今回は、西成から世界を目指す合唱団「西成少年少女合唱団」音楽監督の篠本 恭昌(ささもと やすよし)先生にお話をお伺いします。
Q.「西成少年少女合唱団」は、どのような合唱団なのでしょうか? 「今から約30年前、当時の区長さんはもっと明るく文化的な区にしたいということで、1976年に『西成少年少女合唱団』を設立されました。現在、小学3年生から高校2年生までの54名です。週に1度、土曜日に西成区民センターで、約3時間の練習をしております」
Q.小学生から高校生までの54名がいらっしゃるということですが、男の子と女の子はそれぞれどのくらいいらっしゃるのでしょうか? 「男の子は4人、女の子は50人です。男の子はかなり少ないのですが、やはり野球やサッカーなどのスポーツをしたい子が多いのだと思います」
Q.“西成ちょっとの少年とたくさんの少女合唱団”という感じですね。西成を合言葉に活動をされているということですが、どのような合言葉なのでしょうか?
「西成の頭文字を取りまして、西成の“に”で『にっこり』、西成の“し”で『しっかり』、西成の“な”で『なかよく』、西成の “り”で『リズム良く』をモットーに活動しております」
Q.「西成少年少女合唱団」は、世界を目指しているとお聞きしたのですが、具体的にはどのような活動をされているのでしょうか? 「合唱団を作られた当時の区長さんは、ウィーン少年合唱団と交流がしたいという夢を持っておられました。今はまだその夢は実現していませんが、これまでいろいろな国の合唱団と交流をしました。例えば昭和61年にドイツのシルトベルガー少年少女合唱団と交歓音楽会をしました。また平成15年に大阪とメルボルン姉妹都市提携25周年記念事業としまして、初めての海外演奏旅行に行きました。交流したオーストラリア国立少年合唱団は、約100名の男の子だけの合唱団です。その合唱団とメルボルン市庁舎でジョイントコンサートをしました」
Q.今後、どのような活動をされるご予定でしょうか? 「今年は定期演奏会や市民音楽祭などがあります。夏には『第40回学校行事全国大会大阪市大会』が開催されます。そこで40分間ほど合唱させていただきます。また岐阜県白鳥町は“白鳥踊り”が大変有名なのですが、その白鳥町の方々に西成区民まつりにお越しいただいております。そんなご縁で今年の夏、白鳥町の『白鳥少年少女合唱団』の皆さんと2泊3日で合同合宿をして、白鳥町の社会福祉センターでジョイントコンサートを開催する予定です。また大阪の少年少女200人が集まりまして、合唱の祭典をする計画があります。東京混声合唱団の田中先生に指揮をしていただき、新進作曲家の権代先生に曲を作っていただけるということなので、どのような曲ができあがるのか、今から楽しみにしています」
Q.かなり積極的な活動をされていますが、どのような子どもさんが多いのでしょうか?
「上の学年の子供たちが積極的に活動してくれていますので、初めは大人しい子供たちも、大変みんな意欲的になっていきます。団員長の高校生や副団員長、パートリーダーが下の学年の子供たちの面倒をみています。新団員が入ってきましたら『あんな団員長になりたい』、『こんなパートリーダーになりたい』など各々が目標にするお兄さん、お姉さんを作ります。そこから少しずつ音楽はもちろんのこと人間的にも大きく成長していく姿を見られることが大変嬉しく思います」
Q.では最後に西成の魅力とは、どういうところだと思いますか?
「西成は庶民の町なので、人情味があります。そんな温かい町で子供たちは育っています。音楽的な幅が広くなっていき、その他いろいろなことで成長していく姿を見るのは大変嬉しいことです。『この子、よく頑張ったな』と本当に胸がいっぱいになりながら、指揮をすることがあります。定期演奏会は子供たちとの1年間の総まとめなので、子供たちの成長した姿からエネルギーをたくさんもらっています」
そんなお話を聞いていますと、音楽監督冥利に尽きるという感じがします。
今日はどうもありがとうございました。
|
|
|
西成少年少女合唱団
音楽監督
篠本さん |
|
定期演奏会 |
|
大阪市民音楽祭 |
|
「桜まつりイベント」でも
オープニングに合唱を披露 |
|