今回は、大阪市中央区の高津(こうづ)地区で文楽などの伝統文化を子どもたちに継承する活動をされている、高津自治連合会会長で『浪花(なにわ)子ども伝統文化保存会』の相談役をしておられる日根野谷義之(ひねのや・よしゆき)さんにお話を伺います。
Q.まずは、どのような活動をされているのですか? 「4年ほど前から高津自治連合会として、地元の高津小学校からの要請で、文楽を生徒達に伝える活動をしています。文楽人形遣いの桐竹勘十郎(きりたけかんじゅうろう)さんにお願いして6年生を対象に、1年間かけて教えていただいてます。『浪花(なにわ)子ども伝統文化保存会』では高津小学校だけでなく、もっと広い地域の子どもにも大阪の伝統文化を伝えるべく、一昨年会を立ち上げ、去年の6月から実際の活動を始めました。地元の高津宮(高津神社)の一角をお借りして、文楽などの講座を開講しています」
Q.文楽人形遣いの桐竹勘十郎さんといえばたいへん著名な方ですが、特別なコネクションなどがあるんですか?
「そうですね。高津は文楽の地元なので自治会員にも文楽のファンが多く、ボランティアなどを通じて桐竹勘十郎師匠ともおつきあいがありました。小学校の子どもたちに文楽を教えて欲しいということを相談いたしましたところ、文楽劇場の地元である文楽発祥の地のためならと、快く受けていただきました。今では『僕のライフワークや!』とまで言っていただいております。たいへんありがたいことです」
Q.「浪花子ども伝統文化保存会」ではどういう方が教えているんですか? 「NPO法人の『人形浄瑠璃文楽座』の鶴澤清介さんに義太夫節や文楽三味線などを、教えていただいてます。余話ですが、今年の4月に高津宮(高津神社)で講座の発表会をしたんですが、オーストラリアから来た観光客も観に来られて、楽しい発表会となりました」
Q.「浪花子ども伝統文化保存会」では今後は他の講座などを開く計画はあるんですか?
「文楽人形、落語、だんじり囃(ばやし)などの講座を新たにしたいなと思っています。また、日本舞踊、常磐津節(ときわづぶし)、長唄、鳴り物など、大阪で脈々と受け継がれている伝統文化を、子どもたちに分かりやすく、楽しく教えていきたい。なお、文化庁の『伝統文化国民活性化国民協会』から、高津小学校子ども文楽と同様に、『浪花子ども伝統文化保存会』も認定を受けております。7月には本年度の子ども義太夫節教室の募集も行っています。また、三味線教室も開催するので、どしどしご参加、お申し込みをいただけたらと思っております」
Q.大阪の様々な伝統芸能文化を広めていこうという感じですね。高津の町づくりにもご尽力されているそうですが、どういう活動をされていますか?
「文楽は2003年ユネスコに世界無形遺産に認定されております。世界からも注目され、この度、大阪市のアイデアで、高津に文楽ロードを造る予定があり、これから大阪市と協議を重ねながら、実現させていきたいなと思っております」
Q.最後に、高津の町の魅力を教えて下さい。
「一度、子ども達の義太夫節の稽古を見に来ていただけたら、難しいと思われる義太夫節のことがよくわかります。高津はやはり文楽発祥の町であります。多くの方に高津に来て、楽しい文楽を鑑賞していただければと思います」
|
|
|
浪花子ども伝統文化保存会
相談役
日根野谷さん |
|
小さい時から義太夫節に親しんで |
|
鶴澤清介さんのご指導のもと
義太夫節のお稽古をしています |
|
平成17年度子ども義太夫節発表会 |
|