直木三十五記念館

 2005年4月から放送してきた「ピピッとおおさか大発見!」は、今回が最終回。そこで、この6年間に出会った皆さんのことを振り返りながら30分間お送りします。
 記念すべき第一回(2005.4.2)の放送は、この番組の常連、「からほり倶楽部」代表の六波羅雅一さんがゲスト。一月ほど前にグランドオープンしたばかりの直木三十五記念館にお邪魔し、からほり倶楽部の活動や、空堀のまちの魅力や長屋再生などについて伺いました。
 文化複合施設「萌」にある直木三十五記念館は畳敷きで、三十五の生涯年表や小学校の成績表、写真パネルや直筆の手紙など、貴重な資料が展示されています。一方、からほり倶楽部は、大阪市中央区の空堀かいわいにおいて、長屋を再生するなどのまちづくりをしている団体。ここには古い建物が多く残っているものの、次々に取り壊されるのがもったいないと、保存再生に取り組み、そこから新たな文化を発信していこうとしています。商店街を中心とする空堀を、お年寄りから子供まで、また、商売をしている人も、みんなが胸を張って自慢できるまちにしたいと願っている団体です。


ラウンドテーブルでの取材

 スタート後、ユニークな活動をしている団体を次々と紹介する中、2005年11月26日の放送では、それまでに登場した団体のうち6団体の代表がスタジオに集まり、座談会を行いました。 からほり倶楽部、三休橋筋愛好会、平林フォーラム、なにわ堀江1500、大阪・九条下町ツアー、天王寺21協議会というまちづくり団体ばかりで、一緒に大阪で何かをしたいという話が盛り上がりました。
 そして、この座談会をきっかけにすばらしいことが起きました。翌年1月31日、番組に登場した32の団体から51人の方に出席いただき、西区民センターで「大阪ひと・まち魅力発見事業推進会議」の第1回ラウンドテーブル(2006.2.11の放送で紹介)が開催されたのです。このラウンドテーブルは、以後6年間続き、毎年、交流イベントも開催してきました。会議のペースは月に1度。夜7時に食事もせず集まり、毎回熱心な話し合いが行われました。それを通じ、皆さんが横のつながりを強めていく場ともなり、つながった団体同士がイベントをするなどのうれしい知らせもたくさん届きました。

コリアタウン

 2006年4月1日の放送で紹介したのが、「大阪案内人」。それまでは団体ばかりを紹介してきましたが、大阪案内人は個人で活動する西俣稔さんのこと。大阪の町歩きツアーを主催していて、5人ぐらい集まれば町案内を引き受けるという。用意しているのは20コースほど。とくにお薦めは、区人口の4分の1にあたる4万人近くが在日コリアンという生野区のコリアタウン、区人口の4分の1が沖縄出身者の大正区、ご自身が長く住んでいた北区などだそうです。
 藤原宏美もこの番組で大正区を一緒に歩いたことがあるのですが、町歩きの締めくくりには、三線(さんしん)のライブ演奏が聴けるお店で食事。楽しくて、おいしい大正の思い出が出来ました。また、プライベートでも生野区歩きに参加。歴史の話の合間に、買い物ができる時間も作ってくれて参加者は大喜び。そして、最後はやはり焼肉店で締めくくりでしたが、そこではなんと、西俣さんご自身が韓国の民族衣装に着替え、民族楽器のチャンゴを演奏してくれるというサービスぶりでした。

帝塚山音楽祭

 2007年4月21日の放送では、「帝塚山音楽祭実行委員会」実行委員長の橋本秀信さんにお話を伺いました。 帝塚山音楽祭は万代池公園を中心とした住吉区・阿倍野区にまたがる一帯で、5月下旬の週末に2日間開催される音楽イベント。公園だけでなく周辺の町も“ステージ”になり、バーやおかき店、整骨院などが会場に。橋本さんが経営するメガネ店でもライブが行われます。音楽のジャンルも、ジャズ、ロック、クラシックから邦楽まで幅広く、音楽以外にも、落語、能、フラメンコなどが行われます。メイン会場の万代池公園は無料で楽しめるのもうれしい限り。2010年で24回を数えました。

御堂筋kappoでのさおり織り体験

 2008年度の放送で藤原宏美が最も印象に残っているのは、「ハート大阪秋まつり〜御堂筋kappoo」。開催は2008年10月12日で、10月18日の放送で紹介しました。梅田新道から本町通までの御堂筋をホコ天にして色々なことが行われましたが、その中に「なにわ自慢エリア」を確保し、ラウンドテーブルのメンバーがイベントを開催しました。テントブース五つとステージからなり、「なにわの出たがり屋」「なにわの今昔屋」「 なにわの稽古屋」「なにわのだいじにしい屋」「なにわの着るもん屋」「なにわのともだち屋」というくくりでそれぞれに楽しいイベントを展開。会場には平松市長も来てくれました。
 藤原宏美は「さおり織り」に挑戦。一見、難しそうに見えるさおり織りも、してみると意外と簡単。思わずはまってしまいました。また、kappoツアーも行われ、御堂筋を歩くコースや、曽根崎心中を歩くコースなどの町歩きが実施。また、普段は大阪城公園にいる「大阪城甲冑隊」、「NPO法人もみじ」によるモンゴルや中国の民族衣装試着など、コスプレ系も大活躍しました。

なにわ伝統野菜サミット

 2009年12月5日12日の放送では、番組の主催で開催された「なにわ伝統野菜サミット」の様子を放送。阿倍野区民センター調理実習室に、なにわ伝統野菜の復活や保存に取り組んでいる皆さんが集合。旬の天王寺かぶら、田辺大根、そして夏から保存されていた勝間(こつま)なんきんを中心に、自慢の料理を披露していただいて、みんなでその味を楽しみました。
 藤原宏美も、なにわ伝統野菜料理にチャレンジ。田辺大根を使ったお好み焼きで、大根の実と葉っぱを刻み、むきエビと豚バラ肉を入れました。葉っぱのしゃきしゃきとした触感、実の甘みが実においしいお好み焼きでした。
  最終年度も、ユニークな活動をしている方をどんどん紹介。 2011年1月29日の放送では、「建築物ウクレレ化保存計画」を行っている伊達伸明さんを取材。取り壊しになった北区の扇町スクエア、大阪サンケイホールなどの部材で造ったウクレレを見せていただき、その音色も楽しませていただきました。