者の方と体の不自由な方と分けているという。その時も歌は流れています。テープとかCDで曲を流しながら、ついて体を慣らしていきます。その次は健常者だけなんですが足。足の方を丈夫にしていこうということで、足を動かしていくんです。
松本 なるほど。で、全体で何分ぐらいかかります?
溝口 全部で20分コースと30分コースっていうのになるんです。そこのデイサービスで20分っておっしゃると20分で収まりますし、30分の時間ありますよとおっしゃいますと、30分で収まるようにしてるんです。お年寄りの方は皆さん喜んでいただいています。笑顔で迎えてくださって、終わったら涙を流して「また来てね」と、手を離さないでいつまでも握ってくれます。
松本 普段、そういう交流の場も少ないでしょうしね、身体を動かす機会っていうのはそうないですからね。そうなると、教えていらっしゃる「ふじの花」の皆さんもなんとなく嬉しいですよね。
溝口 そうです。もう一体になって、皆さんと一緒にやっています。
松本 溝口さんにとりまして、福島区のいいところ、自慢できる点というと、どんなところでしょうか?
溝口 福島区は温かい町。どこにでも出向いて、初めて会った方同士でも挨拶を交わして、なごやかに受け入れていただける。そういう特徴があります。そういうところで、お年寄りの方とのコミュニケーションをとりながら、それが地域の結びつきになるわけですから。
松本 とってもいい活動をされていると思いますけど、これからもずーっとその活動を続けていっていただきたいと思います。なんか話っを聞いていると、その活動をずっと続けて“いかなければならない”じゃないんですね。
溝口 “いかしていただいている”という感じです。
松本 義務じゃないんですよね。そこに皆さんが行くのを楽しみにしているみたいな。
溝口 そうなんです。待っていていただけるので、ありがたいことなんです。
歌体操ボランティアグループ『ふじの花』の活動に興味のある方
うちにも来て欲しい、という方はお問い合わせください。
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ふじの花
代表
溝口 寿枝子さん |
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福島区民文化祭にて |
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信太山に研修に行きました |
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手島病院・クリスマス会 |
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みんなで楽しく、いきいき歌体操 |
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12月クリスマス会 |
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ふじの花「5周年のつどい」 |
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